laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

歌舞伎座團菊祭夜の部一回目

2007-05-07 | kabuki a Tokio

まず最初に本日の反省。

女暫や、舞踊2題など、舞台全体を見渡したほうがいい演目が多いのに、何を血迷ったか、三階東袖を取ってしまったこと。花道は見えるけど、すごく主観的アシメトリ世界で、集中できなかった。め組みたいな世話物はまだマシなんだけどね。

というわけで女暫と舞踊は次回にちゃんと書くつもり。
今日のところは簡単な箇条書きのみ。

女暫
萬次郎
が楽しそうにやっていて何より。
舞台番、三津五郎でも悪くはないんだけど、暫の指導wってことで、團十郎が付き合ってあげてもよかったんじゃない?まだそこまで体力が無理か?

雨の五郎
観たことあるのが、吉右衛門・海老蔵・獅童・進之介…
つまり、そういう(どういう?)踊りだってことなんだろうと思ってた。
松緑は、今までの中では随一の踊り手であることは確かなんだけど、なんせ最初に書いたとおり、「アシメトリ」の世界なので、感想は留保します。
といいながらひとことだけ。
「松緑はイナセは似合うけど、色っぽさはないなあ」

三つ面子守
期待しすぎたのか?アシメトリ(しつこい)のせいなのか?
思ったほど感心しなかった。
巧いことは重々分かるんだけど、軽やかさ・楽しさにいまいち欠けていたような・・。
いっそのこと子守の衣装なしで面のみで三つを踊り分ける素踊りで見たら、もっと楽しかったかも。三津五郎ならできそうだし。

め組の喧嘩
本日の白眉。やっぱり劇団の世話物はええなあ。
なにがいちばん好きだったって、さとぴーの血まみれ。
そうよそうよ血まみれが歌舞伎界でいちばん似合う男、それはさとぴー!
ははは。またまた超個人的かつミーハー趣味ですが。
それ以外に大好きだったのが、橘太郎菊十郎の飯屋と座頭のシーンや、同じく橘太郎三津右衛門のコミカルな立ち回り。
劇団芝居の脇役「は」本当に大好きです。
シン「は」というと・・・
菊五郎はめちゃかっこよかったです。
菊五郎ファンが見たら「そうよそうよこういうのが見たかったのよ!」と騒ぐに違いない、そんな江戸前でイナセで男気あふれる辰五郎でした。
松緑もこの役はかっこいい。
問題は・・・相撲取り親子ですかねぇ。
江戸の相撲取りといえば、火消しと並び称される、かっこいい色男軍団のはず。
もちろんこの芝居では火消しが主役だから、相撲取りは悪役でいいんだけど、でもかっこよくすきっとはしてないとまずいでしょ?
團十郎はもっさりしすぎでふんどし担ぎみたいだし、海老蔵は、かっこはいいけど、地獄の底から出てくるみたいな発声で、暗黒街のボスみたい。どっちも全然お江戸の匂いがしないのよ。この二人が出てくると、とたんにせっかく劇団が作り上げている江戸芝居が中断されてしまうのが惜しかった。

できれば、このお芝居、團菊じゃなくて、劇団オンリーでやって欲しかった。
辰五郎は菊五郎。藤松に三津五郎。四つ車に團蔵、九竜山に松緑。こっちのほうがずっと江戸らしい、粋のいい芝居になったと思いますがねぇ。

そしたら、ダンダンも、女暫の舞台番に付き合えたし。

時蔵のお仲、息子役の虎之介が出色。
虎之介は年齢のわりに、ちょっと芝居っ気がありすぎなのが気になるくらい。