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Left to Write

司法書士 岡住貞宏の雑記帳

安倍首相の退陣にあたって

2020-08-29 22:13:58 | 世の中のこと

 何をしても、何を言っても批判する人っていますよね。政治家、特に首相など格好の餌食です。安倍首相はコロナ対策など何もしていない、やっていることはあれもダメこれもダメ云々。

 その安倍首相が辞任する意向を示しました。

 するとナンデモ批判君、今度は「こんな時期に辞めるなんて無責任、政治的空白を許さない」と。だって首相がやることなすこと全部ダメなんだろ?その前提からしたら辞めて正解、歓迎すべき事態なんじゃないの?

 矛盾に気づかないのかなあ?◯カなんじゃないの?恥ずかしくないか?

 

 NHKのニュースにて。

 メインキャスター(コイツは軽薄)が煽り気味に「安倍政治のレガシーは何か?」と。それに答えた記者なのか解説員なのか、「安保法制と消費税増税、安定政権でなければできないことを実現したこと」。それが悔しかったのかキャスター氏、森友、加計学園の問題などを挙げ、「安倍政治のマイナスは何か?」と。同じ記者又は解説員は、「公文書の管理問題、周囲の過度の忖度だ」と。空虚なモリカケ問題の、「モ」も「カ」も触れず。

 いやマスコミにも優秀な人いるのね。ちょっと見直しました。

 

 総理であるから、権力であるから、「悪いに決まってる」と思考停止してしまう輩がいる。「それじゃ具体的に何がどう悪いのか?」と聞くと、支離滅裂な答えしか出ない。モリカケなんて、「具体的に何がどう問題なのか」確実に指摘できる人はいるのか?「なんとなく怪しい」「アベが元凶に決まってる」でクソミソ言ってるだけじゃないか。

 権力に思考停止で従うのは危険、権力に忖度するのはダメというのはその通りだろう。だけど、権力というだけで押し並べて全部ダメというのは、逆の意味で思考停止状態だ。「なんとなく怪しい」というのは、権力の「対極にあるもの」に忖度しているだけではないか(そしてまた権力の「対極にあるもの」は、まさに「別の権力そのもの」だったり)

 

 よく考えた方がいい。いつも結論はここに来てしまうが、仕方ない。やっぱり、よく考えた方がいい。考えもしないヤツは愚か者だ。

 


風の音にぞ

2020-08-26 19:58:34 | できごと

 厳しい残暑が続く毎日です。

 しかしそれでもこの頃は、朝夕ふと風に涼しさを感じることがあって、「秋は近付いているのだなぁ」と思ったりします。

 こんなときにいつも思い出すのは次の和歌。

 

   秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる

 

 素晴らしいですよね。1000年以上の時を経て確かな共感を覚える。

 こんな言葉を残したいものです。また、大切にしたいものです。


濃厚接触者でも感染しない人

2020-08-25 14:21:10 | 考えたこと

 ある知人夫婦の話です。

 夫は職場の同僚が新型コロナ感染者となり、残念ながら自らも感染してしまいました。当然、濃厚接触者のPCR検査が実施されましたが、もっとも接触度の高い妻は感染していませんでした。いま思い出せば、夫が発症したと思われる日から3日間は普通に(感染対策をすることもなく)顔を突き合わせて生活していたそうですが、感染していないと。

 さらに思い出すと、ここ数年、夫は何度か風邪やインフルエンザにかかり、そのたびに妻は看病に当たったそうですが、一度も感染したことがないとのこと。

 この「妻」のような人に、何か重要なコロナ感染予防の秘密があるのではないでしょうか?こういう人を集めて研究したら、他の感染症対策を含め決定的な事実が解明できるかも。

 ひとくちに濃厚接触者と言っても、接触度に濃淡があります。感染者と同居する家族と、一度だけ会食した友人とでは、接触度は大きく違うのが当然です。また、単に同居の家族と言っても、始終一緒にいるような夫婦・親子と、「すれ違い」の多い家族とでは、やはり接触度は異なるはず。研究対象とすべきは、「新型コロナ感染者の濃厚接触者のうちで、始終一緒にいた夫婦など接触度が相当高いにも関わらず、感染しなかった人」でしょうね。

 誰か専門家の方、研究をお願いします(笑)私にはその能力がありませんので。上記「妻」には研究に協力するよう言いますよ。

 


