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Left to Write

司法書士 岡住貞宏の雑記帳

パンク侍、殴られて候

2007-08-09 11:19:45 | 本の紹介
パンク侍、斬られて候
町田 康
マガジンハウス

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 芥川賞作家でパンク・ロッカーの町田康さんが、ミュージシャンの布袋寅泰さんから暴行を受け、布袋さんは傷害容疑で書類送検されたとのこと。

 「ボク殴られましたぁ~」なんて、警察にチクるのはパンクじゃねーぜ!

 …とか一瞬思ったのですが、町田さんの小説に出てくるパンクは、駅でヤンキーにカツアゲされて「ゆるしてください、かにしてください」などと懇願するヤツですので、まぁ仕方ないかなと。

 現在、活躍中の小説家の中で、私は町田さんが一番好きです。くだらない事柄を、一心不乱に、しかしグダグダと書き綴るそのスタイルが、たまらなく大好きです。

 町田さんの小説は、ひとことで言うと脳味噌バーン!な小説です。

 え?分らない?

 まぁ読んでみて下さい。目玉ボーン!ですよ。


モンスター・ペアレント

2007-08-08 17:10:39 | 世の中のこと
ポケットモンスターダイヤモンド・パール公式ぼうけんクリアガイド (メディアファクトリーのポケモンガイド)
元宮秀介&ワンナップ
メディアファクトリー

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 学校・教師に対して、とんでもない要求やクレームをする親のことを、「モンスター・ペアレント」と呼ぶそうです。

 最近はワイドショーなどでも、その「非常識ぶり」が面白おかしく取り上げられたりしています。また、不当要求・クレームに傷ついた教師の「心のケア」を充実させようとする向きもあるようです。

 しかしながら私は、この「モンスター・ペアレント」の実在に、やや懐疑的です。実は正当な要求・クレームを受けているのにもかかわらず、教師側で「モンスター」と曲解しているケース、あるいは、「モンスター・ペアレント」という言葉を隠れ蓑に、教師が自らの問題を隠ぺいしているケースが多いのではないかと思うのです。

 例えば、「テストは全部やめろ」と要求する親の存在が、教師によって報告されたとします。この要求だけ聞くならば、いかにもとんでもない「モンスター」ですが、その背景に、もし以下のようなやりとりがあったとしたら、どう思いますか?


親「ウチの子はどうも算数が苦手で…授業の速さについていけないみたいなんです。少し配慮していただけないでしょうか?」

教師「はぁ?私の教え方が悪いっていうんですか?」

親「いや、教え方の問題ではなく、授業の進みが速すぎるらしいんです」

教師「他にそんなこと言う子はいませんよ。おたくだけですよ、そんなクレーム付けるの」

親「…いや、しかし現にウチの子はついて行けないと言うのですから…」

教師「まぁ、どんなにいい教え方をしても、受ける生徒の能力が低ければどうにもなりませんがね」

親「そんなこと言うなんて、ひどい!」

教師「だいたい、本校は公立ですよ。そんなワガママ言うのだったら私立にでも転校したらいかがです?」

親「もうアンタなんかに頼まない!ウチの子は教えなくて結構!テストで評価するのも止めて頂きたい!」


 このやりとりは、教師側からすると、「親から『テストを止めろ』という不当要求があった」ということになるのでしょう。けれども、いったいこれは、どちらがモンスターなんでしょうね?

 無論、これは架空の会話です。しかし経験的には、十分あり得る話だと思っています。

 確かに、中には実際とんでもない要求をする親もいることでしょうが、それは「親と教師」の関係に特有の問題ではありません。非常識な人というのは、どの世界にも存在するのです。そのような特殊な人の問題を、「モンスター・ペアレント」などと名付けて、あたかも「親一般」の問題であるかのように騒ぎ立てる姿勢は、いかがなものかと思います。少なくとも、学校・教師側の言い分を鵜呑みにする訳にはいかないと思うのです。

