言葉による音楽的な日々のスケッチ

作曲講座受講日記と、言葉による音楽的日々のスケッチを記録

傘の下 太陽に妬かれて

2007-07-20 01:46:57 | 作曲理論講義/受講録
件の、嵐の沖縄に行ってました。


五年ぶりでしたが、前代未聞な強い勢力の台風と共に上陸、という
希有な旅になりました(笑)

悪天候の中、那覇空港で羽田にひきかえすかも、という
条件付きフライトへの杞憂をよそに、さして揺れもせず
上空では美しい虹をみたりも。

無事着陸した沖縄には輝く太陽、南国特有の香りと光は顕在で
束の間を喜びつつ、 じつは嵐の前の静けさで、風だけは不穏に強かった。


翌朝、13日の金曜日!
ジェイソンも逃げ出しそうな強い嵐の二日目、日がなホテルに軟禁、、、

ガラス張りのベランダから猛り狂う風、自然の猛威に見とれたり、
美しい海が視界不良で見えなくて、ここはどこかと切なくなったり。




でも、そこは晴れ女でした(笑)夏の海を愛しているので
神様に、入れずとも、あの、透明な沖縄らしい
碧いエメラルドグリーンの海をみせてください!と祈ったら、
最後の日は嘘みたいに晴れました。夏の神様ありがとう(笑)





写真は降水確率70%の予報の中、奇跡的に晴れた海なのです。


台風で洗い流された海は予想に反して透明で
太陽に照らされて波間に揺れる水面を映す、海底の砂が
今でも記憶映像に浮かぶほど美しかった。
海中って瞬間、奇跡みたいな魅惑的情景を映し出します。


蛍光的にまばゆい青い魚や、1センチ程のモノトーンのボーダーの小魚、

透明な稚魚の群れ、紫、緑、黄、ピンクがちりばめられた不思議なエビ、

つがいのハリセンボンの微笑んだような表情に誘われて後を追ったり

ストライプのバリエーションを配した色とりどりの魚など、

異界の美を垣間見、堪能することが出来ました。


旅の醍醐味って異質な物事との出会いですよね。


とはいえ、魅惑的なひとときを楽しんだ享楽の代償のように(笑)
珊瑚で足を切って流血したり、夢中のあまり

日焼け対策を怠った身体の背面のほとんど全てが
茹でダコのように真っ赤になってしまったり(笑)

旅の記憶の細部は時間が経てば忘れても、

南の島における夏の情熱は、とうぶん身体から消えそうにありません、
一週間経ってもまだ赤みが消えず…


夏好きで行動的、運転上手な友人の力を借りながら楽しみ、
旅の前後においても色々なことを掻い潜った(笑)不思議な旅でした。


さてさて。束の間の休暇を振り返る今宵は久々のペン大、

菊地成孔氏による講義でした。新しい分析対象の楽曲は、
私の三大歌姫(笑)の一人、大貫妙子さんともつながる
伝説のフレンチポップストリオ、リリキューブの、雨の曲。

太陽に焼かれて、というのはLILICUBがアレンジした
彼女のMon Doux Soleilの詩からです。私の背中も焼けた、、
というより焦げちゃいました。


南の島、沖縄では太陽より比率的に雨や風に妬かれましたが(笑)


美学校有志の生徒さんが訳した詞の内容が

夏を感じた沖縄の情熱と、未だ梅雨が明けない
憂鬱な東京に戻った気分にシンクロしたので綴ります。


この詩についての菊地さんの解釈、魅力的で面白かったんです、

隠喩、喚喩のことや、傘の下はパラダイス、といいつつ、
実は意味的に恋の地獄、と掛け合わされていたり、

ルーブルの絵画作品の引用、仏文学的な言葉の表現についてとか興味深い。
そして、とてもいい曲。

パリを初めて訪れた時、ルーブルとテュイルリー公園辺りの
雰囲気が気に入ったので 聴きながら懐かしく思い出して
イメージを膨らませていました。


って、、何だか夏がすっかり終わった気になってますが(笑)
まだまだ、これからなんですよね。待ち遠しい夏の訪れは!

Sous un parapluie
By LILICUB

LILICUB - SOUS UN PARAPLUIE



<雨傘の下 >


天国のように
かさの下
真昼に
雨傘の下

僕らの「禁じられた遊び」への抜け道のように
パリの真ん中に


太陽の下

僕らにとって
白昼と二つの不安の間にある「詩」には
フォトフィルが好む気まぐれに満ちていて


雨傘の下

失われた片隅のように
同類のふたりはお互いをむさぼる

雨傘の下

テュイルリーに舞い降りたふたりの天使を

太陽の下

神の、許されざるパーティーへと僕らを誘う太陽の下
まともな人たちの目には映らない
美徳の価値を持たない
彫像のもとでの恋

雨傘の下


突然訪れる恋の下
暗い空の片隅の下
ダークグレーの空のかけらが恋へ影を落としていく
去っていく
慌しく巡り、巡る
その空に、恋を成している時間に服従する
あるいは逃げていく時間に

雨傘の下
天国みたい

太陽の下
僕らにとって
白昼と二つの不安の間にある「詩」には
フォトフィルが好む気まぐれに満ちていて

雨傘の下

















<body>
<script type="text/javascript" src="http://www.research-artisan.com/userjs/?h=0&user_id=20060529000243138"></script><noscript>

</noscript>
</body>

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。