言葉による音楽的な日々のスケッチ

作曲講座受講日記と、言葉による音楽的日々のスケッチを記録

フライミー・トゥー・ザ・ムーン

2007-10-26 01:37:35 | POPS(商業音楽)
今宵は十三夜でしたねー
ベランダで、まだ円に満たない美しい月と
星空を観ていた。

この日曜日の夜も、昼間
久々に秋らしく晴れて
空気が冷たく闇夜が澄んでいて、

終電の一時間前ほど、友人と別れ、帰途に着いて
自転車で坂を一気に駆け上がる。

自宅近くになったとき、膨らみかけた半月が
木々の影に見え隠れしながらときに
満月のように大きく迫ってみえていた。


帰りぎわに友人が荷物に入れてくれた、
この時期に甘さを帯びる数個の蜜柑たちのジューシーな重み、

寒さから解放されるという安心感を抱いて、
少しブルつきながら玄関に向かう。


これからの時期、蜜柑は
風邪から守ってくれる必然的存在で、
私の頼もしいヴィタミンなんです(笑)


住んでいるマンションの周りは都心に近い割に
夜の闇を程よく確保しているので
そんな夜はベランダに出る。


澄んだ空気のせいなのか赤ワインと
普段は滅多に吸わないタバコを手にしたくなる。

タイミング良く流れてきたのは
月夜にふさわしいAジルベルトが唄う
フライミー・トゥー・ザ・ムーンだった。


ベランダにいると、家の中に居るよりも
考えが溢れて広がっていくのは、こんなに近く感じるのに
どこまでも続いて届かない深い夜空のせいだろうか。

見えていても星によっては既に宇宙で消滅していて、
実際は存在していないものを観ている場合もある。

なんてファンタジックなことも考えつつ、


最近は、学んだ楽理の習得の小さな成果(?)なのか、

週末にいいなぁーと聴いていた、くるりのジュビリーや
富田ラボの企画物の新曲のサビが、各々
マンシーニやバカラックの名曲と全く同じだったことに気が付いて
それは偶然か確信犯(笑)か、パクりかなんてことは
この際はどうでもいいことなんだけど(だって、
盗用引用などの、そんなこんなの全てが
商業音楽だから。とはいえたぶん前者は無意識的に、
後者は明らかに確信犯的だと思います、笑)

純粋に音楽を楽しみたいなら、神秘性を大切にして

距離を置いて、マジックの種明かしには
気が付かないほうがいい場合もあるにせよ、

それでも愛し続けられるポップな音楽は、

理論的には平均律を確立したバッハから

端を発したと言われ、今も変わらず存在し続けていて、

その表現、作曲とは、、とか、いつになく
真面目にナイーブな事を考えたのはペン大がかれこれ
一ヵ月半に渡る休みだったからです(笑)

見上げると夏には見えなかった星が東の方向に
ひときわ大きく見えた。


その星はオリオン座の真下にあるんだけど、

銀と赤と金色に瞬いた、あの星の名前
何ていうのだろう?


さて。来週からは秋休みだったペン大が始まります。













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カラス、何故鳴くの?

2007-10-20 01:19:49 | PIANO
先週末、出掛ける前の夕方にピアノを弾いていたら、
聞き慣れた鳥のさえずりに違和感を感じて手を止めた。


大音量のカラスの声が可愛い小鳥たちに負けじ、
とでもいうようにカァカァ加わっていた。

??



窓を開けてピアノを弾いているときには小鳥達のさえずりと
一緒になることがよくあって、麗しい演奏に、つい
野鳥も歌い出す、、、といったディズニー的な
いい話ではないけど


周波数なんかと関係があるのか(?)ピアノを弾くと
たしかに鳥の声が呼応するように、
(子供の頃に飼っていたインコもそうだったっけ)
賑やかになることは多いからいつもなら気にならないところ、
カラスの鳴き声が加わって少し調子が狂う。
手を止めて窓の外を見る。
カラスの姿は見えない。



特別な好意も嫌悪感もないけれど、
あの「カァカァ」という声は幾分けたたましく、
お世辞にも美声とは言い難いし少なくとも
音楽と相性がいいとは言えない、、


カラスの声は段々と近づいて大きくなって来て

まーいいや、と弾きながら
(そのとき弾いていたのは自作の曲だった)
カラスの歌声の初参加は私の曲に対するブーイング??と思ったり、

美声ではない大きな鳴き声のせいで弾き難かった。
続くなら窓を閉めよう、と思っていたら



ツッタカツッタカタ~って音。ダンスでもするみたいに
屋根を伝う軽快な足音。



カラスが隣の家の屋根の上に
チョンチョンとギャロップみたくして
駆け上がっている姿が見える。ヤツは
一番上まで登って風見鶏みたく誇らしげに止まっていた。




邪魔するためにこんなに近づいてきたの?



考えていたらカラス、鳴くのをやめた。
弾きながら観るとじ~っと身体を止めて、
音のするこちら側に身体をむけている。時々、
小首を傾げたりするさまは何かを考えて
音楽に耳を傾けている様に見えなくもない。
カラスは知能が高いことで知られているせいかな。

ピアノを弾いているとき、無心になる、という
イメージがあるかもしれないけれど
(無心になるときもあるし、
常にそうあるほうがいいのかもしれない)

実際は練習時に色々なことを考えていたりする。


私が演奏に対して不真面目なのか集中力がないせいなのか、
いつも以上に想像力が膨らんで、普段は
考えないようなことを普段と違うように考えて
あーそうだったのかーとひとりごちたりすることも
少なくない。

料理しながら考えるとやけに集中するとか、

動いている身体がしている事と別のことを考えると、
普段と思考回路や目線が変わる事もあるようで、


「小鳥のさえずりが、楽しげに音楽の
周波数のようなものに呼応しているのだとしたら、

カラスだってそうなのかもしれない」という想像が浮かぶ。

子供の頃に読んだイソップ童話を思い出した。

カラスが黒い身体を覆い隠すように、
色とりどりの(他の鳥の)羽で着飾って出掛けて
結局、他の華やかな鳥達、皆から嫌われる話。

見栄やお洒落など、他力本願的なかりそめの姿はダメよ、
ということを悪役の真っ黒カラス、そらみたことか、的な
オチにしていたのは
子供心にも何だか後味が悪かった。

よーし。滅多にないことだからカラスの為に弾いちゃおう。
頼まれてもいないけど。


あの屋根の上の姿。もしもカラスが
音楽に楽しげに呼応したくてさえずっていたのだとしたら、
うるさいブーイング、と思うのは可哀想、と
考えを改めるざるを得ないほど(笑)きちんと音楽に
大人しく耳を傾けているみたいだった。


そしてカラスは、次の曲に移ったタイミングで、
リズミカルにバサバサと、秋の高い空に飛んで行った。


















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