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Left to Write

司法書士 岡住貞宏の雑記帳

ゴッドファーザー

2012-06-30 23:47:04 | 本の紹介
ゴッドファーザーDVDコレクション
ビクターエンターテインメント/CIC・ビクタービデオ


 私はそれほど映画が好きではありません。なので、名作・傑作と言われている映画でも観たことないものが大変多いです。というより、ほとんど観てません。

 映画ファンからは、「そんな超名作も観てないなんて、人としてどうなん?」と言われることもありますが、「放っとけ」と反論します。

 DVDを借りるなんてこともほとんどないのですが、先日どうした風の吹き回しか「たまには映画でも観るか」と思って借りたのが、この『ゴッドファーザー』。もちろん、いくら映画に疎い私でもその名声は知っていましたし、ニーノ・ロータの音楽くらいは聴いたことがあります。まぁシブそうな映画だし、アメリカ社会におけるマフィアという存在にも興味あるし、ちょっと観てみるか、てな感じでした。

 も~~~う、どっぷりハマりました!愛と友情と忠誠と温情、暴力と殺人と策略と裏切り、正反対の要素によって複雑にあざなわれた物語は、息もつかせぬ展開です。もちろん、威厳あるドン・コルレオーネを演じたマーロン・ブランド、冷徹なマイケルを演じたアル・パチーノそのほかの俳優陣もサイコーでした。正直に白状します。マーロン・ブランドもアル・パチーノも、名前だけは知ってましたが顔は初めて見ました。映画ファンのみなさん、スイマセン

 もちろんPart1を最初に借りて観たのですが、すぐさまPart2を借り、もう我慢できずDVDコレクションを買いPart3も観ました(笑)

 それにしても非常に複雑な物語で、ストーリーを追うのに頭フル回転でした。それに比べると最近の映画はストーリーがチープ過ぎませんかねぇ・・・なんて、全然映画観てないヤツに言われれてもねぇ映画ファンのみなさん、重ね重ねスイマセン

 我慢できずに原作も読んじゃいました。DVDから原作までこなす間、すっかり睡眠不足になりました。

ゴッドファーザー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
マリオ プーヅォ
早川書房


ゴッドファーザー〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)
マリオ プーヅォ
早川書房



もう、うんざりだ!

2012-06-22 02:04:45 | 世の中のこと
国家は破綻する――金融危機の800年
クリエーター情報なし
日経BP社


 借金は700兆円以上。ところが収入(税収)は年42兆円程度。GDPとの関係でも2倍以上の借金を負うわが日本国(しかしGDPは国民の金であって国家の金じゃない!)。おまけに、借金は毎年まだまだスゴい勢いで増え続けています。

 誰が見ても、小学1年生が見ても、破綻寸前に見えるはず。幼稚園児並みの私の計数能力をもってしても、やっぱ破綻寸前に見えます。

 ところが大政治家さん、大学者さんが、まじめくさった顔で言います。「まだ大丈夫だ」と。まだもう少し借金できる。借金で景気を良くしてから増税すればいい。

 この20年間、「景気なんか良くならなくてもいい」と考えた人がただの一人でもいたのでしょうか?しかし景気は少しも良くなりませんでした。だとするなら、むしろ景気は当面良くならないという前提で物事を考える方が理にかなっているのでは?そう考えるのは私が馬鹿だからなのでしょうか?

 だいたい「借金で景気を良くする」という発想自体、私のような凡夫には理解不能。借金を続ければやがて「行き詰まる」のが常識なのであって、バラ色の将来とは正反対なのでは?これも私が借金について無知だからなのでしょうか?

 それでも大政治家さん、大学者さんは、厳かに言い放ちます。「増税より前にすることがある」と。

 もう、うんざりだ!

 この2~3年、さんざん甘い言葉を聞かされ続けて来ました。詐欺的な言説に騙され続けて来ました。「増税より前にすることがある」なら、なぜ今までして来なかったのか?本当は、もはやそんな「増税より前にすること」などないのでしょう?そんなものないから、できないのでしょう?財務官僚の陰謀?いい加減にしてくれ!

 増税しなければ国家財政が破綻する――今日、この言葉ほど腑に落ちる、素直な印象を受ける言葉はありません。もちろん増税が嬉しい訳はありません。しかし、これ以上詐欺師に騙さるのは、もう、うんざりだ!

