言葉による音楽的な日々のスケッチ

作曲講座受講日記と、言葉による音楽的日々のスケッチを記録

愛と偶然とダンディ

2009-02-25 00:14:53 | 「好き」はひとことで言い表せない
新しい職場でまもなく1ヶ月となる今日、
ずいぶん偶然!と思わざるを得ない事がありました。

前にも備忘録で書いたことのある
前の職場の素敵な(女性も男性も皆憧れる)
大好きだった上司と
今の職場のビルの中でバッタリ出会いました。

(とはいえ、彼は直属の上司ではなかったし
自身の事というより同僚が困った事について
いつも彼を頼って相談しようとしていたのですが)

職場の誰かや知り合いとバッタリであったり
もしくは見かけたりすることは、ごくたまにあるけれど
咄嗟に、当たり前のように声をかけることは
そう多くない。(たいていの場合、躊躇する)

今、気軽に声をかけていいものかどうか、とか
連れの人が居たらどうかな、とかあれこれと
考えているうちに彼らの通り過ぎて行くことは多い。

はじめ、よく似た人だなぁと思っていた。
次の瞬間、確信した。

「Kさん、、、!!?
どうして、、ここにいらっしゃるんですか?」
(ここは知っていてわざわざ出向かないと
来られない場所にあって
たいていの「通り道」とはほど遠いところだ)



ダンディ、笑いながら
「外出先の帰りで、食事をしていこうかなと」

「こんなお洒落な場所で、、、ですか?」

「(ダンディ)笑」

「さすがKさん、、(笑)」

「Tさんはどうして?」

「今こちらで勤務してるんです」

「いつから?」

「先月末からです。メグちゃんとも
少し近いからお昼一緒しようよとか話してたんです。
部署が変わられたと聴きました」

「そう、同じビル内だけど10階のほうに異動して。
メグとはまた飲みに行こうよって言ったりしてたんだけど」

「相変わらずお忙しいのですか?」

「うん。食事してこれからまた社に戻ります」

「それにしても、、、ほんと偶然ですね、、、」と
分かれ間際に独り言みたいに言ったら
少し戸惑った照れたような変わらない笑顔で
ダンディは「また。逢いましょう」と
低い声で言って私は深く会釈をした。

そうして私たちは分かれました。


偶然以外の何ものでもないけれど
偶然とタイミングの両方が合うのは
なんと不思議なことだといつも思う。

いつもそうはならなかったであろう選択肢のほうが
多いように思えるから。

たとえば

<帰るタイミングが10秒でも遅れていたら>

彼には遇えなかっただろう。

今日の帰り際満員のエレベーターに
ギリギリ駆け込んで乗った。


<あのとき乗らなければ>


ダンディには逢わなかっただろう。

高層階にいるからエレベーターがなかなか来なくて
いつもかなり待たされる。
今回は珍しくすぐに来たので
混んでいたけど走り寄って乗った。


<もしあの出口で降りなければ>

今日は風も強く冷たい雨模様で
雨風に打たれる事の無い地下まで
降りようと思っていた。

でも、こんな日こそ外の空気と風景に触れたくて
えいやっと、降りた。

もしいつも通る、人通りの少ない静かなほうの
出口に出ていたらダンディには逢えなかっただろう。


とはいえ、ほんとうはダンディとは
もっと早くに偶然に出会えるはずでした(笑)

私たちはもうずうっと通勤時のターミナル駅が同じ。
それは職場を同じくしていたときからで、
そのときはただの一度も逢わなかった。

駅で姿を見た事もなかったのに
このタイミングで互いに想像もつかなかった場所で
遇ったのはやっぱり不思議です。

未だ職場の人に慣れずに
1年以上居た前の職場の人たちとのやりとりを
どこかでいつも懐かしく思っていたからかなぁ。

前の職場でダンディと面接をしたとき
きっとこういう人がいるのなら
ここでやっていける、と思ったことも思い出して
雨と風に打たれつつも
何とも楽しい気持ちで帰途に着きました。
















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JAZZYな日々、Waltz For Debby

2009-02-02 00:28:12 | JAZZ
職場が変わって、急に忙しい。
それは、こんなご時世に
恵まれているほうだ、とわかっていながら、
「休みたいんですけど!」と言いたくなるくらい。
実際声には出さないし、休むこともないけど(笑)

仕事がないということは、身体は楽でも、
心のほうがそんなに楽ではないという
状況を年明け早々に4週間ほど味わったから。

笑ったり泣いたり怒ったり
賑やかでJAZZYとも言えなくもない日々、
Waltz For Debbyという曲を気に入って聴いていた。

この曲を知ったのは、あるCMの記憶から。

土岐麻子 日産TEANA CM 「Waltz for Debby」


ず~っと忘れられなくて、CDが見つからず、
曲名もわからなかったけど、いつでも口ずさめた。

最近発売された土岐麻子のアルバム「TOUCH」を聴いて、
初めて曲名を知った。

土岐麻子 - Waltz for Debby (LIVE)