株主総会議事録の押印(ふたたび)

2020-08-17 15:11:07 | 仕事のこと

 年数だけは長く重ねているこのブログLeft to Writeですが、閲覧人数のことを言えばそれはまぁ・・・悲しいものであります。しかしその中でも不動の人気記事があって、それは

 株主総会議事録の押印 なのであります。

 もう10年以上前に書いたこの記事が未だに一番人気とは。最近の記事も面白いんだけどなぁ読んでくれよなぁ頼むよー、と思う一方、ここ(株主総会議事録の押印)に悩む人は多いのでしょうね未だに。

 

 そこで、もう一度情報を整理してまとめたいと思います。

 

1 株主総会議事録に押印しなければならないのは誰か?原則的な答えは「誰も押印しなくてよい」です。会社法上、株主総会議事録への押印義務は何も定められていません。

 ただ実務的には、株主総会議事録に誰も押印しないとあまりに格好がつかないので、代表取締役が議事録の作成者として記名し代表印(登記所への届出印)を押印するのが良いでしょう。あくまでも義務ではなく、実務的にそのようにするのが望ましいということです。

 定款にこれとは異なる規定がある場合には、定款の規定に従います。

 

2 ところが、株主総会で代表取締役を選定した場合だけは例外的に、その株主総会議事録に「議長及び出席取締役の全員」が押印しなければなりません。その理由は、商業登記規則61条6項1号において、「議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑」につき印鑑証明書を添付しなければならない、と規定されているから。

 いや「印鑑証明書の添付義務」と「そもそも誰が印鑑を押印すべきなのか」は別のことでしょう?と、私は甚だ疑問に思っているのですが、法務省サイドでは「同じことだ」と強弁しています。私一人が文句言ってもどうにもならないので、長い物には巻かれろ、それに従って下さい、という話です。

 もし定款にこれと異なる規定があっても、最低限「議長及び出席取締役の全員」の押印は求められます。定款で定めても、これらの者の押印義務を(一部でも)免除することはできないようです。

 

3 これら議事録と押印の問題については、「いちばんやさしい株式会社の議事録作成全集」(自由国民社)という本を出版して詳しく解説していますので、どうぞお買い求め下さい(宣伝w)。

 

 

 という訳で、お買い求めください(笑)。なお、上記書籍は「第3版」が最新ですので、お間違いのないようお願いいたします。

 

 


名言?迷言?

2020-08-07 15:32:06 | 考えたこと

 近ごろ、「心に刺さる名言」というような、歴史上の偉人の名言を集めた書籍とかWebサイトとかを目にする機会があります。

 「なるほど、深い!」と思う名言もある一方、「それって本当に○○の言葉?」と疑問の残るものもあります。目についたものを3つばかりご紹介。

 

1 吉田松陰

「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。」

 うーん・・・松陰先生がこんな自己啓発セミナーみたいなこと言うとは到底思えないんだけどなぁ・・・。改めてネットで調べてみましたが、その限りでは出典が確認できませんでした。

 

「僕は忠義をするつもり、諸友は功業をなすつもり。」

 これは出典の確かな松陰の言葉です。「友達(ここでは高杉晋作や久坂玄瑞)は功業を目指しているので、彼らとは袂を分かった。僕は功業など考えず、ただ純粋に忠義の行いをするつもりだ」という趣旨です。功業、すなわち「てがら」や「成功」なんてものは、松陰にとってどうでも良いことだったはず。「成否を問わず、やるべきことをやる」のが松陰の主義信条です。

 ましてや「計画なし」って(苦笑)。

 東北旅行をするための通行手形の手配を忘れたので脱藩し、成算もないまま小舟で黒船に乗り付けアメリカに行きたいと懇願し断られ、老中を吹っ飛ばすから大砲を貸せと藩に迫り投獄され、「幕吏も人の子、真心こめて説けばきっと分かってくれるはず」と余計なことまで喋り、本来微罪で済むはずだった安政の大獄で死罪となり・・・計画性という言葉の対極にあるような人ですよ、松陰吉田寅次郎。

 この「夢なき者」の名言、まず間違いなく後世の創作だと思います。

 

