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茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

愛しのコデマリ

2015-03-08 22:48:58 | 日常

花屋から持ち帰った日は、ゴマの粒よりも小さかった薄緑の小粒たち。
次の日、ほとんどの小粒たちがまだ眠っている時間に、一人の妖精が白い花を咲かした。
そして、次から次へと妖精達は、目を覚ました。
目覚めた白い妖精達は、背中をこすり合わせ、まん丸の毬になるよう抱き合う。

エアコンの風に当てられ、白い毬が、ゆるやかに弓状に垂れた細枝ごとに、リズミカルに揺れ動く。
連日のコデマリ観察が楽しかった。
可憐に咲く白い妖精たちが、
今日は愛しく思った。

今ちょうど読んでいる天心の『茶の本』と重なる。
『茶の本』で天心は、情熱をもって「花」を語った。
そこに傾けた情愛は、「茶」にも劣らない。

春の東雲のふるえる薄明に、小鳥が木の間で、わけのありそうな調子でささやいている時、諸君は彼らがそのつれあいに花のことを語っているのだと感じたことはありませんか。

花鳥風月を心ゆくまで想像する天心

花を奪われた世界を考えてみても恐ろしい。

と語る天心は、偉大な思想家ばかりではないようだ。
格別なロマンチストに違いない。

天心のコトバと目の前のコデマリのおかげで、心が和んだ。


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元旦に届いた福袋

2015-01-01 22:12:07 | 日常

明けましておめでとうございます。
元旦の朝に、チャイムが鳴り、届いたのは小梅茶荘の福袋です。

人形町にある小梅茶荘の、いくつかのお茶が気になっていました。
昨年は、あまりの好評ですぐ売り切れの話しを聞き、今年は早々と予約しました。


蓋を開けてみると、今年は、四十種類にも及ぶ中国茶(岩茶がメイン)や台湾茶が入っており、どれからにしようかなと、迷いに迷ったのです。

初心者でも分かるように、お茶の時間と温度の目安が書かれたお手紙も添えられています。

商品が届いてからのお振込みという点だけでも、大変有り難く思いました。

番頭さんから頂いたメールでは、

「年始は窓口、ATMともに混雑致します。お振込は急がなくてもいいです」

のような文言が書かれています。

私、人のそういう優しさに弱いです...。

2015年の新年に、小梅茶荘のお茶を日替わりに堪能するのがしばらくの日課になりそうですね。

どうぞ今年も宜しくお願い致します。

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稲穂に思いを託して

2014-12-30 21:32:54 | 日常

デパ地下の食品売り場で、どっしりと頭が垂れる稲穂をみつけました。

花よりも、なぜか年の瀬に、食卓の上に、稲穂を飾りたくなりました。

適当な水差しが見つからず、六君子入りの茶筒は、案外お似合いでした。

この一年間、支えて頂いた方々、仲良くして頂いた方々、ご無沙汰している方々、そして遠方にいながら時々ブログを見てくださった方々に、お礼のお辞儀をしているように見えます(^^)。

良いお年をお迎えください。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。

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静夜思

2014-09-07 19:07:14 | 日常


挙頭望明月 ju3 tou2 wang4 ming2 yue4
低頭思故郷 di1 tou2 si1 gu4 xiang1

頭を挙げては明月を眺め
頭を低れては故郷を思う

李白の「静夜思」最後の二句

電話もインターネットもない遠い昔
一通の手紙が届くのも大変な時代

他郷にいる旅人と故郷にいる家族
離れ離れになっても
夜空にかかる明月は一緒に眺められる
互いに思う心は
この満月の夜で通じ合う



今夜も仲秋の明日も、現れないかもしれない今年の満月

今日は、海の向こうにいる家族を思い
香港から届いた月餅を頂く

日本で生まれ育った娘の心に
いつかこの伝統の本当の意味を
理解する日がくるかな

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秘すれば花

2014-09-02 11:24:57 | 日常

たまたま耳にした

秘すれば花

という言葉に、昨日はしんみり。

世阿弥の書き残した『風姿花伝』を読んでみようという気持ちになった。

余り語らず、相手に想像の余白を与える詫び寂びの美とその謙虚さ。

花器いっぱいに立派なお花を生けるより、

小さく咲いた、たった一輪の草花が美しい。

わびさびは、芸術や文学の世界ばかりではなく、日本の人々の心にもきっと生きている。

その空気感が大好きだ。

シンプルに生けた花、洗練された茶席、日本語らしい日本語の伝え方。

そこには、共通した美学が生きているに違いない。

ずっと突破口の見つからなかった壁に、

昨日は、大きなヒントを得た気がした。

今は形のあるものばかりでいい。

いつか、そこにそっと心が入れられたら嬉しい。

先日の三寶物語の席で、自分にとって一番の宝物はなーに、と聞かれた時、

マジメに「日本へ留学に来たこと」と答えた。

真っ先に頭に浮かんだのは、「留学」の二文字に他ならなかった。

海を渡って、日本へ留学に来たのは、二十年以上前に遡る。

しかし、こんにちの日々も、ある意味で留学が現在進行中。

些細なことで十分、いつまでも、昨日のような小さな発見がありますように。

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