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Left to Write

司法書士 岡住貞宏の雑記帳

マスコミを信じてはいけない?

2020-11-17 19:03:00 | 世の中のこと

 このブログでも、いままでさんざんマスコミを批判して来ました。「マスコミの言うことなんか信じちゃいけない」と言って来ました。

 ところが最近、どうも雲行きがおかしいです。

 アメリカ大統領選挙についてです。もはやバイデン氏勝利はほぼ揺るがないと思いますが、わが国でもことのほか「トランプ信者」多いようで、ネット上には怨嗟の声が飛び交っています。その怨嗟がマスコミ(メディア)批判に向かっています。

 

①メディア:オブライエン大統領補佐官「敗北をほぼ認める」

 信者:バイデン派のメディアの言うことなど信じない

②メディア:○○州の選挙当局がバイデン勝利の選挙結果を公表した

 信者:メディアが勝者を決めるのではない

③メディア:トランプは○○州で提訴したが敗訴した

 信者:メディアはトランプに不利なことばかり報道して事を有利に運ぼうとしている

 

 はぁ・・・(ため息)・・・間違いを指摘する気も失せますが・・・

 

①いや「言って」るのはオブライエン氏であって(動画もあり)、メディアが「言って」るわけじゃないでしょ?

②そうだよ、メディアが決めるんじゃないよ。州の選挙の結果が決めるんだよ。だからそう報道されてるでしょ?

③敗訴したのが事実ならそれを伝えるのは仕方ないでしょ?勝訴・敗訴を決めるのは裁判所であって、敗訴を報道したからといって有利・不利に関係ないでしょ?

 

「マスコミを信じちゃいけない」と言って来たし、それは今でもそう思うんだけど、そういうことじゃないんだよなぁ・・・しかし、さんざんマスコミ批判を繰り返してきた身としては、一種の責任を感じてしまうような。


みんな大好き「陰謀論」

2020-11-12 23:21:46 | 世の中のこと

 みんな大好き陰謀論には様々なパターンがありますが、共通の要素もあるように思います。

 

①陰謀を企む敵は超強力、超優秀で、ほとんどの人に気付かれないままに、自己の欲望を満たすための行為を実行する。

②ところが匿名の「事情通」や「内部告発者」や、「ネットの画像w」によって陰謀の綻びが見えてきてしまう。

③「ほとんど誰も気付いてないのに気付いたオレSugeeee!」となる。

 

 最後のオレSugeeee!が、たまらない味なんでしょうねぇ。しかし、①と②の間に大きな矛盾があるのには気付きません、Sugeeee人たちは。

 人口甘味料も地球温暖化も、コロナウイルスもアメリカ大統領選挙も、同じ構図ですな。誰も気付いてないのにあなた(とその愉快な仲間)だけが知ってる真実、なんてものは、ただのか・ん・ち・が・い。お・も・い・こ・み()

 真実とはつまらないくらい常識的、なんじゃないかな。


アメリカ大統領選挙の「不正」?(その2)

2020-11-09 23:07:14 | 世の中のこと

 前回に引き続き、アメリカ大統領選挙の「不正」について。

 トランプは「裁判する!」と息巻いてますが、どうにも理解できないことだらけです。

 トランプ票がゴミ箱に捨てられてる画像をネットで拾って来て「これが不正の証拠じゃー!」とイキってるバカはほっとくとして(その写真を誰が撮って、捨てられてた票はいまどこにあるのかと小一時間問い詰めたい気持ちは抑え)、疑問点を3つばかり挙げます。

 

1ひと口に「裁判」と言いますが、トランプ陣営はどんな裁判をするつもりなんでしょう?

 報道ではある州の裁判所の対応として、「開票が終了していることを理由に訴えを退けた」と言ってました。とすると、日本でいう仮処分を申し立てたということ?これから本案に移行するということでしょうか?

 本案では選挙全体の無効を訴えるのか、無効票の確認を求めるのか。今回のバイデンvsトランプの得票差は400万票余りあります。激戦州に限ればもっと差は少ないとはいえ、無効票を確認するには数万から数十万の票を検証しなければならないことになります。

 その間、よほど大きな不正の証拠でも出れば別ですが、直ちに選挙の効力が停止されるわけでもないでしょう。つまり、選挙結果に従いバイデンは大統領に就任し、ホワイトハウスに入り、孤独なトランプ陣営はその後何カ月もかけて1票1票を検証する・・・なんて、ナンセンスの極みではありませんか。その結果、「選挙は有効」では目も当てられません。

