倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

「みなし陽性」地域のコロナ対応を効率化

2022-08-09 | 日記

コロナ禍「第7波」で感染者が急増し 医療への負荷が大きくなっているとして、長野県は8日、独自の医療アラート(4段階)で最高の「医療非常事態宣言」を発出しました。

これに伴い、感染状況を6段階で示す県独自の感染警戒レベルも 全県で最高の「6」に引き上げられ「医療提供態勢の逼迫(ひっぱく)が懸念される状態」としました。

ただ、第7波では重症者がほとんどいないため 現時点で強い行動制限は県民らに求めないとのことです。

この宣言は、昨年1月・8月に続き3度目で、今年3月末に医療アラートを現在の4段階運用に変更して以降は初めてです。

 

 

 

 

感染者向けに確保可能な520病床の使用率は6日が51,3%・7日が54,8%・8日に至っては55,4%となり、連続して宣言発出の目安の「50%以上」となりました。

これまで県は、高齢者など重症化する危険性の高い人が 必要な時に適切な医療を受けられる状態を維持するため、また7月28日に確保病床使用率が35%以上になったとして「医療特別警報」を出しましたが、使用率の上昇傾向に歯止めをかけることはできませんでした。

 

 

 

 

今回の宣言では、目標として 確保病床使用率の50%未満への引き下げ・外来診療の負荷の抑制・社会経済活動への影響を最小限にすることを挙げ、そのうえで「医療への負荷軽減」と「感染拡大防止」の両面から対策に取り組むとしています。

重症化の危険性が低い人には、自宅での健康観察の検討や受診前の自己検査への協力を求めるとのこと

また 新たな手立てとして、20~30代が対象の「若年軽症者登録センター」を10日に設置します。

これは、重症化リスクが低いと考えられる20~30歳代で 医療機関を受診しない有症状者向けに、WEBでの申請により 県が抗原定性検査キットを配布し、陽性になった方を やはりWEBにより陽性者として登録するものです。

このことにより、感染拡大の要因(者)となっている若年層の陽性判定の手続きを簡便化することができるほか、もし陽性判定が出た場合は いたずらな感染拡大をさせることなく療養を求めることができます。

 

長野県「若年軽症者登録センター」/長野県HP

        ↓

https://www.pref.nagano.lg.jp/kansensho-taisaku/happyou/jyakunen-keisyousyapress.html

 

 

 

 

宣言が発出された中でありますが、域内の感染状況は厳しさを増しています。

長野県においては、8日に(感染者数が)2,695人と過去最多を更新したことが報じられています。

 

 

 

私の住む長野市においても、7月に入ってドン!と感染者数が急増して以降 いわゆる「高止まり状態」に陥っています。

ここのところ 一週間の感染者数は、4日/418人・5日/345人・6日/445人・7日/343人・8日/144人・9日/533人・10日/515人と、もはや この(多くの)数に慣れてしまうほどになっているのは 由々しき事態と申せます。

 

8/4日(木) 長野市におけるコロナ感染症の発生(418人/市25489~25906例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752711.pdf

 

 

8/5日(金) 長野市におけるコロナ感染症の発生(345人/市25906~26251例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752742.pdf

 

 

8/6日(土) 長野市におけるコロナ感染症の発生(445人/市26252~26696例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752787.pdf

 

 

8/7日(日) 長野市におけるコロナ感染症の発生(343人/市26697~27043例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752797.pdf

 

 

8/8日(月) 長野市におけるコロナ感染症の発生(144人/市27044~27187例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752808.pdf

 

 

8/9日(火) 長野市におけるコロナ感染症の発生(533人/市27188~27720例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752865.pdf

 

 

 

8/10日(水) 長野市におけるコロナ感染症の発生(515人/市27721~28235例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752909.pdf

 

 

もはや検査体勢は逼迫の度を増し、この際は いかに検査などの初期のコロナ対応を如何(いか)に効率化できるかが〝持続可能的〟な(保健所等の)体勢維持に欠かせない要件となってきました。

そんな中、長野県においてはコロナ感染症の「みなし陽性(臨床診断)」の運用を開始し、長野市においても9日からこれに準ずることになりました。

 

 

 

感染症者の急増に伴い、診療・検査医療機関への受診に一定の時間がかかり過ぎる現状を踏まえ「みなし陽性」として 手続きの簡便化を図ることとしました。               

「みなし陽性」とは、コロナ感染者と同居等の濃厚接触者が有症状となった場合に 医師の判断により検査を行なわず臨床症状で新型コロナウイルス感染症と診断する取り扱いを言います(この場合でも 抗ウイルス薬の使用や入院・宿泊療養が必要となる場合は検査が必要となります)

 

 

 

 

但し「みなし陽性」を実施するかどうかは医師が判断するもので、濃厚接触者ご自身が判断するものではないとのこと。また、いずれにしても 医療機関への受診が必要だそうです。

 

このことにより、医療機関への負担を軽減し 検査体勢の効率化を図ることが期待できます。

コロナ禍は、感染した当事者さんのみならず、それをケアする医療従事者の方々にも大きな負担を強いることになっています。

今後も それぞれの立場・機関において創意工夫を重ね、過度な負担を強いることのなく 適切なコロナ対応が実践されることを期するところです。

 


