My Home Town(旧風力発電と子育て日記)

観光と風力発電と子育ての日記です。

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鳥取県北栄町の風車

2008-02-18 20:20:14 | 風車日記
2月10日の当ブログで頑張れ中野区というエントリーを書き、そのコメントで鳥取県北栄町の町営ウインドファームについて、先行きを心配する書き込みをしたのですが、朝日新聞に以下のとおり報じられています。

◆北栄町が05年秋から経営 中国電力に売電 北栄町が経営する北条砂丘風力発電所(定格出力1万3500キロワット)が、05年11月の運転開始以来、順調な発電実績を上げている。同発電所が中国電力に供給した07年の売電電力量は、採算シミュレーションの103%にあたる2212万キロワット。中電との売電契約期間が終了する2020年の時点で計約10億円の黒字も見込まれ、町は「風車を回してくれる『向かい風』を、町財政を潤す『追い風』にしたい」と貴重な独自財源としての役割にも期待している。

◇2020年に計10億円黒字か 日本海と国道9号に挟まれた同町の北条砂丘は、ラッキョウやナガイモの特産地として知られる。高さ約104メートル、翼部の直径約77メートルの巨大な風車(出力1500キロワット)9基が一列に並び、海風を受けたプロペラがうねりを上げて回転している。一般家庭の年間消費電力に換算すると、同町の全戸数(約5100戸)を上回る約6600戸分に相当する。自治体直営の風力発電施設としては国内最大規模だ。さらに、電力事業者から電気を購入した場合と比べ、同発電所による発電で約1万2千トン(07年)の二酸化炭素の排出を削減したことになるという。

 鳥取大が01年、同砂丘に高さ70メートルのタワーを設置して風況調査を実施したところ、毎秒平均5・68メートルの風が吹いていることが判明。大栄町と合併して北栄町となる前の北条町は、二酸化炭素の排出削減効果と町のイメージアップを狙い、風力発電所の設置を検討し、「民間企業が経営するには風量が十分でないが、町営なら固定資産税などの税負担もなく、採算が取れる」という試算を受け、事業化を決断した。 一方、採算ラインに達するには発電の大規模化が条件とされ、風車建設を含めた総事業費は、当時の町の一般会計予算に匹敵する約30億円に膨らんだ。「リスクを冒してまで自治体がやる事業なのか」と、町民から不安の声が聞かれる中での船出だった。しかし、心配していた落雷による風車の故障はなく、風量は予測より若干弱かったものの堅調な稼働を続けてきた。本格運転を始めた06年には、送電ケーブルの施工不良で全機が約2~3週間停止したが、年間の売電収入は計画より約4千万円多い、約2億3千万円を計上した。 町は発電開始から15年間、同一単価で売電するという有利な条件で中国電力と契約しており、現状の稼働が続けば2018年には建設費などの借入金約20億円を全額償還。それ以後は毎年約2億円の黒字が見込まれる。

売電収入の利益は、町の「北条砂丘風力発電所基金」に毎年積み立てられ、将来的には町内の太陽光パネル設置への助成など、環境関連への施策に活用されることが検討されている。 風車は住宅から最低300メートル離れた地点に設置されているが、風次第では24時間回り続けるため、夜間などの騒音被害を訴える住民がいることも確か。同町環境政策課の別本勝美・風力発電係長は「環境基準は十分配慮している。強風は、砂丘で農作業をする人たちにとってもやっかいなものだが、せめてこの自然エネルギーを有効に活用していきたい」と話している。

以上を読む限り上手くいっているようですね。落雷もあるようですが、接地抵抗をできる限り下げるなどの努力をして大きな被害を防いでいると聞きました。
しかし事業に対する補助率や町のホームページの運転実績を見る限り、これで記事のとおりの収益があがるとしたらちょっと不思議な感じもします。保守は明電舎だったと思いますが、費用がどの程度かかっているのか気になる所です。この風況で儲けるには保守がかなり安価なのではないかと思います。