新型コロナの猖獗はいまだ収まりません。国民生活の自粛も続き、フラストレーションが溜まっている向きも多いようです。幸い、どちらかというと外出嫌い、引き籠り気味の私にとっては、それほどのストレスではありませんが。
ところで、2、3か月前の報道でしたが、今季はインフルエンザの流行は下火だと聞きました。続報が出ていませんがその後どうなんでしょう?「コロナとインフルのダブルパンチ」という(マスコミが飛びつきそうな)話も出ていませんので、やはり例年と比較するとインフルはおとなしかったのでしょうね。一説には、新型コロナ対策で手洗い・マスク等を励行している結果、インフルの流行も抑えられていると言います(真偽は不明)。
さて、毎年のインフルエンザの感染者数は約1000万人、死者は200人~2000人(超過死亡概念ggrksによると約1万人)います。「毎年」です。現在の新型コロナの感染者数1万3000人、死者約350人と比較すると、毎年のインフルはそれ以上の大問題だったということです。新型コロナに対し上を下への大騒ぎをしながらインフルを漫然と(外出自粛もせず)やり過ごして来たことの「マヌケさ」を、われわれは自覚できているでしょうか。
さらに言えば、ガンの死亡者数を知っていますか?2019年は38万人だそうです。38万人…群馬県で一番大きな市である高崎市の人口は37万人です。そして、多くのガンの危険性を何倍~何十倍にも高める最悪の生活習慣はなーんだ?そう、喫煙と飲酒です。「コロナ自粛が解かれたら、馴染みの店で浴びるほど飲むぞー!」って、もはやマヌケを通り越してバ〇ですよ。
「だから現在の自粛はやり過ぎだ」――と言いたいのではありませんよ。新型コロナには、①治療法がまだない、②感染の広がりを予想できない、③インフル等他の感染症より死亡率が高い、などの怖さがあり、現在の自粛対応はひとまずやむを得ないかと思います。しかしながら、一方で新型コロナ「だけ」を過度に怖がるのはいかがなものかと思いますし、ましてや恐怖心に負け、感染者やその家族、医療従事者に差別的な目を向けるなど愚の骨頂です。
健康リスクは常に、あらゆるところに存在しています。インフルやガンは「既知のリスク」、新型コロナは「未知のリスク」で、人は未知のものをより怖がるのは理解できなくもありません。しかし、それにしても冷静さを失い過ぎではありませんか。
新型コロナとはいえ、既に分かって来ていること――感染はほとんど飛沫による接触感染であること、死亡率は2%程度であること、若年層は比較的軽症で済むこと等々――もあります。情報は正確に受け止めて、デマに惑わされないようにしたいものです。現状、マスコミの報道はひどいものです。マスコミにこそ騙されないように。
注)「若年層は比較的軽症云々」を言うと「でも○○では何歳の子供がぁーっ!」と炎上しそうで・・・あくまでも全体の「傾向」のことを言っています。前にも書いた「早まった一般化」「誤った二分法」に陥らないようお願いいたします。また記事本文中にもあるとおり、私は現在の感染予防対策を否定するものではありません。世の中冷静さを欠いているので、念のため注記します。