 政治家であれ、学者であれ、国民を騙す甘言を弄するやつらは糾弾すべきです。日本国民も、それくらいの熱を持った方がいい。糾弾対象の政治家・学者は、ゴロゴロいるように思います。

野田総理への評価

2012-06-17 15:40:25 | 世の中のこと
消費税「増税」はいらない! 財務省が民主党に教えた財政の大嘘
クリエーター情報なし
講談社


 マニフェスト違反と罵られ、マスコミには叩かれ、自民・公明両党の修正案をほとんど丸呑みにせんばかり、それでも消費税増税だけは何としても実現しようとする野田総理。このような不人気政策を強行すれば、次の選挙で民主党は必ず大敗、彼は総理はおろか、民主党代表の座も失うことでしょう。もしかしたら政治生命を絶たれるほどの孤立に追い込まれるかも知れません。それでも消費税増税を推進する野田総理。

 そして、小沢グループなど一定の反乱分子もありますが、大勢としては野田政権の消費税増税を容認する方向にある民主党。

 政権交代以来、私ははじめて民主党政権を「偉い」と思いました。皮肉を言ってるんじゃないですよ。本当にそう思います。

 消費税増税は、野田総理・民主党政権の党利党略においてはほとんど何のメリットもない政策のはず。「どうせまたすぐ自公に政権交代するんだ。それまでは赤字国債でつないでおけばいい。増税は自公にやらせろ」。そう考えても何ら不思議ではありません。しかし、彼はそう考えませんでした。政権交代前に「どうしても必要だけどめちゃくちゃ不人気の政策」、すなわち消費税増税だけは済ませておこうと考えたようです。

 必要と信じる政策については、わが身の明日をかえりみず、何としてもやり遂げる。信念の前には孤立も恐れない。そんな「本当の政治家」の姿を見た思いです。

 もちろん、この消費税増税が真に国益に叶うものであるのか、世紀の愚策であるのか、それは歴史の審判を待たなければなりません。しかし、ここでは政策の中身の当否を言っているのではありません。政治家の姿勢のことを言っているのです。少なくとも、世論やマスコミの顔色をうかがいつつ右往左往するより、有権者の歓心を買うためだけのバラマキ政策に終始するより、はるかにマシだと思います。もし愚策だと判明したなら、直ちに改めればよろしい。

 一方で、バラ色の将来を夢見がちだった民主党政権が、ここまで増税に奮い立つとは・・・国家財政はそれほどの危機にあるのかと、ちょっと恐くなります。

生活保護制度の適切な運用を求める要望書

2012-06-08 20:32:14 | 世の中のこと
平成24年6月6日

生活保護制度の適切な運用を求める要望書

群馬県内各福祉事務所長 殿
群馬司法書士会会長
岡  住  貞  宏

 現在、人気タレントの母親が生活保護を受給していたことを契機として、生活保護制度及び制度利用者全体に対する「バッシング」というべき事態が起こっている。一連の報道は、「不正受給が横行している」、「働くより生活保護をもらった方が楽で得」などという、感情的で、生活保護の実態をおよそ把握していない表面的な議論に終始するものが多い。
 それら報道のなかには、扶養義務者による扶養が生活保護適用の前提条件であるかのように論じ、タレントの母親が生活保護を受けていたことを不正受給であるとする論評も見られる。しかしながら、現行生活保護法上、扶養は保護の要件ではない。保護の要件について定めた生活保護法4条1項が、「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」と定めているのに対し、生活保護法4条2項は、「民法に定める扶養義務者の扶養は保護に優先して行われるものとする」と定めているのは、このことを意味する。厚生労働省も、「扶養が保護の要件であるかのごとく説明を行い、その結果、保護の申請を諦めさせるようなことがあれば、これも申請権の侵害にあたるおそれがあるので留意されたい」との通知を発出している(「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第9の2、『生活保護手帳2011年版』288頁参照)。
 加えて、夫婦間及び親の未成熟の子に対する関係を除き、直系血族及び兄弟姉妹に対する扶養義務は、「その者の社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、余裕があれば援助する義務」にすぎない。そうだとすれば、このレベルの扶養義務が存在することを前提に、なお扶養義務者による義務履行が困難であり、しかも申請者が保護の要件に該当する場合には、生活保護を受給しても違法性は存在しないのである。
 今回の事件に関連し、小宮山厚生労働大臣は、「親族側に扶養が困難な理由を証明する義務」を課すという、事実上、扶養を生活保護利用の要件とする法改正を検討する考えまで示している。しかし、生活困窮者はDV被害者や虐待経験者も少なくなく、「無縁社会」と言われる現代社会において、家族との関係が希薄化・悪化・断絶している人がほとんどである。このような現実を直視することなくやみくもに上記法改正を行えば、生活保護制度の利用が著しく困難となり、餓死や孤立死などの深刻な事態が多発することも懸念される。昨今の経済状況の下、雇用情勢や他の社会保障制度を改善することなく生活保護制度のみを切り詰めれば、餓死・孤立死・自殺の多発、犯罪の増加など、深刻な社会不安をも招きかねない。
 群馬県内各福祉事務所においても、生活保護申請者に対し、「まずは扶養義務者に援助してもらいなさい」などと対応し、親族の扶養義務を口実に申請を不当に阻む運用がなされることがないよう、切に要望するものである。
以 上