laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

演舞場五月大歌舞伎夜の部一度目

2007-05-08 | kabuki a Tokio

福ちゃんのお三輪、ラブリー玉ちゃんご登場の2点が、二度見ることを決意させた要因でした。さて、その結果は・・・

妹背山婦女庭訓~三笠山御殿
福ちゃんのお三輪はまあまあ期待通り。笑顔のシーンが少ないので欠点が見えにくいです。
ちょっぴりあほな、哀れな子というのは本当にニンだわ。
あほってのが役の性根に本当にあるかどうかはちょっと疑問ですが、まあ、あほでしょう。いくら恋しい男を追ってとはいえ、たった一人で御殿に入り込んじゃうんだから。

ってことで、久々にニンの福助を見られて、とりあえずは満足。
だけど、鱶七の入りもなく、最後の入鹿から宝剣を奪い取るところもカットと、なんだかものすごく中途半端な印象を受けたのも事実。
続きは、法界坊とからんでくるので、最後に。

隅田川続俤(法界坊)

かなり期待してたんだけど、いささか期待はずれ。
全体の印象として「まじめなサラリーマンが一生懸命おちゃらけてみてるんだけど、いかんせんおやじギャグで、笑えない」って感じ。
まあ座頭からしてそういうキャラだからなあ。
時代物の大きい役だとあんなにすばらしいのに、なんだか、喜劇ではいつもすべってる印象が否めません。
脇も、座頭に性格が似るのか、美味しい役の番頭役の吉三郎もまじめすぎて笑えないし。ちょっとなんだかなあ、でした。
「小」悪党とか「小」細工とか、「小」のつくものは似合いませんよ、播磨屋さんには。そういうちっちぇものは中村屋に任せておけばよろしいのに。
お目当てのひとつ、ラブリー玉ちゃんは、ラブリー度が確実に落ちていた。
おばちゃん、笑顔が見たいよぉ。次回はにっこりしてね!
そうそう、♪しめこのうっさうさ♪のシーン、中村屋では四郎五郎さんがいい味だしてたよなあ、と思い出してちょっとしんみりしちゃいました。

双面水照月
これはあかんやろう!
踊りの巧拙云々の前に、染五郎にまったく法界坊の片鱗すらうかがえないのだもの。
歌舞伎をほとんど知らなくて、筋書きもちらしも持ってない人がみたら、前段の芝居とこの踊りと、まったく別物と思ったかもしれない。
それほど、逆に言えば、やることに意味がない一幕だった。
これは染五郎の責任ではなく、無理な役をやらせた座頭の責任だと思う。


どうしてもこの幕をやるのなら、(笑われるの承知で)吉右衛門自身がやるか、そうでなければ無理・冒険を承知で前段から染五郎に法界坊をやらせるかのどちらかだろう。
あたしはむしろ、この幕をばっさり切って、芝居の部分のみにすればよかったと思う。
そして、三笠山御殿はちゃんと鱶七の入りから入鹿討伐までやる。
座頭のニンはどう考えたって、(法界坊や野分姫wより)鱶七のほうにあるんだし、入鹿役者だって(富十郎)ちゃんといるんだから、本当にもったいない。富十郎が身体の都合で無理なら、歌六だってできなくはなかろう。
おっと、夜の部には出てないが、座組には段四郎だっているじゃないか。いくらでも入鹿役者はいる!
本当に、三笠山御殿をちゃんと見せて欲しかったよ。

御殿を長く、法界坊を短くすれば夕飯の時間だって、5時15分なんてとんでもない時間にならないし。

…あたしが思いつくくらいのこと、当然誰か思いついてるだろうから、なんかいろんな深~~い事情がおありなんでしょうとは思いますが。

その結果退屈極まりない、つまらない踊りを見せられ、5時から夕飯食べさせられる客はたまったもんじゃないわ。

 


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2 Comments

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はじめまして (ねこ)
2007-05-10 22:18:42
はじめまして。ねこと申します。

法界坊で、双面をなくして
三笠山御殿をちゃんとやrとのお説、あまりにお見事なのでついつい書き込んでしまいました。
わたしも本当にそのほうがいいと思います。
歌舞伎通の方のご意見と一致してとても嬉しいです。

今後も楽しみに読ませていただきます。
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Unknown (laviedure)
2007-05-11 09:43:06
ねこさんはじめまして。
おほめいただき恐縮です
実は、ねこさんがどうやってこちらにたどり着かれたのかが不思議なほど、こちらは基本的に陸の孤島(検索エンジンやRSS?などへのリンクはゼロ)で、それをいいことに一人で勝手なことをほざきまくっているのです。
時には不穏当な発言、お気にさわる内容などもあるかと思いますが、孤島の俊寛が何ほざいてる、くらいのご寛容でお目こぼしくだされば幸いです。

今後ともよろしくお願いいたします。
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