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Left to Write

司法書士 岡住貞宏の雑記帳

気になる言葉(令和編)

2022-12-31 12:21:50 | 考えたこと

 ロシアによるウクライナ侵攻と新型コロナウイルスに翻弄された今年も、いよいよ終わろうとしています。

 今年は有名人であれ身近な人であれ、自分が影響を受けた人々が多数亡くなりました。自分の年齢からして、今後そのようなことはますます増えていくことでしょう。仕方のないこととは思いますが、寂しく、また身に堪えます。自分自身の健康と死についても、考えざるを得ません。

 仕事の面で言えば誠に忙しい1年でした。毎年忙しい忙しい言ってる気もしますが、今年はホントに忙しかったんだよぅ(泣)。その忙しい中で、年末に新刊書を書き上げることができました(発売は来年早々)。これは大きな励みとなりました。来年は2冊書いてやろうと目論んでいます。

 さて、実生活の忙しさとは裏腹に今年も閑散としたこのブログ、年末大晦日に何を書こうかと思ったのですが、かつて3年ばかり続けて「気になる言葉」を書くのが年末の定番となってました。

 気になる言葉2012

 気になる言葉2013

 気になる言葉2014

 毎年恒例の行事にしようかと思いましたが、止めました。なぜなら、飽きたから(呆)。というより忘れてたよ。で、今年はこれを復活させようと思います。なぜなら、気まぐれです。

 早速始めます。

 

1「ネタ」と「シャリ」

 Web上のある記事を読みました。「正式な寿司屋でタブーとされること」みたいな記事です(笑)。こういう雑学が大好物なんです。

 寿司屋における「正式」とは何なのか?その定義が気になるところですが、突っ込みどころはそこじゃありません。記事では、大意次のようなことを言ってました。

――お茶のことを「あがり」、お勘定のことを「おあいそ」というのは寿司職人の符丁であって、客の側でそれを使うべきではありません。それは恥ずかしいことです。また、寿司に醤油を付けるときは、ネタに付けるようにしなければなりません。シャリに醤油を付けてはいけません。

 って、分かりますかねぇ突っ込みどころ。「ネタ」も「シャリ」も寿司職人の符丁だろがよお(爆笑)。「ネタ」は「種」をひっくり返した言葉。種には料理などの具、材料という意味があります。「シャリ」は「舎利」。舎利とは仏の遺骨のことで、米の白い粒粒を遺骨になぞらえた表現なのでしょう。

 ネタもシャリも一般化した言葉になっているから客側で使ってもいい?それを言うなら、「あがり」も「おあいそ」も同じことになってしまいます。

 妙に「通ぶって」一般には分からない符丁を使うのは、確かに恥ずかしいことと思います。しかし言葉によるかな。「あがり」と「ネタ」はいいんじゃないですかねぇ?ネタのことを種と言ったら、「ププー!間違えてるよこの人」と逆に笑われてしまいそう。「あおいそ」は語源的に「愛想尽かしのようで申し訳ありませんがお会計をお願いします」という意味のようなので、確かに客の側で言うべきではないかも知れません。「シャリ」は骨でしょ?イメージが悪すぎなんで(客のみならず職人も)使わない方がいいでしょう。

 

2卑下

 最近、こういう表現をよく目にします。

――彼は「岸田氏にはそもそも政治的能力が不足している」と述べて、岸田総理を卑下した。

 分かりますかねぇ?他者を「けなす」「貶める」というような意味で「卑下する」と言っているのです。

 これは落ち着かない表現です。私の中のボキャブラリーでは「卑下する」は謙遜の意味であり、他者を批判するために使うことはあり得ないと思っていました。

――岸田総理は、「私は開成高校という名門校の卒業ですが、東大に3回も落ちた劣等生ですよ」と卑下した。

 岸田総理自身が自分のことを卑下するのは分かりますが、他人が卑下しちゃおかしいだろと思うのです。

 辞書で調べると、卑下には、「1自分を劣ったものとしていやしめること。へりくだること」という意味のほかに、「2いやしめて見下すこと」という意味もあるようです。それでは「卑下する」を「貶める」の意味で使っている人々は、この「2」の意味を自覚し意図して使っているのか?そんなワケねーだんべ!と思うのでございますことよ。そんな使い方、明らかに一般的ではありません。辞書には「2」の用例も載ってましたが、「自修の事を甚だ卑下なる田地に落ち沈ましむるなり」とありました。だけどこれねぇ、明治初期の「西国立志編(中村正直・訳)」の中の一節ですよ。「2」の意味が現代的に残っていることはあり得ないと思うのだけどな。

