茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

銅鼓春韻を淹れながら

2014-04-28 10:17:46 | 中国茶・世界のお茶

今朝に、母にもらった中国江西省銅鼓県の緑茶「銅鼓春韻」を淹れてみました。

名のイメージ通り、とんがったスモーキーの緑茶ではなく、どちらかと思うと、ほんの渋みの裏に、甘みが隠されている…はず。

この時期になると、淹れるのに、もっとも苦労する緑茶を、工夫しなくちゃと思うのが、そう言えば、去年も一昨年もそうでしたね。

目が違うことに向け、気がつけば、夏が来て、さらに緑茶をあまり飲まなくなる秋になってしまうのも毎年のことです。

もっと基本的なことに目を向けよう。

一年ほど前に発売された温度表示の電気ポットを買ってしまえば、一手間も二手間も省けてしまうだろうし、いずれは買い求めるかもしれません。しかし、今すぐ購入するには、なんだかしっくりこないのです。

せっかく我が家の一員になったポットにはまず耳を傾け、そして目の前にあるお茶にもっと向き合わんと。

もう一度、気持ちを込めて淹れてみました。のどこしが良く、ほのか甘みもでて優しい味わいの緑茶でした。

感動を覚えた「日々是好日」にあった言葉を思い出します。

体でお茶を覚える

美味しく淹れるための稽古を重ねていかなくてはなりませんね^_^。
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田子坊で出会った極上の茉莉龍珠

2014-04-18 12:16:34 | 中国茶・世界のお茶
伝統的な茉莉龍珠は、ベースになる緑茶の珠に白い毛の若芽が織り交ぜ、本当に美しい。小粒のほど、使用されている緑茶が若き新芽と物語っています。

優しく花開いたジャスミンと茶葉が混ぜられ寝かされ、香りがうつりきったらもう一度ジャスミンと茶葉が分けられます。そしてジャスミンの香りと水分をすった茶葉を再度乾燥させて香りを閉じ込めます。これが一回の香りを移す作業で、この製法で8回この工程を経たものが茉莉龍珠として誕生します。この伝統製法を守っている茶師は、もうそうそういないはずです。

本物の茉莉龍珠の蓋をほんの少し開けてみました。
優しくて自然のジャスミンの香りのもので、なんとも奥ゆかしいのです。

今月上海滞在中、人気路地裏散策スポット田子坊で、そんなふうにジャスミンを丹念に作り上げているオーナーに出会いました。

若きオーナーは、日本留学帰りだそうです。実家は、ジャスミン工場を営む福建省福州市出身。小さなころ工場のジャスミンに包まれて昼寝した記憶があるというのが面白いです。留学後、静岡のお茶会社に就職し、日本茶の徹底した品質管理に心を打たれ、学んできたそうです。

高級ジャスミンに使用される専用緑茶の若い芽は、白毛銀針という。ジャスミンを飲む機会は、私の中、それほど多いほうではありません。しかし、良いものに出会う機会を、ここで見逃してはいけないと思い、購入しました。

オーナー最後の言葉を思い出します。このジャスミン茶は、6回入れても香りが出ます。飲み終わった後に、使用した茶葉をお茶パック(不織布)に入れて入浴の際に湯船にいれて入浴してみてください。その日の疲れが吹き飛ぶほどのリラックス効果が得られます。

今晩さっそく試してみようかな。

ちなみに、田子坊は、近年上海の街で路地裏散策の人気スポットです。迷路みたいの路地、お気に入りの店の場所は、いまだにちゃんと覚えられていません。その分、里帰りするたび、その時自分にとっての新しい店との出会いが楽しいです。お気に入りのデザイナーズグッズ、アート作品が間違いなく手に入ります。こだわり料理を出す隠れ家レストランも多いエリアでおススメです。


