茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

養肝茶

2020-04-26 12:50:00 | 養生・薬膳



天地間の万物が芽生え、生気を発動し、新しいものがうまれてくる、春の三ヶ月。一方、この時期では、心持ちがたかぶり、怒りやすく、東洋医学では、いわゆる「肝の気」の亢進という。

生ぬるい日常に心が揺さぶり、鈍麻になってしまった本来の感覚に、怒り出したりする人、周りにいませんか。

今日のお茶は、以前、母がくれた春の花草茶ー養肝茶。独特の芳香をもつ、心持ちを鎮める。

この時期の養生食材として、芹(セリ)やウドがおススメ。食べると肝気を鎮めると、東洋医学のバイブル『黄帝内経』では、春の養生について、このように述べた。

ほかに、大いに心をはげまし目を楽しませる。
精神生活を大事にする。

自身を顧みる。それまで気が付かなかった新たな扉を開いていこう。

有意義なステイ・ホームを過ごそう。



秋の養生のいろは

2014-09-21 10:16:49 | 養生・薬膳
今日は、もう少し秋の養生についてお話しをします。

東洋医学では、季節の気候の特徴を「〇気」という言葉で表現します。秋の気候は乾燥の「燥気(zao4 qi4)」と言います。


青みが美味しいと思わせるyu:yu:さんの今年の特上毛ガニ。今年の初秋のお気に入りです。娘が遊び感覚で作ったこちらの写真、lovelyの感じが気に入って、今回の記事に採用しました(^^)。

晩秋になり、焙煎の高い青茶で体を温めます。個人的に、特に好きなのは、写真にある杉林渓の炭火焙煎です。火が通った美味しさを、気温が下がるにつれ、一層美味しく感じます。実際東洋医学では、寒さの中、人間の体に火のパワー(「火気(huo3 qi4)」)が必要と考えています。

秋の気候の特徴によって、体に悪い兆しが出た場合、初めて「〇邪」という文字がつきます。
秋の場合、「燥邪(zao4 xie2)」と言います。一見難しい言葉のように見受けますが、そもそも「燥(そう)」という文字を見た時、どのようなことを想像しますでしょうか。

おそらく、まずは唇や肌の乾燥、のどのガラガラというところかな。東洋医学では、躁邪が体に侵入すると、乾燥し、さらにひどい場合は、空咳や肺の痛みによる呼吸器のトラブルがおこると説明します。

この呼吸器のトラブルに良いとされているのは、お茶の中では特に「菊花茶」の名があげられます。

菊花茶とゴールドコンビになるのは、「クコの実」と言われます。「クコの実」は、目の乾燥や疲れにすごく効くと昔から伝わってきています。

他にこの時期では、早秋に生姜・ニンニク・唐辛子などの辛味刺激的な物を控え、涼性の食薬を取り入れ、晩秋になると辛味・温性の食薬を使いましょう。

来月には、地元で「秋の養生セミナー」を開催する運びになりました。

お近くの方がいらっしゃいましたら、こちらでお申込みください。→

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季節の移ろいとともに楽しむ中国茶のいろは 

2014-09-12 09:52:45 | 養生・薬膳
季節の移ろいとともに、チョイスする中国茶が変わっていくことで、四季の変化を実感できることが、中国茶の一つの魅力です。

そのような考えを裏付けるのは、東洋医学的な働きが大きいと思います。

春には、あらゆる生命が、冬の長い眠りから目覚めます。芽出しや花咲きのパワーを頂き、新緑茶や花茶を飲むのが、良いとされています。天人相応の考えは、ここにも通用します。

(写真)緑茶 開化龍頂

夏になると、体の余分の熱を、取ってくれるのは、白牡丹等の白茶。白茶のもつ体を冷やす性質が「涼性liang2 xing4」と言います。

(写真)白牡丹

逆に、冬の寒さを乗り越えるには、体を温めてくれる紅茶が一番だとか。それは、紅茶のもつ「温性wen1 xing4」の働きです。

(写真)滇紅金芽(オーガニックプーアルさんのもの)

涼しくなった秋頃には、性質がマイルドの鉄観音や高山茶等が、もってこいです。


(写真)矮脚烏龍

津液jin1 ye4」という言葉があります。体の潤いや水分だと思って下さい。夏の間に消耗した体内の津液は、涼しくなり始めた初秋には、まだ回復されていません。そのため、この時期に、もし身体を温め発散作用のある物を早く取り入れてしまうと、乾燥がひどくなります。

初秋には、焙煎のかかっていない青茶や軽焙煎の青茶から飲み始め、秋が深まるにつれ、焙煎のかかった青茶を取り入れます。

東洋医学の考えでは、季節の移ろいに、体にゆるりと気候の変化のシグナルを送ることがお薦めです。

香りや味わいで、リラックス効果に期待されることの多い中国茶ですが、お茶のもつ性質のうんちくを少し知っておくだけで、体に訴えがある日に、調子に合わせて選ぶことができれば、一層楽しみが増えます。

次回は、もう少しこの話しの続きをしたいと思います。

来月には、地元で「秋の養生セミナー」を開催する運びになりました。

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秋愁という言葉から

2014-08-29 08:31:33 | 養生・薬膳
気温がすっかり下がり、秋の足音が近づいてまいりました。

何年か前に、なんとなく思うように元気がなかった秋頃。母が、私にこう言いました。

秋愁qiu1 chou2

という言葉がありますよね。

気持ちが沈みがちなのは、天気のせいだ。とその時、その言葉に救われました(笑)

遠い昔、「愁」という漢字を作った古人は、秋が始まり、人間のその気持ちの特徴に、気づいたのかもしれません。

さらに、秋が深まり落葉しはじめると、人間は、自然の美しさに感嘆しながらも、物悲しさや寂しさを感じやすくなります。

その人間の気持ちの変化は、

天人相応(tian1 ren2 xiang1 ying4)

と言います。季節ごとに、人間の体の変化は、自然界の変化と相応しいという東洋医学の基本的考えです。

年を重ねていくにつれ、自分や家族の養生に気を配るようになりました。

好きな事に触れ、適当に体を動かし、安定した気持ちを保つように、心がけています。

次回は、趣味の中国茶、秋のおススメとその東洋医学的根拠を紹介します。どうぞお楽しみに。

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我が家の助けっ人ー金銀花

2014-05-21 16:05:43 | 養生・薬膳

乾燥した草のようで、フレーバーも乾草っぽい、漢方薬として使われる金銀花(キンギンカ)です。

私と金銀花の出会いは、小さかった娘のアトピーの治療でした。

上海の名門漢方病院に行って受診しました時、そこで処方されたのは、金銀花の入った生薬です。金銀花は、スイカズラの植物の花で、色は、白か淡い黄色です。散熱やデドックス効果が抜群です。

一方、中医学では、アトピー性皮膚炎の患者の体質は、「湿熱系」と類されます。体に余計な湿気が入り、暑がり屋の方が多いです。

最終的に、娘のアトピーは、年齢とともに、自然に良く治ってきました。

金銀花の入った生薬もしばらく飲んでから、やめました。

しかし、我が家では、金銀花を常備するようになりました。

ハトムギや金銀花を白牡丹にブレンドし、水筒に入れ出すことが多いです。白牡丹等の白茶は、涼性で、体を冷やす効果があります。ハトムギは、体の湿気を一番取り除く優れた穀物です。どちらもアトピーに良いとされています。

但し、金銀花は、かなり寒性の植物です。ダイエットなどのデドックスのためなら、むやみに取らないでください。

次回は、もう一つ金銀花の使ったティーレシピ―をご紹介します。

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