 まして教師の「心のケア」などとは……「自己防衛だけには熱心なんだな~」と、少しあきれ気味です。


学校評価アンケート

2007-08-07 00:07:32 | 世の中のこと



 長女の通う中学校から、「学校評価アンケート」のお願いがありました。

 「最近は学校でも保護者の意見を聴いて、教育の質を高めようとしているのだな」と好意的に受け止めました。「さてさて、なになに…」と、質問項目を読み始めたのですが……

 ちょっと長くなりますが、質問の全文を掲載します。

【学校評価アンケート】
1.学校からのいろいろな便りを通して、学校が行っている教育活動や子どもたちの様子がわかりますか。
2.授業参観の後の学級懇談会に出席しましたか。
3.あなたのお子さんは、普段の様子から授業が分かっていると思いますか。
4.あなたのお子さんは、家で家庭学習や読書を1時間以上していますか。
5.あなたのお子さんは、進んであいさつをしていますか。
6.あなたのお子さんは、相手の立場や気持ちを考えた言動がとれていますか。
7.本校は、いじめのない学校、学級づくりに努めていると思いますか。
8.あなたのお子さんは、食事や睡眠をきちんととり、規則正しい生活をしていますか。
9.あなたのお子さんは、日頃から体を動かしたり、運動したりしていますか。
10.本校では、定期的に防犯や避難などに関する訓練を実施していますが、学校では、安全管理を徹底していると思いますか。
11.あなたのお子さんは、正しい歩行や安全な自転車の乗り方等の交通ルールを守っていますか。
12.通学路の危険個所や事故に遭わないようにすること、事故に遭った時の対応策等についてお子さんと話し合っていますか。
13.学校では、進路や職業観育成等に関する指導を計画的に行っています、ご家庭では、お子さんと将来の夢や希望、進路について、話し合っていますか。

 な~んじゃ、これは!?

 13項目中、「学校評価」を目的とする質問は、7.と10.のわずか2項目だけ。1.はやや微妙ですが、2.との関連で、「懇談会の出席状況」と「学校活動への理解」の相関関係を調べることが目的でしょう。1.7.10.以外の10項目は、明らかに「学校評価」を目的とする質問ではなく、単なる生徒の生活調査です。

 こんな「学校評価」に回答してもまったくムダなので、質問には答えず、その旨を書いて提出しました。

 おそらく文部科学省あたりから各学校に対し、「学校評価を実施するよう」お達しでもあったのでしょう。しかし、学校現場ではこのように「骨抜き」にされてますよ。わかっているのですか?文部科学大臣。

 私はかねて、自省能力の欠如したワースト団体は学校と警察だと思って来ましたが、学校については、このアンケートで図らずも実証された形です。


葉玉匡美さん

2007-08-01 11:33:51 | 仕事のこと
新会社法100問 【第2版】
会社法立案担当者の会,葉玉 匡美
ダイヤモンド社

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 また、とある取材で、葉玉匡美さん(弁護士・TMI総合法律事務所パートナー)とお話しする機会がありました。

 葉玉さんは元法務省民事局付検事で、会社法立法担当者のおひとり。会社法の解釈・運用にあたっては、葉玉さんのご著作を避けては通れません。日経新聞でも、会社法関連の記事では「毎回必ず」と言っていいほど、葉玉さんのコメントが引用されています。

 ちょっと近寄りがたいイメージを勝手に抱いていたのですが、お会いしてみると実に気さくな方です。「先生は『仕事だから会社法に詳しい』のではなく、『会社法が好きだから会社法に詳しい』とお見受けしますが、いかがですか?」と、やや失礼な質問を投げかけてみたのですが、ニッコリ笑って「はい。そのとおりです」とお答えになったのが印象的でした。

 葉玉さんは、また、会社法にたずさわる人々必見のブログ「会社法で遊ぼ。」の開設者でもあります。「1日何件くらいアクセスがあるのですか?」とお聞きしたところ、なんと5000件!程だそうです。

 ちなみにこのブログのアクセスは、その100分の1くらい(涙)。せめて10分の1くらいを目指して頑張らねば……

浜辺陽一郎さん

2007-08-01 11:22:55 | 仕事のこと
会社法の“本当のツボ”
浜辺 陽一郎
日本実業出版社

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 とある取材で、浜辺陽一郎さん(弁護士・早稲田大学ロースクール教授)とお話しする機会がありました。

 いまでこそコンプライアンスや内部統制、コーポレートガバナンスなどという言葉が「はやって」おりますが、浜辺さんは、「はやり」のずっと前からそれらに取り組み、成果をあげて来られた方です。

 この度の会社法で、株式会社の大会社に内部統制システムの構築義務が課せられましたが、その意義、今後の方向性などについて、貴重なお話をお聞きすることができました。

 また、浜辺さんは、会社法関連の政省令について、「本来、法律によって決めるべきことを政省令で決めていたり、法律上の定義・要件を政省令で勝手に拡張・縮減している」と、批判的な意見をお持ちでした。

 以前、利益の資本組入れの項でも少し触れましたが、私もその意見に強く賛成です。