2 二宮尊徳

「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である。」

 二宮尊徳は江戸後期に活躍した人。亡くなったのが安政3年(1856年)ですから明治維新の12年前のことです。

 経済という言葉を英語のEconomyの訳語として使用するようになったのは明治になってからのことのようですから、どうも時代が合わないのではないかと思います。また、この名言が表している発想自体、近代的に過ぎるような。渋沢栄一の名言と言われたら信じてしまうかも知れません。けれども二宮金次郎さんじゃあねぇ・・・。

 もともと経済という言葉は、「経世済民」を略したものだそうです。「世を経(お)さめ、民を済(すく)う」。仮にEconomyの訳語以前、金次郎さんの時代にすでに経済という言葉があったとしても、それは本来の意味で使っていたのではないでしょうか?「世をおさめ、民をすくう」という観点からした場合、「道徳」はその不可欠の要素なのであり、「(本来の意味の)経済」に対置してその当否を問われる概念とはなり得ないのでは?

「道徳なき経済は罪悪」

 この言い方は、道徳と経済を一定の対立概念と見ているように感じます。「道徳は心の問題、経済は金の問題」というような印象。今の時代には面白い発想かも知れませんが、くどいようですが、二宮金ちゃんと時代が合わない。後段の「経済(お金?)なき道徳は寝言」に至っては、かなり現代人の発想じゃないかなぁ?

 この名言もネットで出典を調べましたが、ニノのものとは確認できませんでした。

 https://mediajuku.com/article/243

 2022.1.10追記

3 福沢諭吉

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず。」

 さて、名言界のスーパースターが出てきました(笑)これは間違いなく福沢諭吉の言葉、著書「学問のすすめ」の冒頭の一節であります。

 んじゃあ、お前は何にケチをつけるつもりなのかと。

 この名言は一般的に、福沢先生の平等思想を表したものと言われています。←ココです!異議を述べたいのは。

 この名言、もともと「造らず。(マル)」で終わりではありません。「『天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず』と言えり。」が正確な引用です。「~と、言われている。」です。そして続きがあります。

 

「されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるはなんぞや。その次第はなはだ明らかなり。『実語教』に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。」

 冒頭からざっくり意訳すれば、「人と人との間に差別はないと言われているが、現実には賢愚・貧富・貴賤、大きな違いがある。その違いは『学ぶか学ばないか』によって生じる。」ということ。だから「皆さん一生懸命学びましょう!」というのが福沢先生の言いたいことです。書名からして「学問のすすめ」ですからね。そこを間違ってはいけません。

 

 無論、福沢諭吉は、この時代の人として先進的な平等主義者でした。男女同権に関する考えなど、現代でもなお先進的と思えるほど、目を見張るものがあります。さらに身分制度、門閥制度に対しては厳しい批判を向けており、「門閥制度は親の敵(かたき)でござる。」という、これまた名言も残しています。

 しかしそうではあっても、「学問のすすめ」冒頭の一節を彼の平等主義・博愛主義を説いたものと解するのは、いただけません。そのような解釈は、同書の趣旨を歪めるものとさえ感じます。

「人間は生来平等なはずである。けれども刻苦勉励の差によって様々な違いが生じる。生来の平等の権利を自ら損なうことのないよう、心して学問に励みなさい。」

 平等は、権利は、座して当然に保障されるものではない、それらを守るためには努力が必要である。このように解してはじめて、この言葉は名言であると思います。

 

 今後は、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言われている。が、しかし・・・」と、わざわざ付け加えるようにしたらどうでしょうか?

 ウゼーか(^^;;

 


新型コロナと相続登記

2020-08-05 13:15:46 | 仕事のこと

 ある専門家の見解によると、相続登記を放置している人は新型コロナに感染しやすくなるそうです。

 相続登記未了の方はお早めに司法書士事務所にご依頼ください。

 

 て、ウソですからね!皮肉言っただけですからね!

