茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

江戸川橋散策

2014-06-27 21:26:10 | 街散策・旅行

講談社野間美術館で開催中の近代日本の水墨画展を観たく、行ってきました。


濃淡渇潤(濃淡枯潤ともいう)の世界は、中国の水墨画に共通しているものですが、日本画家の細かな筆致や丁寧さは、特別なように感じとります。

川合玉堂の描く連綿な渓山に、月に追われ、帰路を急ぐ老翁の「渓山月夜」はすっと心に入ります。
下村観山の「竹林賢人」は、中国古典水墨画のルーツに辿りつき、観ていてホッとします。
女流画家の川端龍子氏の「白梅殿」と「鯉」には、女性らしさがあふれており、思わず画家さんの名を書かれた札に目を移してしまいます。
墨ぼかしの雲煙の彼方に、富士が威風堂々にそびえる横山大観のフジと対照的に、
佐久間鉄園の富士は、金と墨のコントラストによって絶妙に表現され、金色の光に浮かび、照り輝く富士でした。
富士のように、同じ題材でも、画家さんの手によって表現の仕方が百人百色です。
どちらも傑作ですけれど、自分の好みは、こっちだなんて考えたりするのも楽しいのです(笑)。

どっぷり墨彩の世界に浸かった後は、野間美術館お隣にある椿山荘の日本庭園を散歩しました。ゆかりのある庭園と建物、やはり見応えがたくさんありました。

その後、江戸川橋駅の向こう側にある水道ギャラリーにはじめて行ってみました。

昭和の面影を感じさせる外観で、一目で分かりました。

器のギャラリーですが、酢飯屋という名の食事処としても機能しています。やはりそこも昭和の風情が感じた空間でした。

メニューにあるゴマ味噌鯛冷茶漬を頼んでみました。趣のある器が出され、ゴマ味噌をトッピングされたお味がなかなか美味でした。

体のバッテリがしっかり充電できた一日でした。

野間講談社美術館
近代日本の水墨画展
2014年5月24日―7月21日

水道ギャラリー/酢飯屋

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ワールドカップ期間中のお茶淹れ

2014-06-23 19:28:08 | 日常

今年ほど、ワールドカップに関心を持ったことはありませんでした。

試合が終わる都度、勝敗をまめに分析し、投稿する従兄弟のおかげかもしれません。開幕式と同時に、今日から一ヶ月ブラジルタイムと宣言する彼、最初は、頭がおかしいと思いました。

一試合ずつ、彼のプロ顔負けの記事を読むうちに、サッカーの面白さやシュート以外の見どころが、少しずつ理解するようになってきました。

録画して、朝一に試合を観るようにしています。
オランダ―とスペイン戦の後、興奮冷めぬうちに、たまたま淹れたお茶が最高に気持ち良かったのです。
この陰陽の組み合わせが良かったのか、心身とともに、とてもバランスが取れた感じをしました。お茶をゆっくり淹れた時の気持ちよさは、今まで味わったことがなかった爽快感でした。

どこでお茶を淹れても、緊張せず淹れられるのが私の課題です。

その点では、メンタリティーの強いスポーツ選手に学ぶことも多い気がします。そういえば、数年前、日本代表の長谷部誠選手の著書『心を整える』を読んだことがあります。メンタルトレーニングの話しが当時参考になりました。

ワールドカップが終るまで、しばらくこのリズムでサッカー観戦とお茶淹れを愉しもうと思います。

2014年夏の思い出です。

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梅雨時、梅花茶ゼリー

2014-06-10 20:48:00 | 料理・点心・菓子

部屋に頂いたクチナシの花の香りが、ほのかに漂います。中国語を習いに来た生徒さんと梅花茶を飲んでいたら、これをゼリーに作ってみたらどうかな、という話しになりました。


思い立ったが吉日。濃いめに淹れた梅花茶、温度が下がる前に、ゼラチンを加え、ただそれだけです。形の違うガラスの器に移してみました。


ミントでもあれば、固まった後に、飾ればキレイだろう。今回は、とりあえず梅の花を器に散りばめてみました。


一時間後、冷蔵庫から取り出した梅花茶ゼリーは、いい具合に固まり、ひんやりです。


スプーンですくってみれば、宝石のようにきらびやかです。


学校から帰ってきた娘に、新しいおやつができたよと出したら、

甘くないね(≧∇≦)。

と言われました。それは、お茶のゼリーですもの。

ほんのり梅の香りと梅の酸味がして、シンプルで大人のゼリーでいいと思いますけど。

子どもには、やはり物足りないのかな。

試行錯誤してから、また出直しますね。

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美瑛茶会5月編@オーガニックプーアール

2014-06-06 15:29:22 | 茶会・茶勉強会

新しい茶友ルハンさんと、四川省と雲南省のお茶を取り扱っているオーガニックプーアールさんの美瑛サロンにお邪魔しました。

あまり写真をお撮りしていないので、ルハンさんの記事五月美瑛茶会をご参考してください。

産毛いっぱいの優しい四川緑茶、蒙頂甘露をとても美味しく頂きました。程よい渋みの裏に、優しい甘味が生きており、低温で優しく淹れてくださったオーナーOさんの手によって、さらに一種のうまみも引き出されました。この程よい渋みは、日本茶の美味しさを連想します。

