報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

(5)爆破処理過程

2005年02月07日 19時00分31秒 | ●カンボジアの地雷
探知によって発見された地雷や不発弾は、すべて爆破処理される。移動が危険なものはその場で爆破されるが、RPG7(片付け式ロケット弾)の弾頭などはまとめて爆破する。
爆破には、このような土手の裾などが理想的だろう。爆発の威力は土手に吸収される。破片も一方向にしか飛ばない。

写真には3本しか写っていないが、このときはRPG7の弾頭が4本。








弾頭の上に、プラスチック爆薬を仕掛ける。プラスチック爆薬は、電流の通電によってのみ爆発する。衝撃や火や熱では爆発しない。取り扱いが便利で安全な爆薬だ。







土をかぶせて完了。









50メートル離れた位置まで電線を引いておく。全員が安全な位置に退避し、住民がいないことを確認して、電線をスイッチに接続する。





爆破。
爆破位置から離れすぎているので、写真にはかすかな煙しか写っていない。
しかし、RPG4本+プラスチック爆薬の爆発は、かなり凄まじかった。
RPGはもともと対戦車兵器として開発されたものだ。戦車の装甲を撃ち抜く威力がある。対人地雷よりはるかに危険なしろものだ。




地雷よりも不発弾の方が多く発見されるので、あらゆる爆弾、砲弾、榴弾、ロケット弾についての広い知識と高度な訓練を要求される。生半可な仕事ではない。