たいていの映画はご近所二本立てに下りてくるのを待っちゃうあたしであるが、この二本は待ちきれなかった。たまたま同じ映画館でやってたので、一石二鳥とばかりに、自分で二本立て作っちゃったのですが。
さて。
画像は闇の子供たちより。映画オリジナルの部分を象徴している映像かと。
闇の子供たち
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原作の凄味を失わずに、刺激と露悪趣味を薄めて、より、訴えるものが強くなったような。傑作だと思う。
無駄に扇情的な場面はないのに、きっちり、状況の深刻さは伝わる映像からは、監督の阪本順治がこの映画を撮るにあたって相当な準備と決意をもって臨んだであろうことが伺える。
ただ、原作そのものの欠点でもあるのだが、幼児売春の話と臓器売買の話の両輪が、交互に描かれていくため、注意深い観客でないと、話の筋を追うのがかなり困難なのではないだろうか(あたしは原作を読んでいたので、筋が混乱することはなかったが)。
映画に描かれている状況は、現実として、東南アジアの貧しい地方ではありえることだろうし、それを映像で、しかも日本映画として突きつけられることの重さは、想像した以上のものだった。
日本人の主要キャストでは、宮崎あおいの、青臭く、理想主義だけで突っ走るボランティア女と、心臓病の子供を抱える両親を演じる佐藤浩市、鈴木砂羽が巧い。イマドキの若者カメラマン役の妻夫木はちょっと屈託がなさ過ぎるかな。山田孝之あたりだと暗すぎたかしら?
ちょっとミスキャストでは?と思われたのが主役の江口洋介。
いや、全然悪くないし、彼としては出来る限りの熱演だと思うのだが。
…原作にないあるキャラが映画では与えられていて(ラストまで明かされない)、その部分が、どうしても江口には似合わないのよ。どんなに荒れている演技をしていても、江口にはどうしようもない「さわやかさ」(本人がどうかはしらない。いわゆるニンってやつですね)があって、内なるどす黒さが感じられないだもの。
できれば、香川照之とか、内野聖陽あたりがやってくれたら、もっと映画全体に説得力が出たと思うのだが。
あと、ペドフィリア役の欧米人があまりに紋切り型のデブorハゲ親父だったのにもちょっと萎えた。まあこれはしょうがないのかな。
と文句をいうとしたらそれくらいで、役者はほぼ全員よかった。(江口も、決して悪いわけではないし)。特に子供を売買するタイ人役の青年、売られてゆく少年少女の子役たちがある意味自然すぎる演技で、この映画に真実の重みを加えてくれていた。
昨日の芝居(THE DIVER)も重かったけれど、今日の映画も相当重い。
ただ、どちらも、いやな重さではなく、感動に通じる重さなのである。
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…重い映画の後、すぐに現実世界に戻らなくて済んだ、という意味ではこれを見てよかったのかも。
いや~二つ目のカラックスの映画のタイトルじゃないけど「糞!」な映画でした。
ゴンドリー、カラックス、ポン・ジュノという三大監督がTOKYOをテーマに短編を撮る、というテーマ倒れに終わった、というか、三大監督に、スポンサー(どこ?日本だよね?)がバカにされている、というか・・・
ゴンドリーのは、「現代欧米人がいかにも作りそうな」TOKYO映画ってことでまあただのつまらない映画。
カラックスのは・・・これ、同じような状況の映画を逆の立場でフランスをテーマにして向こうで上映したら、明らかに反日運動が起きるんじゃないか、そこまで行かないとしても問題になるんじゃないか、と思われる酷い内容ですよ。
ところで、「日本人の目は女の性器(一応上品に表現しました)みたいで気持ち悪い」っていう台詞があったんですが、これってフランス人が一般的に言ってる悪口なんでしょうか。その昔「日本人は性器(これまた上品に表現)が横に割れてる」ってのは聞いた事があるんだが。
カラックスの映画まで嫌いになっちゃいそうな、それこそ「MERDE!!」な映画でした。
ポン・ジュノのが三本の中ではいちばんマシといえばマシだったかな。それにしても大学祭でもちょっと気のきいた学生なら作れそうなレベル。香川照之が無駄に熱演。
…三本まとめて、TOKYO!が今のところ、今年見た映画のワースト1です。
友人知人を誘わなくてよかった。つか、誘ってみたけど乗らなかった人は、大正解!です。
数年前、『誰も知らない』(大傑作!)を見てどよ~~~んと沈んだ気分が、超糞映画『東京タワー』への怒りと呆れで、なんだか癒されたのを思い出しました。
あれはご近所映画館のお仕着せ二本立てだったのだけれど、同じようなコースを今日は自分で辿ってしまったわ。
あ、どっちも糞は「東京」がついてる!偶然か?
TOKYO、見に行く時間がつくれずにいたのですが、これで時間を有効活用できます。
今も昔も日本人は海外で馬鹿にされているのね。
人が良いのを逆手に取られてるけど、最後に笑うのは私たち!みてろー
なんのこっちゃ・・・
まず90パーセントの確率であめりさんの
お気にも召さないと思いますです。
昔の日本人は自虐的というか、貶されるのが
好きなところがありましたよね。
あのころ、親世代、祖父世代は、
きっと自分らに自信があったのでしょうね。
今の日本人(少なくともあたしは)、
わけのわからんガイジンに貶されたらむかついちゃうもんなあ・・・
カラックスのボーイミーツガールとか
好きだったんだけどな・・・
今見たいのは「トウキョウソナタ」…。東京
ビジュさんご覧になったらぜひ感想を教えてください。
>「日本人の目は女の性器みたいで気持ち悪い」
聞いたことないなぁ~。で、初耳。「きれい」というのは耳にしますが…○○みたいでじゃないですよ。
>「日本人は性器が横に割れてる」ってのは聞いた事があるんだが。
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laviedure様、横じゃなかったら、一度婦人科に行って相談されることをお勧めします
縦だと思いますが・・・つか、一般的にそういわれているからこそ、「日本人は性器が・・・」の俗信が成立するわけで。
うーんと。どうみたら横に見えるんだろう(汗)。今度、図示で説明するね(大汗)。
横に「ついてる」と訂正いたします。
これでどうでしょう?
何を話し合っているんだわれわれは。