湯温を調整して、キリッとした一煎目と柔らかくなった二煎目のギャップを楽しめたのは、見た目もキレイな竹葉青でした。

カドのとれた緑茶のような、爽快感のある味わいの蒙頂黄芽。先月うらりん先生ご主催の「慈雨礼賛」に、侘び寂びの席で源田さんが淹れて下さった極上な蒙頂黄芽の記憶が甦りました。先生に未確認ですみませんが、たぶん...オーガニックさんの今年のものだと思います。ここまで黄茶が美味しいと感じたことが、実はなかったのです。見た目は、黄色になった竹葉青で、それがまたきれいのです。

プーアールの白茶工程でできた月光白は、単芽の見た目も香りも味わいも以前から好きです。今年のものは、後半年を寝かし、香りと味が落ち着いてくるまで楽しみです。

ルハンさんが口頭で、「茶気が強い」という台湾語で表現した「紫娟茶」は、茶湯も茶殻も紫の色素がかった珍しいお茶です。体調を整えたい時に、薄めに淹れ、体の悪いものを流してくれそうな印象を受けました。

産地がそれぞれ雲南の[孟力]海と帕沙の喬木古樹青毛茶を飲み比べました。甘い後味の残る帕沙喬木古樹に対し、その日は、淡白な[孟力]海喬木古樹が体にあっていました。

二人のために、オーナーのOさんは、三時間をかけ、産地の話しなどを触れながら、計九種類を淹れてくださりました。おかげさまで、その日頂いたお茶がしっかり体に染みわたり、頭にもインプットされたことに、私は大満足です。オーガニックさんの茶会は、茶譜も日程も柔軟に対応してくれるところが嬉しいのです。そのうえ、とてもリズナブルです。

同じお茶を飲んでいても、茶友とは互いに味覚が一致しているものもあれば、そうでないものもあります。

帰路にそのような感想を交わすことが、また特別に面白いのです。

オーガニックプーアールさんのOさん、ルハンさん、どうもありがとうございました。

<茶譜>

蒙頂甘露(2014明前.四川)
竹葉青(2014明前.四川)
蒙頂黄芽(2014明前.四川)
月光白単芽(2014.雲南)
月光白一芽一葉(2014.雲南)
白芽生茶(2014.雲南)
紫娟茶(2013.雲南)
[孟力]海喬木古樹青毛茶(2014早春.雲南)
帕沙喬木古樹青毛茶(2014早春.雲南)
曼弄有機プーアール熟茶(2007.雲南)

オーガニックプーアール美瑛サロン

東京都杉並区井草4-4-10
TEL03-3397-8668
西武新宿線井荻駅北口下車徒歩4分


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器に左右される茶の味わい

2014-06-02 16:01:50 | 茶会・茶勉強会

茶友とともに、景徳鎮の高級茶器を取り扱っている迎茶さんの茶会に参加しました。

いうまでもなく、どちらの茶器も、緻密に描かれた綺麗な絵付けです。この会では、迎茶さんが取り扱っている台湾奇古堂の台湾茶四品(茶譜、以下)を、景徳鎮の高級茶器の数々と奇古堂の品茗杯で、飲み比べをしました。

どちらの茶目の、どちらの煎も、景徳鎮の高級茶器で頂いた方に、確実な軍配が上がりました。

科学的な根拠を尋ねてみました。器に淹れられた茶湯は、肉眼の見えないほどたゆたいます。それをミクロの世界では、水の分子による微振動が、器ごとに微妙に異なります。景徳鎮の器の中、磁器の原料が非常に良いものは、その微振動により、お茶のえぐみや雑味がうまく消され、お茶の味わいの良い部分を引き出してくれる、という少しマニアックな話です。
お刺身をさばくとき、包丁の切れ味によって、お刺身の食感が変わってくるというオーナーの説明が、非常にわかりやすかったです。

お茶が美味しく入るための一つの要素を学ばせていただきました。けれど、やはり上等なものがいいか、というところが悩ましいのです。

茶譜(奇古堂のお茶)
凍頂烏龍茶
文山包種
阿里山烏龍茶
東方美人

迎茶

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