 

 「ポビドンヨード」をめぐる騒ぎをからかってみただけです。「ある専門家の見解」とは、登記の専門家である私の見解です(笑)真に受けないでくださいね。

 こんなシャレもくどくどと注意しなければならない時代かなぁ・・・


分からないものは分からない

2020-08-05 11:31:54 | 世の中のこと

 北朝鮮が「弾道ミサイルに搭載する小型核装置をおそらく開発した」という報道がされました。

 

  北朝鮮、弾道ミサイルに搭載可能な小型核装置開発か=国連報告書

 

 みなさんどう思いますか?けしからん!でしょうか?さらなる経済制裁だ!いや先制攻撃だ!という人も多いかも知れません。ネットニュースへのコメントを見ても、そんな感じの意見が多いようです。

 私が思ったのは、「なんだよ、今の今まで、まだ開発もできてなかったのかよ(笑)?」です。

 弾道ミサイルなんて核弾頭がなければマヌケなデクノボー。「まだ開発できていなかったのかよ?」は、北朝鮮に向けているのと同時に、わが国民とマスコミにも向けて言っています。今まで空っぽのデクノボーにビクビク怯えてたのか?恐怖だ脅威だ、核戦争だと、煽りまくっていたのか?空のアタマの弾道ミサイルなら、ロフテッド軌道だなんだと言ったって、意味のない話じゃないか。

 実は軍事専門家の中には、これまでも「北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭を『すでに』開発したと判断するのは尚早、技術的に次元が違う」という意見を言う人がいました。でもそんなツマラナイ意見なんて、マスコミは無視また無視です。恐怖だ脅威だ核戦争だ!の方が、お客さん(視聴者・読者)の目を引きますからね。広告スポンサーも大喜びのことでしょう。

 だいたい、今回のこの↑記事だって真実なんでしょうか?「ロイターが入手した国連の機密報告書」だとさ。マスコミが入手できたのなら機密でもなんでもないですがね。「複数の国が指摘した」と言いますが、どの国のことなんでしょうか?リビアとイランとシリアでしょうか?その複数の国は、開発の事実をどうやって知ったのでしょう?スパイ映画の見過ぎじゃないですか?それとも北朝鮮の政府高官から聞いたのでしょうか?だったらそれこそ嘘かも知れません、北朝鮮はたとえ嘘でも「もう開発できた」と思わせておきたいのですから。そもそも、近年とみに信頼感が低下している国連。大国のエゴは昔から知られていましたが、小国も入り乱れて国際的な策謀の場と化している実態がバレつつある国連。「機密報告書」の存在・内容は報道のとおりだとしても、たかが「国連ごとき」の出すヨタ報告書が、どれだけ信用できるというのでしょうか?

 誠に唾棄すべき記事だと思います。肝心なことは何も伝えていない一方で、人々を恐怖に駆り立てる悪意を持ったセンセーショナリズムに満ちています。まさにデマゴーグ。トランプ米大統領はマスコミを「フェイクニュース」と非難しますが、そう言われても仕方のない部分が確かにあると思います。

 私は、「北朝鮮が核弾頭開発に成功したというのは嘘」と言っているのではありませんよ。「開発できたかも知れないし、できていないかも知れない」というのが正解でしょう。だって金正恩と周囲の少数者以外、誰も真実を知りようがないじゃないですか?そのうえで、わが国の安全保障について言えば、あくまでも「保障」なのですから、「悪い事態」=「北朝鮮はすでに弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭を持っている」を前提に備えをするべきです。イージスアショアは重要です。敵基地攻撃能力も必要です。

 私が言いたいのは、「デマに振り回されるな、報道を疑え」ということ。マスコミをはじめとする「おかしな人たちがまき散らすおかしな情報」に、いいように操られるのは、もうやめにしませんか?

 

 翻って、新型コロナを巡る言論はますます混迷の度を深めています。

 コロナはもっと蔓延する・収束する。ウイルスが強毒化している・弱毒化している。集団免疫で対処する・感染防止で対処する。経済が優先・経済を犠牲にしても防疫が優先。ワクチン開発に成功した・ワクチンは当分できない。もう大丈夫だ!・もうダメだ!

 収拾不可能。正反対の意見が、飛沫をまき散らしながら声高に叫ばれています。

 そして特徴的、かつ、とても危険なことに、これらの発言者・発信者は、みな「自分こそが正しい」と思い込んでけつかる。狂信的との印象をすら受けます。

 新型コロナについても、現時点ではっきり断言できるのは、「よく分らない」。これだけではないですか?仕方ないじゃないですか、どうしてそれで納得できないのでしょう?なぜあやふやな情報を「こうだ!絶対こうだ!これ以外は全部間違い!」と断定せずにはいられないのでしょう?

 

 分からないものは分からない。私たちは神ではないのですから、当然のことです。昨今の世の中「ニセ神」が多く現れ、虚偽の託宣をまき散らしています。ご用心めされい。