報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

【 洗濯物 】

2005年02月25日 19時44分58秒 | 写真:ベトナム
サイゴン・ベトナム

ベトナム都市部の住環境は、アジアの中でも特に悪い。
ほとんどのアパートにはトイレがなく、壷や盥で用を足しているのが現状だ。
上下水道のインフラ整備計画が進められているものの、
個々の住宅に上下水道が整備される見込みはない。
おそらく人が住めなくなるまで放置されるだろう。

都市部には古い下水処理施設はあるものの、ほとんど機能していない。
単なる集水場と化した施設から、生活廃水がそのまま河川に流れ込んでいる。
流量の少ない都市部の川では、汚染物質が滞留し続けている。

ドイモイ(改革)政策により、多くの外資系企業がベトナムに進出してきたが、
これら外資系企業がさらに河川の環境破壊を促進している。
外資系企業は、廃水処理施設の建設コストや運転コストを嫌い、
産業排水をそのまま河川や水路に放流している。
ベトナムの河川の汚染は、深刻な域に達している。
外資系企業は、ベトナムの超低賃金労働が目的であって、
ベトナムの環境破壊は意にも介していない。