茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

金駿眉を探し求めて

2017-09-24 17:00:55 | 中国茶・世界のお茶

武夷山から帰ってきた二日後、年に一度の桐木関斗茶大賽を一直播アプリで中継しているとの情報が入った。斗茶大賽では、金駿眉を発明した梁駿徳老師も審査員に加わっている。

今年の春、武夷山も桐木関も良い天気に恵まれたようで、茶農家さんが口揃い、今年は良いお茶ができたという。

昨日はなぜか失敗だった。
朝もう一度リベンチして武夷山から持ち帰った水で、
今回出会った金駿眉を淹れようと思ったところ。

一つは、旅中外鬼洞に行く友人と別々な行動を取った午後だった。
三輪車のドライバーさんに声かけられ、良いお茶との出会いへの期待と、
何処か変な所へ連れて行かれるのかとの不安を抱きながら、自分の居場所を離れた友人にまめに送信していた日の出来事だった。

冒険だった。
そこで出会ったのは、桐木関挂墩地区の野茶で作られた柑橘系の香りがする金駿眉だった。

そもそも今回の旅で、多様化された金駿眉が、本来の奇種だけではなく、香りの高い品種でも作られるようになっていたことが分かった。

前 岩茶105の新芽で作られた金骏眉(建陽区拗頭村)
後 梅占の新芽で作られた金駿眉(建陽区拗頭村)


しかし、生態の素晴らしい桐木関で作られた奇種種の金駿眉に匹敵するものはおそらくないでしょう。

雑味が全くなく、
煎を重ねていけば
それぞれの茶がもつ花の香りがゆるやかに増していく。
しかしながら、その香りはあくまでも遠慮がちで、
「あたし、あたし」と前にでてアピールする様子が全くなく…そこがまた気にいった。

家事をこなしながら、煎と煎の間、あえて空けることにした。
口中の「留香」を長く感じていられるのは幸せなこと。

茶譜
◆桐木関 挂墩村(柑橘系香り)金駿眉野茶 茶摘み2017年4月中ば
◆桐木関 三港村(蔷薇系香り)金駿眉 茶摘み2017年4月20日前後

桐木関の旅

2017-09-23 11:13:00 | 街散策・旅行

足を伸ばして、鼻祖紅茶の故里桐木関に入った。
村民の顔パスでしか出入りできない国家級生態保護地区。

環境の素晴らしさが一目でわかる。


友人が疑問をもっていた金峻眉を持参してきた。本来の品種奇種(または菜茶という)と梅占種で作られる金峻眉の識別。茶摘みの時期についての謎解き。

二人が正解に辿りつくまで遠回りしていたけれど
旅の終わり頃ようやく腑に落ちる解答を見つけることができた。

茶農家は自分のことがよく分かっていても、
他の茶農家の製茶に関して正しい判断を出せない事を今回の旅で学んだ。
一人の話しを信じ込まず、もっと沢山の人の意見を聞き入れてから判断することの大事さを、今回実感した。


武夷と桐木関で頂いたご飯、どれもとっても美味しかった。初めて頂く武夷の数々な食材に恋した。




武夷慧苑坑鬼洞の旅

2017-09-23 10:21:20 | 街散策・旅行

そびえ立つダークな岩壁と一緒に写っている自分を見て
人間っていかにも小さいなあと感じた。

友人の世話になり、武夷三坑两澗の一つである慧苑坑 内鬼洞を現地人の引率で踏破していた。

翌日足腰に痛みがでてしまい、もっと素晴らしい景観が待っていたはずの外鬼洞行きは、諦めせざるを得なかった。

外鬼洞にも行った友人に、撮ってきた写真を見せてもらい、説明を聞いた。

鬼洞全般ざらっとした岩肌、
直日射少なく、
朝の草露で潤う
茶樹の成長にとっては天からの恵み。

良い生態が良いお茶を生み出す。
もっとも生態の良いお茶は茶農家が手元に残す時代になってきた。
消費者にとっては良いお茶と出会う機会が益々限られてしまう
さらにそこにプライスとの葛藤が重なってくる。

茶旅を重ねていくと
改めてそう感じた。

それにしても武夷山の自然は本当に豊かだった。


嘆茶来

2017-09-17 09:05:19 | 中国茶・世界のお茶

大きな交差点で道を迷ってしまったその時だった。ふと前方に目を配っていたら、素敵な佇まいが静かにそこにあった。
まさに今日の目的地 茶館 嘆茶来。


動きの一つ一つは、
ゆったり、無駄なく
そして美しい。
湯をそっと蓋碗の縁に沿って逆時計回りするわずかな数秒間は、何十分間かのように時間がゆっくり流れていた。

女主人の鄧老師は90年代茶藝テキストを作り上げたチームの一員だった。
茶藝の歴史、主流…彼女自身の思いを語ってくれた。
想像していた派手な動きの茶藝から、一切な無駄が切り落とされた彼女の茶藝を見て、私は思考に陥った。


◆茶譜
山青花燃の峻山(2013年)
千家寨野放紅茶(2017年)





仏山小旅

2017-09-03 09:14:58 | 街散策・旅行

隣町の仏山に用がある主人について、行くことにした。

広州から電車でわずか一回の乗継で行けるのでアクセスはとっても便利。仏山の一番の観光地祖庙を見学。祖庙の名前の由来は、広東郷土史を記載した『広東新語』の作者 清代の屈大鈞が命名したらしい。ここにやはり屈氏の名がでてくるのね(独り言)


祖庙のすぐ横に順德名物の双皮奶(牛乳プリン🍮)の店へ。34度の炎暑で、すでに汗ったくの二人は、迷わず注文を。マンゴーを山盛り載せた「芒果双皮奶」とタピオカを載せた「珍珠双皮奶」をチョイス。お代りしたいぐらいとっても美味しかった。



解放軍のコスチュームを着ているアイスバーの売り子。アルバイトかな。暑そうでかわいそう💦

台風💨が上陸するので、夕方に急いで広州に戻ったが、順徳料理も舌鼓できた、とってもよかった仏山の小旅。イオンやショッピングモールがある近代的な街であることに、私が少し驚いた。TOYOTAさまのお陰だ。