今年の「原爆の日」は近年に増して特別であった

2022-08-09 | 日記

去る7日には、被爆後77年を迎える「広島平和記念式典」が挙行されました。

原爆が投下された8時15分には 広島市内をはじめ各地で黙祷が捧げられ、私も長野の地から西の彼方に頭(こうべ)を垂(た)れたところでありました。

 

 

 

8・07「原爆の日」を迎える度に、私たちは「ピカドン」原子爆弾が一瞬にして広島の街を破壊し尽くし 十数万とも言われる人々の命を奪ったこと、辛うじて生き延びた人の中にも 例えば後遺症などの健康被害を誘発された人・また日常の社会生活を奪われ 無用の労苦を背負うことになってしまった人が数多(あまた)出られるようになったことなど 惨状の数々を改めて回顧し、もうあんなことは二度とあってはならないことを再々認識するところです。

 

 

体験…ことに「戦争体験」のような 苛烈(かれつ)を極めた体験には、その当事者にしか分からない厳しさ・辛(つら)さがあるものです。そして その体験が辛ければ辛かったほど (後世の者が)同じ思いを味わうことの無いよう伝承してゆくことが求められるところです。

で、まさに この原爆(被)投下の体験は その最たるもの…そして このこと(被爆体験)に基づく非核化に向けた社会運動を、国を挙げて全世界に展開してゆくべきことは これまでも被爆者団体を初め各方面から強く指摘されているところであります。

 

そのうえで、今年の「広島平和記念式典」は、例年にも増して「世界を挙げての非核化」を 世界で唯一の戦争被爆国として強くアピールすべき場であり、そのため(世界の非核化)には「具体的提案」を行なう、いわば 一歩前に踏み出すべき機会でもありました。

そして、その「具体的提案」は、日本が未だ批准していない「核兵器禁止条約」への(批准に向けた)意思表示であったことは 既にご案内のとおりであります。

その背景には、今や世界的な問題となっている ロシアによるウクライナへの軍事侵攻があり、また 台湾海峡などを巡る米中の緊張状態にも然り、さらには 未だ米国や(日本を含む)周辺国に挑発を続ける北朝鮮問題の態度があります。

そのいずれの国も 外交的駆け引きの中で、最終的手段として「核保有」を持ち出しており、それは あたかも銃器をぶら下げ路上を睥睨(へいげい)するギャングの如く、そんな傍若無人な振る舞いを公然を行なうようになってきた〝危険な兆候〟がそこここで見られるようになっていることからして、「核」の存在が〝抑止力〟の名の下(もと)で その危険度を日々増幅させていることは 由々しきことに他ならないと思わされるところです。

 

 

 

そんな〝一触即発〟の社会(世界)情勢においては、世界で唯一の戦争被爆国である日本の〝発信力〟には大きな期待が寄せられるところであり、そんな中で挙行された「広島平和式典」における 日本の国家元首の発言には、衆目の期待が寄せられてところでありました。

 

 

 

 

しかし残念ながら、ときの岸田総理の「アピール」は 何というか〝中途半端感〟から抜け出せないものでありました。

挨拶の冒頭には「77年前のあの日の惨禍を決して繰り返してはならない。これは 唯一の戦争被爆国である我が国の責務であり、被爆地広島出身の総理大臣としての私の誓いです。核兵器による威嚇が行われ 核兵器の使用すらも現実の問題として顕在化し「核兵器のない世界」への機運が後退していると言われている今こそ、広島の地から私は「核兵器使用の惨禍を繰り返してはならない」と、声を大にして世界の人々に訴えます。」とし、さらに「いかに険しく 難しかろうとも「核兵器のない世界」への道のりを歩んでまいります。」と強い決意を述べました。

さらに「非核三原則を堅持しつつ、厳しい安全保障環境という「現実」を 核兵器のない世界という「理想」に結び付ける努力を行なうため、現在開会中の「核兵器不拡散条約(NPT)の運用検討会議に日本の総理大臣として初めて参加し、50年余りにわたり世界の平和と安全を支えてきたNPTを国際社会が結束して維持・強化していくべきである旨訴えてまいりました。」と成果を強調されていました。
しかし、冒頭こそ声に熱を帯びたように感じたものの、後半はトーンダウン。

日本(唯一の被爆国)が率先して批准すべきハズの「核兵器禁止条約」についてや、条約の締約国会議へのオブザーバー参加にも触れないままに挨拶を終えたことに「核兵器廃絶へ道筋を示すような言葉は見当たらなかった」と残念がる声が上げられていました。

多くの被爆者・遺族など関係者を前に、その胸におちる言葉が紡(つむ)ぎ出されなかったのは 残念に他ならないところでありましょう。

 

 

 

繰り返せば、世界は今や 極限ともいえる緊張状態にあり、現に ウクライナにおいては「核」が戦争の駆け引きの道具とされ いつ「核のボタン」が押されても不思議のない危険な状態に陥っています。

あんな惨禍は繰り返してはならない。

被爆地ヒロシマの方々の苛烈な体験を せめて今後の世界平和に活かしてほしい…そんな切なる願いが、今年も僅か届かないまま 時間ばかりが経過しているのでありました。