 

3躊躇う、彷徨う、蹌踉く

 読めますか?順に「ためらう」、「さまよう」、「よろめく」です。難読漢字クイズみたいなサイトを見ていると(だから雑学が好物なんですっ!)よく出てくる言葉です。で、「社会人ならこれくらい読めるのが常識云々」みたいな攻撃材料に使われます。

 だけどさ、これらはもともと「当て字」だよね。文法的には「熟字訓」というのが正しいのかな?意味を取って読み方を当てただけで、「躊躇」が本来的に「ためら」と読むわけじゃないですよ。俗なたとえで言えば、「本気」と書いて「マジ」と読む、みたいなもんです。

 一般的には全てひらがなで書きますし、ひらがなで書く方が正しい(漢字はない)ものだと思います。したがって、これらが読めなくても社会人失格とは言えないでしょう。

 

 と、著しくどうでもいい記事でしたね!来年もまたよろしくお願いいたします。来年も大晦日に「気になる言葉」を書きます!かな?約束はしません。

 

 


相続登記手続きがよく分かる本

2022-12-20 11:38:12 | 仕事のこと

 

 この度、新刊本を出版します。相続登記手続きがよく分かる本(秀和システム)です。

 令和6年4月1日から、相続登記(相続を原因とする所有権移転登記)が義務化されます。そのためか、すでに現在においても相続登記の件数は増加傾向にあります。本書は、相続登記を自分でしたいという方向けの解説書です。相続に関する書籍は、相続全般を解説するものや、相続対策(相続税や遺産争いについて)の解説書は数多く出ていますが、そのような書籍では相続登記に関する記述は少なめです。そこで本書は、相続登記に特化して書きました。

 このような一般の方向けの法律手続きガイドブックを出版すると、よく聞かれます。「本を読んで自分で手続きする人が増えたら、それだけ仕事が減ってマイナスではないか?」と。

 それに対しては、いつも「お蕎麦屋さん」の例でお答えしています。

 人気あるお蕎麦の名店があったとします。その店主が、この度「おいしい蕎麦の打ち方」の本を出しました。この店主、「あー、こんな本を出したらみんな自分で蕎麦を打つのでお客さん減っちゃうなぁ」と、心配しますか?しないですよね。それは自分の「腕」に自信があるからであり、どれほど懇切丁寧にコツを伝授する本を書いたとしても、おいそれとマネができるものではないことを知っているからです。

 また、お蕎麦屋さんはこのようにも考えます。「店に来て蕎麦を食べたい人と、自分で蕎麦を打ちたい人は、そもそも違う人たちだ」と。お店で食べるのと自分で打つのでは、かかる手間も時間も桁違いですから。で、どうせ自分で蕎麦を打つなら是非おいしい蕎麦を打ってくださいと、蕎麦を愛する者としてコツを惜しみなく伝授するのです。

 私も同じように考えています。

 自分で相続登記をしようと考える人は、私がこの本を書こうが書くまいが、何らかの書籍・情報等を見て自ら相続登記をすることでしょう。だとしたら、もっと深く、もっと丁寧に解説した本を提供したい。市井の法律家として、コツを惜しみなく伝授したいと思っています。それでも難しい案件、難しい相続登記はたくさんあることでしょう。そのときにはどうぞ私に、あるいは私以外の司法書士に委任をして頂きたい。一般の方には難しい相続登記を取り扱う「腕」はおいそれとマネできるものではないという自信を、司法書士は持っています。

 ということで、相続登記を自分でしたいという方、あるいは少し興味があるという方は、どうぞお買い求めください。読んでみたけどどうも難しいという方は、司法書士にご相談ください。本書を通じて相続登記に関心が高まればいいなと思っています。

