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これまで数々の冤罪事件で無罪判決をかちとって来た弁護士による、わが国の刑事司法の実情をリアルに書き記した良書。
著者の弁護士 今村核先生には、実は群馬司法書士会事件の(民事)弁護で大変にお世話になりました。「群馬司法書士会事件とは何だ?」と思われる方も多いとは思いますが、それはまたいずれ機会がありましたら・・・
以前お話ししたときにも、今村先生は、「私は仲間から『冤罪マニア』と呼ばれるほど、そういう事件の弁護が好きで、没頭してしまうんです。」とおっしゃってましたが、この本を読むとそれも納得です。
それにしても、この本に描かれた刑事司法の現状を読むと、何ともお寒い・・・いや「お寒い」なんて生やさしいもんじゃない、凍りつくような「極寒」の状況にあります。
わが国では刑事被告人にされたが最後、有罪判決に向かって一直線。「わたしはやっていない!」の声は、裁判官席まで届きません。
「疑わしきは被告人の利益に」という法諺があります。「『完全にクロ』と立証されない限り、単に『疑わしい』というだけでは、有罪にならない」という意味です。法諺とは「法に関することわざ」のこと。つまり「法の世界で、ことわざになるほどの常識」を意味します。ところがわが国の刑事司法では、この「常識」が通用しないようです。
痴漢冤罪を題材にした映画「それでもボクはやってない」の周防正行監督が、この本のオビに推薦文を書いています。
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