言葉による音楽的な日々のスケッチ

作曲講座受講日記と、言葉による音楽的日々のスケッチを記録

夜想曲

2007-06-11 02:53:36 | 作曲理論講義/受講録
夜を想う曲と書いて夜想曲(ノクターン)といいますが、
ひさびさに新しいピアノ曲を弾くべく着手しました。
ずっと弾きたかった夜想曲です。

私にしてはかなりの大曲。去年の四月の日記に書いた
幾分トラブルな演奏のお披露目会(笑)で

メンデルスゾーンの甘い思い出、という曲を人前で弾いて以来、
早くも一年経ちました。そろそろ次の曲の準備をしないと、と思っていて

既に練習していた夜曲という曲と(いずれも
夜が好きな弾き手を象徴するように「夜」が付く(笑)
明日仕事な日曜の夜なのに、全然眠くないから書いてます)
この夜想曲。どちらにしようかな、と考えながら

去年の今頃親しくなった友人のことや久しく連絡していない
ピアノの教師の事を考えていたらその友人からメールが入りました。


来年の演奏会は私が初めて人前で演奏した大好きな
代々木上原の素敵な会場だということと

お蕎麦でも食べて呑みましょう(笑)という知らせでした。


こんなふうに絶妙かつ幸福なタイミングってたまにあります(笑)

そして、そんなふうにうまく弾けるといいな、と想う夜想曲。


この曲は作曲家の「音楽への愛」を感じるあまり、
弾いていて切なくなって時々弾く手を止めるくらい(笑)

片手だけで単純にメロディを奏でる表題音楽というより
両手で旋律を奏でられる幾分、対位法的な要素もあるし
少し複雑かつ絶妙なタイミングであらわれる微細な感情表現と心遣い、

その連なりに強度を感じます。それはどこか構造がしっかりしながら

美しい建築物みたいに揺るぎないもの。


去年弾いた曲も夜曲も、なかなかにロマンティックでしたが

この曲はそれとはまた違う美しさを感じます。それは
ただロマンティックなだけではなくて何らかの喪失感(?)とか

諦念みたいなものすら曲中に感じ取る事も出来るくらいクールで静謐。
山場が多い曲なのに激しくない。

夜を想うことと恋愛感情ってもしかしたら似ているのかな、とか(笑)

考えさせられてしまうのは、流石に恋愛大国(笑)フランスの作曲家。


これを読んで作曲者がわかった方にとびきりの美酒を(笑)奢りたくなるくらい美しい曲。

なのにあまり弾かれていないらしく、楽譜も絶版で入手困難でした。

とても美しいのにあまり知られていない
どこか神秘的な存在の曲ってきっとまだまだあるんでしょうね。

この夜想曲、今夜みたく雨の日にもしっくりです。

さて、明日はペン大。新しい分析曲はジャネットジャクソンのTAKE CARE。
エロス、、というよりエロのほうが全開(笑)

お次は絶版のフレンチポップス、リリキューブ。
意外なセレクト。リリキューブは大貫妙子さんを通じて知っていた。
菊地さん守備範囲広大です。













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空白の自由、初夏のアメリカンチェリー

2007-06-06 02:51:16 | 日々
月曜日、上司が迷路みたいな(笑)パーテーションの間を抜け、
つかつかと足早に私の席に来て今週、時間ありますか?
幾分ボリュームある仕事を頼みたいんだけど、と言われて引き受ける。

考えてみたら、ここへくる前に就業していた秋から春への季節同様に
ゆったりとした時間の流れていた会社では
月の三分の一くらい休んだりしていた。少しサボタージュな(笑)日々だった。

ここへきて早くも三ヵ月目、休んだのはほんの半日だけだということに気が付く。
(もっとも黄金週間を挟んだこともあるけれど)

よく言うように、ところ変われば人も変わるものだなぁーと思う。

片付けるべき仕事があれば、身体はそれに応え、働こうとするみたいだ。

意外と奴隷的に受け身な状態が楽ちんだというのもうなずけたりするし

いざ何でも自由にどうぞ、と言われたら、

自由の中にどこか空虚な空白を人は感じてしまうのかもしれない、、、いや、

どうだろう、、?人の思考ってそもそも、自然のままにしていたら

真っ白い空白みたいなんじゃないかしら?(笑)、と感じたり。

だとしたら、その空白を埋める、、というよりは

彩りを添えるようなものが、私にとっての音楽や、

美術、映画、書物などあらゆるアートなのだと、
ともすれば忙しさに埋もれそうな日常に感じていました。

とはいえ早くすぎる時間のせいか、備忘録としての受講日記すらあまり書けていない、、
にしては色々な色々が仕事の外の日々を彩りつつ、

変化は新しさと共に期待や不安を伴って日常の中へマーブル状に入り混じっていく。

仕事を含む日常は、日々の秩序を保っているけれど、
日記に描けない日常の物事のほうが、主に私を成り立たせていると感じたり、

日々の連なりは、本来はいつでも

何にも染まっていない真っ白い空白だと考えてみると
少しばかり楽しくなる。それはいつでもいくらでも、

自由に好きな色彩で満たされ徐々に色付いてゆく
空想上の理想的な絵画のように思えたからだ。

そんなこんなで日常への思いを、
この時期に美味しくなる白いワインとアメリカンチェリーの
果実味と酸味を堪能しつつ、
巡らせていた初夏の、心地よい朧月の夜でした。










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