倉野立人のブログです。

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説明しただけの「市民合意形成」 ~勤青ホーム再編案にみる公共施設マネジメントの姿勢~

2022-02-11 | 日記

この日(2月10日)、無所属の同僚議員に乞われ 市有施設「長野市中部勤労青少年ホーム」内にある体育館の存続を求める市民の方々の要望を伺う場に同席させていただきました。

 

長野市内には、北部・中部・南部の3つの「勤労青少年ホーム(以下「勤青ホーム」)」があり、それぞれの施設で 働く人をはじめさまざまな市民の方々が活動を行なっています。

 

(写真は 中部勤労青少年ホーム)

 

 

そんな中 長野市においては「勤労者福祉施設の再編の方針」に基づき、既存の施設を廃止し、新たな施設の整備に乗り出す方針を示しています。

 

 

 

その中でも 勤青ホーム施設内の「体育館」を活用して健康増進と相互交流を図っておられる団体の方々(以下「利用者」)が、活動の場が失われることを強く憂慮しておられるのです。

利用者さんらは、市(商工労働課)の〝一方的な説明のやり方〟に 嘆きともとれる発言を重ねておられました。

曰(いわ)く「私たちは「みなさんの意見を伺いたい」という触れ込みで集まったのに、開けてみれば「施設の再編・体育館の廃止は既に決まったこと」と取れる説明内容で愕然としました。」

 

 

 

また「長野市は「健康寿命の延伸」を標榜し、新たな市長も「健幸都市ながの」を標榜しているのに、その「健幸」の拠点でもある体育館をどんどん廃止していくのは(公約と)矛盾しているのではないか。」と述べる方も居られました。

 

今回の要望を伺い、私は「デジャブ(既視感:かつて同じような事を体験したことがあるかのような感覚)」を感じ取ったものでした。

この展開は、さきの「働く女性の家」の再編に向けた説明の仕方と それに対する利用者さんらの反応(反発)と全く同じものなのです。

「施設の今後」について、市の担当がやってきて 既に既定路線である「方針」を いわば一方的と取れるような形で〝説明〟し、それに対し市民が反発を覚える…前回(働く女性の家)も今回(勤青ホーム)も 全く同じ流れなのでありました。

 

長野市は、所管の総務省の肝いりで行なわれる「公共施設マネジメント」の計画に基づき、向こう2年間で 市有の公共施設2割削減をめざし、(公共施設)の整理統合に着手しています。

そこには「多額の維持費を 子や孫の世代に〝ツケ〟として回さない」との大義がありますが、市民の方々は、そのことについて否定しているワケではないのです。

ただしかし その方針の示し方が、余りに強引かつ拙速に取られるものであり、その〝手法〟に対し 利用者さんをはじめ多くの市民が 疑問と不満を呈しているのです。

 

利用者さんの話しを伺うと、残念ながら今回も 市の担当は「説明はしたけれど市民の声は聞かない(反映しない)」との姿勢に終始し、おざなり的なアンケートを集める程度で閉会したとのこと…「市民の理解を得る場」は「市民の反発を招く場」となったようであります。

 

私たち(議会人)も、公共施設マネジメントの重要性は十二分に理解しているところであり、将来世代にツケを回さぬよう努力すべきことは当然のこととして認識しています。

で あるからこそ、であります。

将来に禍根を残さぬように と言いながら、今を生きる人を犠牲にしても前に進もうという手法は やはり違うのではないか。

例えば ある施設を再編(廃止)するとすれば、現にそこで活動する方々の 次なる活動の場を担保したうえで「説明」に入らないことには「公共施設マネージメント=市民の切り捨て政策」との大きな誤解を生みながら推移することになってしまうことを強く憂慮するものです。

 

動き始めた「公共施設マネージメント」…が 故(ゆえ)に、走り始めの今が一番大切だと思うのです。

ここ(序盤)で市民の理解を得られれば、今後の公共施設マネージメントも順調に進めることができるでしょう。

しかし、ここで市民反発の温床をつくってしまえば、公共施設マネージメント=悪政の象徴 と市民意識に刷り込まれてしまう。

そのあたりの機微(きび)を市に知らしめなければならない。議会人としての役割を再認識したところであります。

 

 

 

 

 

◆ 長野市コロナ報告

2月11日(木)、長野市内で新たに91例のコロナ陽性感染者(市5229~5319例+他自治体の届出者)の発生が報告されました。

 

2/10(木) 長野市におけるコロナ感染症の発生について [PDFファイル]

             ⇓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/741327.pdf

 

 

 

ラジオのニュースで「家庭内感染」となった家族の〝苦労話〟が紹介されていました。

そのお宅(夫婦・8歳長男・5歳長女)では お母さんが感染しましたが、ご主人も仕事を休めないため、徹底した「自宅内隔離」を行なったとのこと。罹患者(お母さん)と それ以外の家族は居住(部屋)を完全に分け、食器は紙容器・タオルなどは1回ごとに洗濯など「接触」を避けるを徹底したそうです。

ただ、5歳の娘だけは お母さん抜きで自活できなかったことから、件(くだん)のお母さん、娘を世話するときには マスクはもとより使い捨て手袋を着用、それ(手袋)も消毒したうえで娘に接する徹底ぶりの末、自分以外に感染させること無く〝自宅内収束〟を果たすことができたそうです。

たとえ愛しい家族であっても 感染予防は徹底して行なわなければならない。

コロナの難儀さを象徴したレポートだったのでした。