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司法書士 岡住貞宏の雑記帳

上毛ローンからの郵便物にご注意!

2009-01-15 17:16:46 | 仕事のこと

上毛ローンからの連絡(クリックで拡大)


 群馬県高崎市に本店をおく消費者金融の上毛ローン(上毛ローン上毛與信株式会社)が倒産(破産)したことは、すでにこのブログでもお伝えしたとおりです。

 ごく最近、上毛ローンの破産管財人が、同社からの借入記録がある人全員に対して、取引履歴の開示請求と過払い金の債権届をうながす趣旨の連絡を郵送したようです。

 「過払い金は、漏らさず、すべて破産手続きに乗せよう」という意図はまことに結構ではありますが……借入記録がある人「全員」に、しかも「自宅」に郵便で送りつけるというやり方は、なんとも荒っぽく、もう少し配慮をして欲しかったところです。

 私が債務整理を受任し、すでに何度も取引履歴の開示を求めている債務者の方のところにも、「あなたには過払い金があるかも知れないから、取引履歴の開示を請求してください」という連絡が送られているのです。これでは、まるで私が職務怠慢で、取引履歴の開示請求もしていなかったようではないですか?

 また、債務者の方の中には、「家族に内緒で債務整理したい」という方もたくさんいます。そのような方には、私も郵送を差し控えたり、どうしても郵送が必要なときには司法書士の肩書のない個人名の封筒で送付したりと、慎重な配慮をしているものです。それなのに、そのような方の自宅に、「破産者上毛ローン上毛與信株式会社破産管財人弁護士」という差出人からの郵便物を堂々と送りつけられては……。まったく、依頼者も私も泣きたくなります。

 さらに、私が以前に債務整理をし、すでに過払い金の返還も受けている(その旨の和解が成立している)方のところにも、同じ連絡が送られているとのこと。「もう終わったはずなのに、いったい、いまさら何事だろう?」と、不信を抱いた依頼者の方から問い合わせが相次いでいます。

 いずれにしても、上毛ローンからの上記連絡が届いた方の中でも、いろいろなパターンが考えられます。ご不明な点、疑問点のある方は、どうぞご遠慮なく当事務所までお問い合わせください。


衆愚

2009-01-14 20:32:12 | 世の中のこと
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 昨年は原油高からガソリン価格が急騰し、国民の生活を圧迫しました。

 マスコミの報道では、政府の無策ぶりを非難する声のオンパレードでした。「ガソリン税を減税すべき」という意見や、「国民に対して直接補償しろ!」という主張もありました。現に一部の漁業関係者に対しては、直接補償が実施されたようです。「政府は石油備蓄を放出しても、燃料価格の安定を図るべき」との主張もよく目にしました。

 さて、今月。一時は1リッター当たり190円台にまで高騰したレギュラーガソリン価格が、90円台に急落しました。

 おかしいですね?「こんなにガソリンを安くしてくれて、政府ありがとう!」という声は、ちっとも聞こえてきません。

 そりゃまぁ政府のおかげで価格が下がったわけではありませんので、当たり前といえば当たり前ですが……。でもそれをいうなら、原油価格が高騰したのも別に政府のせいではありません。

 それにしても皆さん、原油価格高騰のことをもう忘れてしまったのでしょうか?いまや原油価格に関して、ほとんど何も報道されてはいません。「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」のは人間の習性だとしても、ちょっと忘れっぽ過ぎやしないでしょうか?

 「政府は石油備蓄を放出しても、燃料価格の安定を図るべき」という主張が幅を利かせていたのなら、「再び起こりうる高騰に備え、いま、原油価格の安いときに政府は石油備蓄を増量すべき」との意見が出てきても良さそうなものですが……。もちろん、政府が石油備蓄を増量するには相当の支出を伴います。そしてそれを負担するのは、結局、国民以外にはいないでしょう。もしかして、その負担がイヤだから「備蓄増量」の声も出ないのでしょうか……?

 どうも「悪いことはすべて国のせい」だけど「国に協力するのはまっぴらゴメン」という態度が、社会に蔓延しているように見えます。これを言い放つのは大変に勇気が要りますが、「衆愚」という言葉を思わざるを得ません。

 現政権、現在の政府を、全面的に支持するつもりはありません。しかし、何でもかんでも悪いことはすべて「政治のせい、政府のせい」にする(主にマスコミによって形成されている)世論にも、心底辟易しています。

 現在、わが国が大変な難局にあるのは誰しも認めるところでしょう。これを乗り切るためには、政治・政府の努力がもちろん必要ですが、私たち国民の側でもなし得ることを考える必要があります。

 Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country.

 この言葉の持つ重みと、これを受け入れた国民の度量の大きさを、強く感じずにはいられません。