ごく大雑把に。
■電王
特にいうべきことはない。というのは、文句を付ける所がないという意味です。
今回はツボに来るキャラがいなかったせいかあんまりのめり込んで観るということはなかったけど、小林さんのクオリティは落ちてないと思いました。あんだけややこしい話をよく書いてるなーと感心してしまう。
「カブト」米村氏も、キャラの描き方や個別の話は良かったんだけど、終盤、無駄にややこしくし過ぎた設定を処理出来ずに明らかに迷走していたのが歯がゆかったので、尚更。
心理描写がリアルで細かい所は女性ならではかなとは思いますが(男性にもこういう人はいると思うけど、特撮界隈ではあんまり見かけない)、ちゃんと「闘い」を話の主軸にして燃える話が描けるのが「特撮」ライターとしての強みかと。
脚本以外も頑張ってましたね。着ぐるみキャラのイマジンたちは、スーツアクターさん&声優さん&憑依された姿を演じる役者さんの共同作業で魅力的なキャラクターになってました。
改めて見ると、モモタロスの造形とかよく出来てます。
あと印象的なのは、時間を「記憶」という視点で描いていること。従来の「過去の事実があって、それを(正しく)人間が記憶している」という見方ではなく、「人間の記憶がまずありきで、(それが正しいか否かに関わらず)、その記憶こそが過去の事実となる」という発想。SF的ですね。子供向けの特撮でこれをやるって何気にスゴいことだと思います。孤独なピアノマンのエピソードが心に沁みました。
■ゲキレン
終盤になって流石に力尽きました。
敗因を挙げればキリがありませんが、個人的に最大の要因はメインライターです。
マジレンの時から薄々感じてたけど、この人の方こそ女の悪い部分が出てると思いました。ドラマの中で「闘い」が書けない。特撮モノのライターとしては致命的なんじゃないのか。
女性向けの同人誌を読めばよくわかるんですが(←読んでんのか、というツッコミはなしで)、多くの女性は、戦うことには興味はない。興味の対象は恋愛であり、○○と○○の人間関係なのです。
女性の描いた話を読んでいると、上手く闘いに人間関係を絡めて描いている人は2割くらいで、後の8割は闘いはテキトーに背景として処理されているか、全く描かれていないかです。
でもまあ、同人誌ならそれでも良いんですけどね。
理央サマは一見かっこいい悪役ですが、「悪」としての目的が不明確なため、悪役としては実は全く機能していないように見える。強くなって何がしたいのか。理央が強くなると何故困るのか。その辺の所が不明というか、正義の側に「絶対に理央を倒さなければ!」という理由が見えないので、正義の側の戦う理由が今イチ弱い=燃えない。
自分が戦うことに興味がないから、ヒーローたちが「何故戦うのか?」を描けない、男のために戦うメレだけが、ライターの共感できるキャラなんだろうなと思ってしまいます。
敵も味方も何がしたいのか分からない、唯一行動理念がはっきりしてるのがメレだけ。それも「好きな男のため」という、極めて女性的かつ個人的な行動原理。アツいバトルになろうはずがありません。
このライターが闘うことに興味を持ってないのは、キャラの強さの序列が全く分からないことからも明らかです。各回ごとに、キャラの強さが不自然に変動するから、誰がどれだけ強いのか全く分からない。
強さの序列が明確でないと、以前は歯が立たなかった強敵を倒せるようになった、とか、力では及ばない相手を知恵やチームワークで倒すとか、そういう面白さが描けない。ていうか、そもそもそういう所に面白さを感じない人なんだろうなと思いました。
来年はとりあえず、ちゃんと闘いの構図を描けるライターを使って下さい。
■風小次
これは良かった。役者さん目当てにチェックしてたんですが、期待以上に楽しめました。深夜のすごく変な時間帯で、放送局も少ない(まさかサンテレビを録画する日が来ようとは)ので、見た人が少ないのが惜しい所です。
超星神シリーズのスタッフが参加してるということで、クオリティの高さにも納得です。超星神、玩具が売れなかったらしいので打ち切られたのは仕方のない所ですが、内容は終盤に向かってどんどん良くなって行ってました。アクションも力入ってましたしね。
風小次も、原作のキャラを上手く膨らませつつ、心理描写なんかも巧みに入れつつネタ要素も満載。オリジナルな展開にも車田風味は忘れずに(笑)、予算の少なさを感じさせないアクションシーンの迫力と、毎回楽しませて貰いました。
超星神の時から思ってたけど、何気に恋愛の描写も上手いんですよね…竜魔に対する蘭子の不器用な乙女心とか、最初は姫子の見た目の可愛さに目をハートにしていた小次郎が、終わり頃には彼女の人間性まできちんと見ていた所とか。デートの回で、「可愛いところ、可愛いところ…」と言われてスネる姫子が可愛かった。同じく、小次郎のデートにスネる絵里奈も可愛かった。あと何気に、パティシエ部の女の子は、あれは麗羅に惚れただろうなーと思います。
麗羅と言えば、武蔵に最初に斬りかかるシーンでの身のこなしが良かったです。あそこは流石にスタントだと思いますが。身軽な感じが前面に出てて、いかにも「少年忍者」って感じで。
殺陣シーンは全体的に、どの回を取ってもハズレはなかったですけどね。漫然と戦っている場面はどこにもなく、常に見せ方をすごく工夫してて見てて飽きなかったです。
