11日の信濃毎日新聞に 高齢者の「骨盤骨折」に関する特集記事があり、耳目を集めると共に 私の周辺でも〝治癒に時間のかかる高齢者の骨折〟が散見されることから、問題意識を共有しました。
特集では、骨盤骨折治療の第一人者である 日本整形外科学会(多発外傷・骨盤外傷・関節外科)専門医である澤口毅医師の話しとして、日常生活に潜む「骨盤骨折」の危険性について述べられています。
それによると、これまでは 交通事故や作業中の高所からの転落や転倒など、いわゆる大きな事案が要因となってもたらされるとされてきた骨盤骨折が 日常生活の中でのちょっとした出来事でも発生するようになり、それ(目立った事案で無い)ゆえに発見が遅れて厄介なことになったケースも少なからずあるとのことです。
身体における「骨盤」は まさに要の部位であり、骨格の中心として(身体を)成すと同時に骨盤事態にさまざまな筋肉や付随し また数多(あまた)の血管が縦横に走っているため、一度(ひとたび)骨盤骨折を起こすと その治療は専門性を要され大変なことになるそうです。
そのうえで厄介なのは (前掲のとおり)大きな事故など(明らかな骨盤骨折)に比べ、日常生活の中での骨盤骨折は それと一見的に分からないこともあり、腰痛による治療を続けても改善せず 後にMRIやCTなどの精密検査によってようやく発見されることも少なからずあるそうです。
この「骨盤骨折」併せて警戒したいのが、高齢者に多い「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」でしょう。
加齢と共に骨が脆(もろ)くなる ご案内の状況は、尻もち(転倒)などのちょっとした事故(というほどもないこと)が起因し 後に大きな治療を要することにもなることから、澤口医師は「腰痛などの治療を受けても いつまでも痛みが取れない場合には、もう一度 専門の医師に診てもらうことをお勧めします。」と述べています。
本ブログで従前にも「若さとは回復力の如何(いかん)である」と述べたことがありますが、この骨盤骨折の記事に触れ「若さ(反して老化)とは、ちょっとしたことがケガにつながるかどうか」を加えたいと思います。
つまり、(身体が)若ければ たとえ尻もちをついても「痛い!」で済みますが、身体の老化が進むと ただの尻もちが骨折につながってしまう…それも「骨盤骨折」となれば、とんだ難儀な治療(加療)を要することになってしまいます。
ま、このような事態に至らないよう 日頃から身体を動かすこと・カルシウムなど適切な栄養分を摂取することなどの対策が挙げられるところではありますが〝寄る年波〟は避けてとおれないところではありますので、日常生活の中で 先ずは転倒などの事故に遭わないよう注意を払って過ごすこと、そのうえで 万が一そんな目に遭ったときは、最悪のケースを想定してキチンと検査を受けることに心がけることを改めて啓発させていただくところです。
折しもお盆の時期、今年あたりは久々に遠方からお孫さんらがジジババの顔を見に帰省してくることも多いことでしょう。
そんな際に張り切りすぎてスッテンころりん!なんてことにならないよう、もし やっちゃったら 念を入れた検査をされることをお勧めいたすところです。
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