2月16日土曜日
国際フォーラムで行われた
バート・バカラックのコンサートへ行きました。
じつに11年ぶりの来日で
私には初めてのバカラックコンサート。
土曜の初日ということもあって会場はほぼ満席、
外国人の姿や当日券を求める人の姿も多く、
年齢層も幅が広かった。
多くの人がそうであるように
私にとってもバカラックの楽曲は
記憶と共に在って、特別なもの。
音楽家達から今回のコンサートに向けた
コメントを読んで改めて彼の人気の高さを
感じていました。
さらにここ数年間に
映画美学校の音楽理論講座で
恋の面影と、雨にぬれても が取り上げられ、
菊地成孔さんによる楽曲分析から
バカラックの音楽作品に対する
新たな解釈、視点も生まれたこと、
去年の秋にミシェル・ルグランも来日して、
生きながらにして伝説的存在の
両者の来日を心待ちにしていたこともあり、
ひときわ忘れがたいコンサートになりました。
フルオーケストラ、男女ヴォーカル3名という
超豪華な編成で演奏された最初の曲は、
what the world needs now is love
(邦題:世界は愛を求めている)
著名な曲たちがワンコーラスの
メドレー形式で演奏されていく。
数時間のうちに収まらないほどの、ヒット曲の多さ。
ヴォーカルをとっていないけれど
ピアノを弾きながら中腰の姿勢で
オーケストラを指揮をしているバカラック、
時折満員の観客席のほうにも顔を向けていて
演奏家のサービス精神と
コンポーザーの厳しさの両側面を感じられる。
また、ノリノリで生き生きした様子は
80歳の年齢を疑いたくなるほど。
いっぽうの観客は耳を澄ますべく
水を打ったような静けさである。
しかし、バカラック本人がステージで
初めてヴォーカルをとった「恋の面影」の
イントロ部分で、
弾けるような喝采と声援が起きた。
ふりしぼり、ささやくようなヴォーカルに
じ~んとする。
ジョビンと同じように、
この方はあまり自分では歌わない。
(少なくともCDには多くは収録されていない)
オーケストレーションやアレンジの美しさ、
和声の変化による曲の感情の動きに
悲しくも無いのに勝手に涙が溢れてくるのは
私のおかしな癖なのだが、
音楽が演奏される場に
作った本人と
それを奏でる人々、
彼の音楽を愛する聴衆が居て
それら全ての人の思いを音楽が繋ぎ
今も、これからも
結び続けていくことを感じると
やはり心が震えるのでした。
喝采は波のように鳴り続け、
一人また一人と立ち上がって
会場のほぼ全員による
スタンディングオベーションと
2度のアンコールで
コンサートは幕を閉じました。
激しいロックや盛り上がるクラシックでもなく
優しい恋の歌が主なポップスのコンサートで
満場のスタンディングオベーションとなった場面は
さすがに感動的で、
アメリカに住み、恋の歌を作る
もう老齢のバカラックが
日本のコンサートで
始まりと終わりに選んだ曲は
「世界は愛を求めている」だったことも
このコンサートへの感慨をさらに深めるのでした。
What The World Needs Now Is Love
作曲:Burt Bacharach
作詞:Hal David
1965年
今、世界が求めているもの、それは愛、やさしい愛
手に入れることがむずかしい、たったひとつのもの
今、世界が求めているもの、それは愛、やさしい愛
だれかへの愛ではなく、すべての人々への愛を
神様、もう、これ以上山はいりません
登るための山も丘も十分あるんです
渡るための海や川も十分あるんです
最後の最後まで十分あるんです
神様、もう、これ以上墓地はいりません
とうもろこし畑と麦畑も十分あるんです
輝く太陽の光も月の光も十分あるんです
だから神様、聞いてください
もし、お知りになりたいのなら
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国際フォーラムで行われた
バート・バカラックのコンサートへ行きました。
じつに11年ぶりの来日で
私には初めてのバカラックコンサート。
土曜の初日ということもあって会場はほぼ満席、
外国人の姿や当日券を求める人の姿も多く、
年齢層も幅が広かった。
多くの人がそうであるように
私にとってもバカラックの楽曲は
記憶と共に在って、特別なもの。
音楽家達から今回のコンサートに向けた
コメントを読んで改めて彼の人気の高さを
感じていました。
さらにここ数年間に
映画美学校の音楽理論講座で
恋の面影と、雨にぬれても が取り上げられ、
菊地成孔さんによる楽曲分析から
バカラックの音楽作品に対する
新たな解釈、視点も生まれたこと、
去年の秋にミシェル・ルグランも来日して、
生きながらにして伝説的存在の
両者の来日を心待ちにしていたこともあり、
ひときわ忘れがたいコンサートになりました。
フルオーケストラ、男女ヴォーカル3名という
超豪華な編成で演奏された最初の曲は、
what the world needs now is love
(邦題:世界は愛を求めている)
著名な曲たちがワンコーラスの
メドレー形式で演奏されていく。
数時間のうちに収まらないほどの、ヒット曲の多さ。
ヴォーカルをとっていないけれど
ピアノを弾きながら中腰の姿勢で
オーケストラを指揮をしているバカラック、
時折満員の観客席のほうにも顔を向けていて
演奏家のサービス精神と
コンポーザーの厳しさの両側面を感じられる。
また、ノリノリで生き生きした様子は
80歳の年齢を疑いたくなるほど。
いっぽうの観客は耳を澄ますべく
水を打ったような静けさである。
しかし、バカラック本人がステージで
初めてヴォーカルをとった「恋の面影」の
イントロ部分で、
弾けるような喝采と声援が起きた。
ふりしぼり、ささやくようなヴォーカルに
じ~んとする。
ジョビンと同じように、
この方はあまり自分では歌わない。
(少なくともCDには多くは収録されていない)
オーケストレーションやアレンジの美しさ、
和声の変化による曲の感情の動きに
悲しくも無いのに勝手に涙が溢れてくるのは
私のおかしな癖なのだが、
音楽が演奏される場に
作った本人と
それを奏でる人々、
彼の音楽を愛する聴衆が居て
それら全ての人の思いを音楽が繋ぎ
今も、これからも
結び続けていくことを感じると
やはり心が震えるのでした。
喝采は波のように鳴り続け、
一人また一人と立ち上がって
会場のほぼ全員による
スタンディングオベーションと
2度のアンコールで
コンサートは幕を閉じました。
激しいロックや盛り上がるクラシックでもなく
優しい恋の歌が主なポップスのコンサートで
満場のスタンディングオベーションとなった場面は
さすがに感動的で、
アメリカに住み、恋の歌を作る
もう老齢のバカラックが
日本のコンサートで
始まりと終わりに選んだ曲は
「世界は愛を求めている」だったことも
このコンサートへの感慨をさらに深めるのでした。
What The World Needs Now Is Love
作曲:Burt Bacharach
作詞:Hal David
1965年
今、世界が求めているもの、それは愛、やさしい愛
手に入れることがむずかしい、たったひとつのもの
今、世界が求めているもの、それは愛、やさしい愛
だれかへの愛ではなく、すべての人々への愛を
神様、もう、これ以上山はいりません
登るための山も丘も十分あるんです
渡るための海や川も十分あるんです
最後の最後まで十分あるんです
神様、もう、これ以上墓地はいりません
とうもろこし畑と麦畑も十分あるんです
輝く太陽の光も月の光も十分あるんです
だから神様、聞いてください
もし、お知りになりたいのなら
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