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Left to Write

司法書士 岡住貞宏の雑記帳

甲子園とホームアドバンテージ

2021-08-24 17:21:02 | 世の中のこと

 今年の高校野球は雨にたたられ、延期に次ぐ延期。コールドゲーム、ノーゲームなど関係者や選手にとって酷な事態も生じています。10年くらい前、われらが母校が出場(春)した年も天候不順で、母校の当初の試合予定日は雨で中止、翌日は試合開始となったものの降雨ノーゲーム、さらにその翌日ようやく試合ができたのでした。

 大会運営者の苦労や苦悩はよく分かりますし、天候が相手ですから、仕方ないと言えばそれまでなのですが……しかし工夫の余地はないものでしょうか?

 天候の影響を受けないのは、やはりドーム球場ですよね。いまや全国にいくつもあるのですから、毎年全国持ち回りで開催したらどうでしょう?甲子園球場にはこれまでの歴史があり、特別な思い入れがあるのは理解できます。しかし、高校野球の歴史はこれからも「作られ続けて行く」もの。ここらで全国のドーム球場を舞台に、新たな歴史を刻み始めるのもいいのではないでしょうか。

 東京オリンピックでは日本選手が大活躍でした。よく言われるのはホームアドバンテージ。日本を「本拠地」とする選手たちは、東京において、他国の選手よりも力を発揮する――そういうことは確かにあると思います。今回のオリンピックは無観客でしたが、応援する人の多さもホームアドバンテージに関係してくることでしょう。

 そのように考えると、「全国持ち回り案」はやっぱり良いことだと感じます。だって甲子園球場に固定では、兵庫県・大阪府の学校が常にホームアドバンテージを持ってしまうことになりますから。選手も応援も、両府県からは非常に行きやすいですよね。持ち回りで、今年は北海道、翌年は九州、次は東北…という方法は、全国の高校野球関係者にとって、かなりありがたい話なのではないでしょうか。

 再び母校の話で恐縮ですが、2回にわたる雨天順延により、生徒の応援団は相当の苦行を強いられたようです。群馬県と甲子園では「中止になったからちょっと帰る」という訳にはいきません。OBでも仕事を休んで3日間「居続け」をした猛者がいたとか。まぁOBの方は喜んでそうしてたので別にいいんですけどね(笑)


FACTFULNESS(ファクトフルネス)

2021-08-14 13:25:43 | 本の紹介

 

 少し前にベストセラーになった本です。そう、新型コロナウイルスの蔓延前に。

 著者はお医者さん(医学博士)でしかも公衆衛生学が専門であるため、現在のコロナの状況を示すような、まるで「予言」していたかのような記述が多いです。

 ちょっと長くなりますが、一部を引用。

 

<引用はじめ>

 ワクチンを例にあげよう。恐ろしい病気から守ってくれる予防接種を、自分の子供に受けさせない親がいる。みんな、良い教育を受けた人たちだ。にもかかわらず、「批判的思考」という錦の御旗のもとにとんでもない間違いをおかしている。わたしは、物事を批判的に考えることが大好きだし、「本当かな?」と疑うことも大事だと思っている。しかし大前提として、動かぬ証拠があれば、それをないがしろにしてはいけない。

 もしあなたが仮に、麻しん(はしか)の予防接種を子供に受けさせたくないと思うなら、次の2つのことを守ってほしい。

 まず、麻しんにかかった子供が亡くなるとき、どんなふうに亡くなるかを知っておこう。麻しんにかかった子供の多くは回復するが、いまだに発病してからの治療法はない。最高の対症療法を行っても、1000人のうちひとりか2人が亡くなってしまう。

 次に、「どんな証拠を見せられたら、わたしの考えが変わるだろう?」と自分に聞いてみよう。「どんな証拠を見せられても、ワクチンに対する考え方は変わらない」と思うだろうか? もしそうだとしたら、それは批判的思考とは言えない。証拠を無視したら、批判的思考は成り立たないからだ。ワクチンを疑う際に役立った批判的思考が、いつの間にか役立たずになっていないだろうか?

<「第4章 恐怖本能」より・引用おわり>

 

 先日、あるメーリングリストで「ワクチン接種は慎重に、自分を大事に」という意見が回ってきました。そのこと自体はいいでしょう、意見が様々なのは当然でしょうから。しかし、その人が貼り付けてきた根拠(しかも他人から「回ってきた情報」の「転送」だという)のあまりに愚かな内容に、絶句。ご自身でもその根拠の信憑性を、多少なりとも調べてみましたか?せめて元の情報に当たりましたか?いやいや調べる以前に、どうしてその愚論の方を(ワクチンよりも)信用できると思ったのでしょうか?判断の決め手は何なんですか?

 メーリングリストからは即刻脱退しました。新型コロナに関するFacebook上の愚かな投稿に辟易して離れてしまったのに、メーリングリストでこんなヨタが飛び込んでくるのではたまったものではありません。

 ずいぶん売れた本なのだけどな。ひとつの流行語にもなったはずです、FACTFULNESS。

 しかし新型コロナのこの世の中、この本の主張に反してFACTLESSNESSに満ち溢れています。

 

(追記)

 新型コロナのこの時代、著者のハンス・ロスリング氏はどのような意見を言っておられるのだろうかと思い、調べてみたら、2017年にお亡くなりになっているとのこと。誠に残念なことです。


スマホ脳

2021-08-03 10:29:49 | 本の紹介

 

 スマホの危険性を説いたこの本、大変に売れているようです。スマホだけでなくSNSの危険性も強調しています。

 私も思い当たるフシがあります。いや「フシがある」どころじゃなく、思い当たり過ぎてフシブシが痛いほどです。①集中力が落ちた、②根気がなくなった、③長い文章を読むのが億劫になった、これらはやっぱりスマホやSNSが強く影響しているのではないかと。より直接的に、④眼がますます悪くなったのは、間違いなくスマホが元凶だと思います。⑤クソな記事や投稿が飛び込んできてムカつく、精神衛生上良くないのは、SNSの罪業ですな。

 著者はお医者さんで、かなりの権威ある方のようです。知らんけど。しかし、様々なデータを次々に突き付けてスマホ・SNSの危険性を説くこの本には、説得力があります。データではなくエピソードですが、「ジョブスもビル・ゲイツも、わが子にスマホを持たせなかった、あるいは厳しく制限した」という話は衝撃的ですらあります。

 早速ながら私もスマホを制限し始めました。1日の使用時間は1時間に制限(スクリーンタイム利用)。使っていい機能・アプリは、電話、メッセージ(SMS)、テザリング、バーコード決済、カレンダー、アラーム、Lineのみ。Lineも使いたくないんですが、これが主な連絡手段の人もいるので仕方なく。SNSやゲームはスマホで全廃。電子メールチェックやWebでの調べものはPCで。Kindleは専用端末で。

 始めてみたところ誠に快適ですが、思わぬ副作用が。携帯を忘れて出かけてしまうのです(笑)。これもスマホにやられつちまつたスマホ脳のせいだろうと、諦め気味なのであります。