身体は冷えてるちゅーに。映画『最強の二人』見てきました。
正直、予告編見たときはあまり見る気にならなかったんですわ、『最高の人生の見つけ方』のフランス版みたいな話だろ、って。
でもあちこちの映画評ではやたら評判がいいみたいだし、ヨーロピアン映画鑑賞会(会員三名w)の定期総会に、他に見るものもないし・・・。ってことで、とりあえず出かけてみたのです。
うーむ。
別につまらなくはないし、いいお話だし、俳優は二人とも、いや脇も含めて魅力的だし。
だけど、そんな絶賛するほど?というのが正直な感想です。
最高の人生の見つけ方のあほらしいまでのご都合主義展開ストーリーに比べればまあマシなのかもしれないけれど、とりあえず、実話だからなのか、演出や脚色の問題なのか、数々のスラングや、差別擁護の連発で大胆っぽく装ってはいるけれど、実は肝心の部分はお茶を濁したり、綺麗に描写しすぎたり、でとても「タブーに切り込んだ問題作!」とか「ショッキングな問題提起」とか、ブロガーさんや映画評論家さんが絶賛してるような感動はなかったんだよねぇ。
身障者に対して対等に振舞うためには無知を武器にするしかないのか、っていう突っ込みもしたかったけど、それは実話どおりですから、って言われちゃうだろうしねぇ。こちらが現実の金持ち身障者とアラブ看護人。アラブをマグレブに変えたのは、役者の選定以外に他意はなさそうだけど・・・
看護人のマグレバンのどこを(遠慮せずに悪態つくところ以外に)大金持ちの身障者が気に入ったのかもいまいちよくわからなかったし、文通相手の女と(恐らくその後再婚するんだろうけれど)が描けてないので、どうせ金目当てじゃないの?なんておもっちまうし。
クラシックの退屈さvダンサブルミュージックのかっこよさとか、前衛芸術の評価のいい加減さ、スピード違反を取り締まる警官が身障者だと知った瞬間及び腰になる、など、「鋭いつもり」になってる描写もいずれも類型的で、とても感動までいたる深さはなかったし。
脇役のおばちゃん(室井滋に似てる)とか色っぽいレズのおねえちゃんとか、雰囲気はフランス映画っぽいしゃれっ気もあったんだけど全体に、フランスエスプリwをまぶしてみた、中身はハリウッド的ハートフルコメディ、としか言いようがなかったなあ。
先日見たアーティストもそうだけれど、本当にフランス人って最近アメリカンだよねぇ。
映画見る前に行ったフランス系ブーランジュリ・カフェのお姉ちゃんもやたらにこにこして愛想よかったし。
ちっ、つまらねぇ。
前日の演舞場でのほのぼの二連発でおなかいっぱいだったところにまた~だったので、必要以上に感想が斜めになっているかもしれませんw
素直にこの映画で感動したり驚いたりショックを受けたりする感性が、欲しい(嘘)。
と思いながら見ているひとが実は大多数だったり…?!
いずれにしても、観た後にあーだこーだ言うのがとても楽しかったです。
お付き合いありがとうございました♪
いま思い返すと、 『おくりびと』の感想にも似てる。
普通にちょっといい映画、くらいなのに
なんか華やかな場所に引っ張り出されて過大評価されてる、みたいな。
どちらも現実の素材で「やらかしてやる」山師感があるところも、妙に綺麗に仕上がってるところも似てるw
あー。後味の悪ーい映画が見たいwww
どうぞご紹介くださいませ。
ラストの挿入もあれは必要なんだそうな...
なぜ?ときくと、明確な理由はないそう
もはや「フランス人は昔のフランス人ならず」ですよね・・・遠い眼。
私の方が意地悪フランス魂みたいにおもえちゃったので...