茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

直感力

2021-04-30 06:38:00 | 本・映画・舞台


一日雨の後、
朝の空気が清々しい。

永世七冠の羽生善治の『直感力』を読了。

直感とは、迷いや悩みも起こり得ない瞬間を捉えたものだ。その中にそれまで積み重ねた経験から発展したものであったり、大きなヒントが隠れていることも多い。ある意味で迷わずに決断する能力とも言えるでしょう。

かつて、私自身が手相を見てもらった時に、言われた事があります。
両手ともに直感力の線、鮮明にでてますね。そうなの。。。とその時はピンとこなかったです。自覚はなかったというか。

選択肢の分岐点に立つとき、失敗を恐れず、とりあえず前向きに進むことに、背中を押された気がします。
直感力は経験とともに育ちます。
そのヒントを手がかりとして考えを進めていくと、案外物事が良い方向へと導くでしょう。

それに、人間のメンタルや精神的な面での強さというものも、年齢や経験に比例するのではないかと思います。

本の最後に、ルーツだったインドの将棋が、各国で様々なスタイルへ変化していくその姿の垣根から見出した国柄の話しも触れました。

力をもらう一冊。物事を深く、そして多視点で観察する羽生七冠の人物像にも惹かれました。

夢とロマン

2021-04-06 09:07:00 | 本・映画・舞台



先日 森下典子さんの『一緒にいるだけで』の中国語全訳を終えました。家の前に五匹の野良猫が生まれ飼育する感動的な物語です。

出版に叶うことがなくても、自分にとっては大事な本です。

漕ぎ出しの車輪は重たくて、作業が進んだり休んだりしました。
最後の二ヶ月、思いっきりやり方を変えてみることに。
それは毎日どんなに調子がよくても悪くても、原作のニページのペースで作業を進めました。

二ページって、少ないようにも感じますが、予定が入る日でもできるページ数です。
やり方を変えてから、
追い風が吹いたかのように、
ペダルが軽やかになり、
足を乗せるだけでゴールインした感覚でした。
ラストスパートに、
予定より一日早く、
二校目まで完成させました。

書籍の翻訳、最初の挑戦は、
2015年より二人の仲間と挑んだ『茶味的麁相』です。
前作はかなり難易度の高い本でしたゆえ、
今回はかなりの手応えを感じました。
大きく一歩を前進した、
そのような実感が湧きました。

文才だけとれば自分より上手な人は山ほどいます。
自由に言葉を操る人も少なくありません。
そこは、書く事や翻訳という作業が、どれだけ好きかに尽きます。

ペンをすべらせる時の快感、
好きな作品を自分のコトバで変えていく時の躍動感。
一度それを味わった以上、
やめる事などできません。

その快感に"溺れる"と言われても気にしません。
筆力に浮き沈みがあっても気にしません。
読書や書き続ける事さえすれば、表現がじんわりと流れ出る、書いている時の気持ちが自然と伸びやかになります。

SNSの発信は自分にとっては、もはや日記のようなもので、後になって朧げなるような記憶を正してくれる存在です。そして筆力を磨く場でもあります。

また、それを読まれた誰かの役に立ったり、その人にヒントや励みになったりすればなおさら嬉しいです。そうでなくても、ただ読んでくれる数分の間に、ハッピーな時間になれば良いのです。

大局を俯瞰するようなものもいつかは書いてみたいです。

人生が八十年間あるとしたら、生涯現役で書き続けたいですね。