 どうもこのあたり、上記のような画像バカは誤解しているようですが、「1票でも不正がみつかったら即選挙無効」ではないですからね。なぜって、100万票の投票(得票)があってそのうち1票の不正で選挙無効にしたら、99万9999票が死んでまうがな。そんなこと認められるわけないじゃないですか。

 郵便票だけ全部無効にする、ってのも無理でしょう。だって事前に郵便投票のルールは決まっていたんだもの、それを後から変更されたんじゃルールに従っていた有権者(適正に郵便投票をした人)がたまりません。著しく正義に悖ります。

 小さくても不正は不正として厳しく処罰すべきと思いますが、トランプが考えるような結果(選挙無効)を出すのは、かなり難しいんじゃないかなぁ。また、アメリカのような国でそんなに大規模な不正なんてできる訳がないことは、前回の記事で書きました。

 

2「バイデンは訴訟を受けて立とうとせず、勝利宣言で逃げようとしている。不正をしている証拠だ!」っていう主張も目にしました。

 いや、こういう訴訟って、トランプが原告、バイデンが被告じゃないですよ。被告は選挙の実施主体、州政府とか州知事とかじゃないんでしょうか?訴訟当事者でなければ、そりゃ訴訟を受けて立てませんわなぁ。どうにも筋違いというか何というか・・・(暴言自制)

 

3最後に究極の「そもそも論」を。

 そもそもトランプは、裁判所の判決には従うの?自分に不利な判決が出た途端「裁判に不正が行われた、認めない!」って言うなら、はじめから裁判をする意味もないですよ。

 さらにそもそも、そんなに選挙制度が信じられないなら、どうして選挙に立候補したのか?まずは選挙の実施「そのものの停止」を裁判で求めるべきだったのでは?

 いったんルールに従って戦っておきながら、負けた後でルール変更を主張する。こういうのって、アメリカ人的には恥ずかしくないのかな?木村太郎が「アメリカ人は徹底的に悪あがきをしないことの方が恥ずかしいと感じる」などとほざいてましたが、ホンマかいな?

 


アメリカ大統領選挙の「不正」?

2020-11-06 14:36:29 | 世の中のこと

 過熱するアメリカ大統領選挙。ま、日本人としては影響は(小さくないけど)間接的ですね。しかしそれにしてもトランプは保護主義的に過ぎ、またクレイジー過ぎるので、やや左派的ではあっても民主党バイデンの方がお付き合いし易いのではないでしょうか?

 それはともかくとして。

 結局、選挙の最終結果は訴訟に委ねられることになりそうです。トランプ陣営曰く「投票(開票)に不正が行われている」。日本のネット民なども不正に関する怪しい情報・陰謀論の拡散にせっせと勤しんでおり、中にはSNSの運営会社から警告を受ける向きもあるようです。

 どうなんでしょうねぇ、もう少し「常識」を働かせるべきではないですか?ぶっちゃけて言えば、アタマ使えよアタマ、と言いたい。

 全米を二分するような激戦が行われているわけでしょう?その最中、民主党バイデン陣営「だけ」が不正投票を行うことができるなんて、考えにくいですよね。だって社会の各層に熱烈な民主党支持者も共和党支持者もいるんですよ。一方だけがコッソリ・・・なんてことが可能とは思えません。

 コッソリと言いましたが、実際、選挙結果を左右するほどの不正投票を行おうとしたら、全米で何十万、何百万という投票を操作しなければなりません。市会議員選挙じゃないんですよ。10票100票の単位じゃどうにもなりませんがな。何十万何百万枚もの不正投票用紙を、どう準備して、どう持ち込んで、どう紛れ込ませるというのでしょうか。全米各地でそんなことをやって、誰ひとり犯行現場を押さえられない、なんてことがあり得るでしょうか。

 民主党「だけ」が、と言いました。そうですね、そんなことが可能なら熱烈な共和党員だってやるでしょう。むしろトランプ陣営なんて喜んでやりそう(暴言)。でもね、大統領の強大な権限をもってしても実際できないでしょう、そんな大規模な不正投票なんか。それが分かっているのは、むしろ大統領自身なのでは?

 小さな不正行為はあるのかも知れません。しかし、それが全体の結果を左右するとは到底思えないんですよね。そして、そのような小さな不正行為は恐らくお互いさま、両者「おあいこ」くらいなモンでしょう(笑)無論、小さな不正も許してはならないとは思いますが、繰り返しながら、それが選挙結果を左右するようなことにはならないと思います。

 と考えると、やっぱり言いたい。アタマ使えよアタマ。陰謀論もほどほどにしといた方がいいです。