さらに、一緒に聴いていた人が
この曲知ってる。と、記憶を辿るように口ずさんで、
ビルエヴァンスの曲だという事がわかった。


<ビル・エヴァンスとロマンティシズム>

ジャズミュージシャンである師匠に学びながら、
ご本人からはポップスのメソッドを学び、
未だジャズ初心者の私ですが、ビル・エヴァンスいうと、


例えば、以前通っていたクラシックの
ピアノレッスンの教師が
エヴァンスについて言っていた事を思い出す。

「とてもロマンティックな演奏ですよ。
ぜひ聴いてご覧なさい」と彼は言った。

それはクラシックのピアノ演奏における
ロマンティシズムを再考し、
重用視していた師匠らしい言葉だったのでよく憶えている。

<2009/1/1 NHKFM 坂本龍一ニューイヤースペシャル>

2つめに思い出すのは最近聴いたラジオのこと。
現在作曲を学ぶ師匠に近しい
山下洋輔氏と大谷能生氏がゲスト出演した、

かつて私のティーンズの頃の音楽史上での
心の師匠(笑)である、坂本龍一氏の
ラジオ番組でのやりとりのこと。

坂本氏「このロマンティシズムっていうか
甘さっていうのはエヴァンス固有のものなのか
ジャズ固有のものなのか?」

山下氏「ジャズのそうした、ある一面を
エヴァンスが拡大した」
「独特なハーモニー感」「左手でルートを弾かない」

坂本氏「もっとテンションが弾ける?」

山下氏「独特なメロディーラインの作り方」
「ルートはベースに任せる」

坂本氏「ベースの自由度が増しますね」

山下氏「エヴァンスのピアノでポストビバップは
確立されたと僕は思います」

大谷氏「いわゆるコードからアウトしていく
フレーズもこの時期から」
「(フリーのちょっと前の)モードから始まるアウトフレーズ」
「エヴァンスが綺麗にまとめた」

(以上、2009/1/1に放送されたNHK FM
「坂本龍一ニューイヤースペシャル」より抜粋して引用しました)

こんなふうに、エヴァンスのロマンティシズムに
触れられたりもしていましたが、
理論の内容やその理解はともかく

誰かが音楽について言っていることが
三者の間に共鳴を呼んで、
三者の言っている事が混ざって響き合って、
盛り上がっていくかんじ。

音楽を言葉にすることは難しいけれど、
このラジオ番組で聴ける、こうしたやりとり自体が
音楽的、、、そしてジャズセッション的(笑)でした。



<Waltz For Debbyを弾きた~い!>

私はといえば、バタバタしていたせいか
ず~っとピアノを弾いてなかった。
「或る曲が弾きたい」なんて思うのも、ひさしぶり。

で、ふと思い出して、1冊の分厚い楽譜を手にしてみた。
Standard JAZZが収まっている。パラパラと、
まさかね、、?と思いながらめくった。
目次を見て思わずきゃ~♪と小躍り。
14番目に「Waltz For Debby」があった!

いつも弾く曲とは時間の流れ方が、違う。
(スイングしていてリズムが違うから、
当たり前なのかもしれないけど)

前奏を弾いて、感嘆して、旋律の美しさを
堪能するあまり、手が止まる。
なかなか先に進めない。
ひさびさに、指で旋律を奏でる喜びを取り戻して
夢中になる。あっという間に3時間が経った。

Bill Evans - Waltz For Debby


作曲のメソッドを知ってから、初めて
ちゃんと弾くジャズかもしれない・・・

(ダブルケーデンスの)ポップな出だしだけれど
繊細に展開していくコード。
半音ずつ下がるベースライン。
変化の予測のつかなさに心惹かれる。。

難しいけど、音楽的愉悦が加速して
頭の中がじ~んとする。
これまで知らない世界で、
これまで知らなかった自由を得たような気分(笑)


さて。ここへきて仕事の都合で、
これまで通っていた講義の時間に通えない事が
多くなりそうで、だとすると休講を続けるか、
次のJAZZ科に行くという選択もありなのかもしれないけど。
う~ん。。。どうしよう!


Waltz For Debby

歌手:土岐麻子
作詞:土岐麻子・永見浩之
作曲:Bill Evans

きっと 忘れない
あなたの仕草 やさしい言葉

ふたりだけ
夜明けに見る夢のように
はかなく

どうして
さみしいはずなのに
よみがえる幸せのメロディ

きっと 忘れない
あなた のこした
世界はまだ空っぽ

それでもなお 時間を超えて
あなたはほほえみ くれる

どうして
悲しいはずなのに
よみがえる幸せのメロディ

きっと 忘れない
あなた のこした
世界はまだ空っぽ

それでもなお 目をとじれば
あなたは夢をくれる もう少しこのまま
立ち止まっていたいの















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