■電王
特にいうべきことはない。というのは、文句を付ける所がないという意味です。
今回はツボに来るキャラがいなかったせいかあんまりのめり込んで観るということはなかったけど、小林さんのクオリティは落ちてないと思いました。あんだけややこしい話をよく書いてるなーと感心してしまう。
「カブト」米村氏も、キャラの描き方や個別の話は良かったんだけど、終盤、無駄にややこしくし過ぎた設定を処理出来ずに明らかに迷走していたのが歯がゆかったので、尚更。
心理描写がリアルで細かい所は女性ならではかなとは思いますが(男性にもこういう人はいると思うけど、特撮界隈ではあんまり見かけない)、ちゃんと「闘い」を話の主軸にして燃える話が描けるのが「特撮」ライターとしての強みかと。
脚本以外も頑張ってましたね。着ぐるみキャラのイマジンたちは、スーツアクターさん&声優さん&憑依された姿を演じる役者さんの共同作業で魅力的なキャラクターになってました。
改めて見ると、モモタロスの造形とかよく出来てます。
あと印象的なのは、時間を「記憶」という視点で描いていること。従来の「過去の事実があって、それを(正しく)人間が記憶している」という見方ではなく、「人間の記憶がまずありきで、(それが正しいか否かに関わらず)、その記憶こそが過去の事実となる」という発想。SF的ですね。子供向けの特撮でこれをやるって何気にスゴいことだと思います。孤独なピアノマンのエピソードが心に沁みました。
■ゲキレン
終盤になって流石に力尽きました。
敗因を挙げればキリがありませんが、個人的に最大の要因はメインライターです。
マジレンの時から薄々感じてたけど、この人の方こそ女の悪い部分が出てると思いました。ドラマの中で「闘い」が書けない。特撮モノのライターとしては致命的なんじゃないのか。
女性向けの同人誌を読めばよくわかるんですが(←読んでんのか、というツッコミはなしで)、多くの女性は、戦うことには興味はない。興味の対象は恋愛であり、○○と○○の人間関係なのです。
女性の描いた話を読んでいると、上手く闘いに人間関係を絡めて描いている人は2割くらいで、後の8割は闘いはテキトーに背景として処理されているか、全く描かれていないかです。
でもまあ、同人誌ならそれでも良いんですけどね。
理央サマは一見かっこいい悪役ですが、「悪」としての目的が不明確なため、悪役としては実は全く機能していないように見える。強くなって何がしたいのか。理央が強くなると何故困るのか。その辺の所が不明というか、正義の側に「絶対に理央を倒さなければ!」という理由が見えないので、正義の側の戦う理由が今イチ弱い=燃えない。
自分が戦うことに興味がないから、ヒーローたちが「何故戦うのか?」を描けない、男のために戦うメレだけが、ライターの共感できるキャラなんだろうなと思ってしまいます。
敵も味方も何がしたいのか分からない、唯一行動理念がはっきりしてるのがメレだけ。それも「好きな男のため」という、極めて女性的かつ個人的な行動原理。アツいバトルになろうはずがありません。
このライターが闘うことに興味を持ってないのは、キャラの強さの序列が全く分からないことからも明らかです。各回ごとに、キャラの強さが不自然に変動するから、誰がどれだけ強いのか全く分からない。
強さの序列が明確でないと、以前は歯が立たなかった強敵を倒せるようになった、とか、力では及ばない相手を知恵やチームワークで倒すとか、そういう面白さが描けない。ていうか、そもそもそういう所に面白さを感じない人なんだろうなと思いました。
来年はとりあえず、ちゃんと闘いの構図を描けるライターを使って下さい。
■風小次
これは良かった。役者さん目当てにチェックしてたんですが、期待以上に楽しめました。深夜のすごく変な時間帯で、放送局も少ない(まさかサンテレビを録画する日が来ようとは)ので、見た人が少ないのが惜しい所です。
超星神シリーズのスタッフが参加してるということで、クオリティの高さにも納得です。超星神、玩具が売れなかったらしいので打ち切られたのは仕方のない所ですが、内容は終盤に向かってどんどん良くなって行ってました。アクションも力入ってましたしね。
風小次も、原作のキャラを上手く膨らませつつ、心理描写なんかも巧みに入れつつネタ要素も満載。オリジナルな展開にも車田風味は忘れずに(笑)、予算の少なさを感じさせないアクションシーンの迫力と、毎回楽しませて貰いました。
超星神の時から思ってたけど、何気に恋愛の描写も上手いんですよね…竜魔に対する蘭子の不器用な乙女心とか、最初は姫子の見た目の可愛さに目をハートにしていた小次郎が、終わり頃には彼女の人間性まできちんと見ていた所とか。デートの回で、「可愛いところ、可愛いところ…」と言われてスネる姫子が可愛かった。同じく、小次郎のデートにスネる絵里奈も可愛かった。あと何気に、パティシエ部の女の子は、あれは麗羅に惚れただろうなーと思います。
麗羅と言えば、武蔵に最初に斬りかかるシーンでの身のこなしが良かったです。あそこは流石にスタントだと思いますが。身軽な感じが前面に出てて、いかにも「少年忍者」って感じで。
殺陣シーンは全体的に、どの回を取ってもハズレはなかったですけどね。漫然と戦っている場面はどこにもなく、常に見せ方をすごく工夫してて見てて飽きなかったです。