 なお、発売日は来年1月7日なのでご注意を。実際に発売になりましたら、再度ご案内いたします。


C-C-Bの笠さん死亡

2022-12-18 20:25:15 | おすすめの音楽

 「Romanticが止まらない」などのヒット曲で知られるC-C-Bのドラマー(兼ボーカル)の笠さんがお亡くなりになったとのニュースを聞きました。

 私の母校・高崎高校の翠巒祭(文化祭)は、最終日最後の「紅白歌合戦」が盛り上がるイベントでした。当時流行っていた歌手・バンドのコピーでの歌合戦です。もっとも、何が「紅」で何が「白」なのかよく分かりませんでしたが(男子校)。

 高校3年のとき、C-C-Bのコピーバンドで「Romanticが止まらない」を歌い、紅白に出場しました(笑)ひとつ問題があって、ドラムを担当する同級生は歌が歌えない、歌を担当する私はドラムが叩けない。口パクでいくか、ドラムパク(?)で行くか。5分間に及ぶ長考の末、ドラムパクで私が出て歌うこととなりました。

 いや懐かしい。しかし往時茫々。ずいぶん昔の思い出となってしまいました。

 C-C-Bは確かベースの渡辺さんも若くしてお亡くなりになりましたよね。

 同級生が亡くなったようで寂しいです。

 ご冥福をお祈りいたします。

 

 


防衛力強化と増税

2022-12-16 13:14:19 | 世の中のこと

 わが国の防衛力を強化すべきとの議論がにわかに熱を帯びてきています。それも史上空前の規模であり、防衛費倍増とまでは行かないまでも1.5倍増以上の規模で。よろずにヌルいわが政府にしてここまで思い切った決断をしなければならないほど、わが国を取り巻く安全保障環境は厳しいのかと。その現実に戦慄するものであります。

 さて、防衛力を強化するとして、必要になるのは当然カネですわな。増税という政府の方向性を目の当たりにして、国民は色めき立ちあわてふためき右往左往し。でもさぁ、「日本は甘い!もっと軍事力をつけろ!」と大声で言ってた人たちってかなりいたはずじゃん?どこ行っちゃったの?右派とかタカ派とかいう人たち。「よくぞ決断した政府!金は出すからどうぞ使ってくれ!」という国士様の声は全然聞こえません。もしかして、「軍事力をつけろ(ただしカネのかからない範囲で)」という主張だったの?

 みっともねーのはジミントーのセンセーたち。ビクビク怯えて「増税の前にやることがある」だとさ。それって「事業仕分けで無駄金を数兆円生み出せる」と言ってた旧民主党と一緒じゃん。結局ダメでそれ嗤ってたじゃん。もう忘れちゃったの?センセーたち記憶力悪いの?

 先日観たニュースでは猪口邦子さんが「国を守るのに国民が税金で支えないでどうする!」と、飛沫を撒き散らす勢いで熱弁していました。これまでタカ派の印象の強かった彼女ですが、スジの通った主張だと思います。それに比べてイシバとかなんとかいう輩。ポピュリズムのカタログから出てた人ですか?と聞きたくなるようなフニャフニャ感です。わが県選出のセンセェたちはどうなんですかね。確か防衛副大臣1名に防衛大臣政務官(経験者を含む)が2名。「防衛力強化のためには増税も辞さないかどうか?イエスかノーか?」とお聞きしたいもんです。

 ちょっとフラフラ頼りないですが、それでも防衛力強化のために増税も辞さずの姿勢を示し続けている岸田総理。内閣総理大臣の首と引き換えにしても初志貫徹して欲しいものです。それでこそ漢ぞ、それでこそ政治家ぞ。

 私の意見としては防衛費のために消費税率を少し上げるべきだと思います。将来にわたる安定財源ってそれしかないですよ。国民の命と安全のために必要ならば、やむを得ない負担です。国民全体で負担しましょう。

 国債?バカ言うな(笑)、論外。防衛力の前に財政的・経済的に国が潰れる。