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探査エリアの反対側に、ひとまず必要な範囲だけ探査して、待機所をつくる。作業場所との距離を十分とるためだ。対人地雷でも、破片は数十メートル飛ぶ。
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熱帯のカンボジアは、金属探知機を使う前にまず雑草を刈らなければならない。このとき、仕掛け地雷のワイヤーがないかも調べる。勢いよく刈るとワイヤーを引っ掛けてしまうことにもなる。
一度に刈る範囲はほんの50センチ四方ほどだ。棒を足元に置いて、探知済み場所との境を明確にする。探知し終わると、棒を前に進めて、また50センチ四方を慎重に刈る。
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除草要員が待機所にもどってから、探知要員が出る。
まず金属片を探知機にかざし、正常に作動しているかを確認する。独特の甲高い音がする。
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そのあと、地中に埋めてある金属にも感応するかを確認。棒の立ててある位置に埋めてある。これらの行程は毎回必ず繰り返される。
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そして、草を刈った場所を入念に探査する。探査ミスをすると、除草要員が犠牲となる。プラスチック製地雷や木製地雷の中には、金属探知機では感知しにくいものもある。どうしても金属探知機には限界がある。
更地に最初の一歩を踏み出さねばならない除草要員は、かなりの緊張を強いられる役割かもしれない。CMAC設立以来、まだ事故は一件もない。
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探知要員がもどるまで、除草要員は待機所で待つ。あらゆる作業は、ゆっくり確実に行われる。
一見、そこまでしなくても、と思ってしまうほど一回のサイクルに要する時間は長い。しかし、作業効率を上げようとすれば、必ず心のスキができる。
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それが一番怖い。
熱帯の炎天下の中、黙々と作業が繰り返えされる。気の遠くなるような作業だ。これほど緊張と忍耐を要する作業はほかにあるまい。
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ここまで前進するのに、どれほどの時間を要することか・・・
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そして、このようなものが発見される。
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全長70センチほどの爆弾。
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尾部に電線らしきものが出ているので、掘り出さずにこのまま爆破された。しかし、中の火薬はすでに湿っていた。こういうことはめずらしい。第二次大戦中の不発弾でさえ、いまだに爆発の危険がある。