要となる智を継ぐもの

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高PBR銘柄の行方。

2010-12-17 21:12:06 | 投資日記
高PBR銘柄はリターンが低い。米国市場においてはこれが統計的に証明されているらしい。

では、日本市場の場合はどうか。2000年時に高PBR銘柄に投資をした場合のリターンを図に示した。X軸は資本の蓄積度、Y軸がキャピタルゲインを示している。



やはりと言うべきか、高PBR銘柄ほど、リターンが低い。特に超高PBR(PBR5倍以上)の場合、スタート地点が約-75%。さらに、資本を蓄積しても対する係数が0.13である為、焼け石に水状態。仮に100%の資本蓄積を行ったとしても、株価は13%しか上昇しない。これに準ずる高PBR層も同じくかなり厳しい結果となっている。
※補足:上記グラフ中の“PBR-3.0”はPBRの数値が2.0から3.0にある銘柄です。

高PBR銘柄で勝つ為には、高PBRを持続するか、相応にBPSを高める他に方法が無い。

高PBRに関しては景気の如何に関わらず、一貫して落ちる。下記のグラフが物語っている。



2000年から2005年は比較的上昇機運の高かった時期である。いわゆるバリュー投資バブルが芽生え、絶頂に達しつつあった時期である。そんな中、高PBRは下落を続けた。特にPBR5倍以上に関しては十中八九、-30%から90%の下落率に見舞われた。かたや低PBRが勢いよく値を上げる中、高PBRは燻りつづけた。

2005年から2010年においては市場自体が下降線を辿った。図にも明らかなように、PBRの高低に関わらず、ほぼ全銘柄がマイナスとなった。そんな中、際立ってマイナス幅を拡大させたのが高PBR銘柄であった。PBR5倍以上の銘柄に関しては、大体の銘柄が-80%以上を経験していた。これらを踏まえ考えると、景気の如何に関わらず高PBRである事は、株価下落を意味する。

次にBPSの成長について考える。BPSの成長(累積資本蓄積率)がPBRの下落を上回れば株価はプラスに転じる。下記は2000年から2010年までのPBR別、累積資本蓄積率を図にしたものである。



少々見難いが、青線が平均資本蓄積率となる。御覧の通り、PBRの高低に関わらず、その蓄積率は凡そ100%以内に収まっている。10年で2倍にもなっていないと言う事である。幾つかの銘柄は300%超の蓄積率を誇っているが、これは増資由来の場合が多い。高PBRで増資を行えばそれだけ有利に資本は増える。特にPBRが安定している時期に大型増資を断続的に行えれば資本は蓄積できる。増資と聞くと嫌悪感を抱くが、殊高PBR銘柄に関しては良い事かもしれない。特に既存株主にとってみれば、新規資本が安く手に入る事を意味するのだから。

いずれにせよ、資本の蓄積はままならず、PBRの下落をカバーするに至っていない。この為、高PBR銘柄への投資は失敗に終わる。また、その下落の度合いは現行PBRからトレースする事が可能。即ち、平均的成長率、平均的利益率を持つ企業であれば、PBR1倍程度になるまで落ちる株価は落ちる。最終的にはPER的に妥当な値段となるか、PBR的に妥当な値段となるか、二つに一つ。利益率が高く、長期的に保持出来るのであればPERベースでトントンな価格に落ち着く。そうでなければPBRベース。収益性が乏しく還元可能性も薄ければPBR1倍以下の世界が待っている。
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