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今年入手した安吉白茶2014

2014-04-17 09:31:23 | 中国茶・世界のお茶
上海で一番先に入手したのは、安吉白茶。4月1日採取したもの、清明節四日前のお茶です。

知り合いのいる大寧茶城は、上海有数なお茶問屋街の一つ。

行った日に、カメラ設定は、クロームになっていたのを気付かず、シャッターを押したら、実物よりは濃く写りました。
それにしても、店で見せてもらった新芽がそろって綺麗、オーナーが淹れてくれたお味も安吉らしく美味しかったです。

あいにく、販売できるような量がまだ店にはありませんでした。二日後、また来てくださいと言われました。ところが、二日後には、杭州にいる予定なので、一緒に行った友人が取りに来てくれるというので助かります。非常感謝!

開封したのは、日本に戻ってきてから。

あら、このばらつきのある色は、炒り手の技術の未熟を物語っているのではないでしょうか(汗)。

更に、サンプルを取り、並べてみると、やはり新芽でも大きさが笑えるぐらい違いますね。店のオーナーが、昨年の冬、現地が寒冬のため、今年の採取が遅れました。そのために、新芽が例年より大きめだとおっしゃったのを思い出しました。

安吉白茶が好きで、ここ数年、毎年買っています。今年入手したものは、茶会に出すお茶というより、評茶の良い材料になるのではないかとの気がしました。

それでも、この新芽いっぱいの感じや、人によっては、淡泊すぎるとも言われるこのお味が、私の好きな春の味覚。

不良の部分を取り除けば、みんなが可愛い子ではありませんか(笑)


中身の見えない磁器の蓋碗で淹れれば、蓋を開けた瞬間、一面の青々がなんとも言えないほど可憐。

ぼーっとする余裕がある時、筒状のグラスで淹れてじっと待ちます。

目の前に一枚ずつ舞い降りてくる新芽をじっと見つめるのはミソです。次はどの子かな、と待つ時間が楽しいです。

突然、こちらから一枚がちらり、またあちらから別の一枚がちらり。透き通った茶湯の向こうには、飾っていた水差しが、ぼんやりと映るのもいいですね。

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脇役の茶托

2014-04-12 20:24:04 | 茶器
茶壺よりも、茶杯よりも、最近目に止まるのは、意外と茶托です。

手に持つ時の感覚といい、大きさといい、メンテナンスのし易さを、まず考慮したいのです。

最近出会ったものの中、三つのバランスがうまく取れたのは、こちらの茶托です。

煌びやかな茶托。

どの茶席においても、脇役にすぎない茶托ですが、さりげなく茶杯の美をより引き立ててくれるのは、良い脇役だと思います。

茶壺や茶杯の注目を奪うことのないように、そんな茶席ができたらいいなと思います。

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里帰り2014-徐門紫砂

2014-04-10 10:39:30 | 街散策・旅行
以前友人から大切に頂いた徐門紫砂の石瓢壺があります。

徐門は、宜興紫砂制作の名門です。徐漢棠大師を、兄弟六人及びその後代を率いて、紫砂工芸に捧げた一族です。

上海にある多倫路に、徐門一族が開いたギャラリーがあると聞き、行ってみました。

通っていた中高一貫校にほど近いこのエリアは、かつて同級生の家に遊びに行ったことが懐かしいです。

魯迅をはじめとする中国の近代文学者たちにとってもゆかりの多い通りとして、現在は「多倫路文化名人街」に様変わり。


私が訪れるのは、純宝棠。


事前に友人経由で紹介して頂き、ギャラリーのオーナーが徐門の四代目。親切に色々紹介していただきました。

横には、だまってずっと新聞を読んでいた老人のことが、ちょっと気になります。

宜興紫砂の歴史について尋ね始めると、横にずっと黙っていた老人は、初めて口を開けてくれました。

オーナーが老人のことを「老爺」と呼び、なんと徐門兄弟の一人徐可棠先生でした。

徐可棠先生が、たまたま宜興からお見えになり、上海にいらっしゃるのは清明節までです。私がなんと運が良いと思いました。

紫砂の伝統窯「龍窯」のことを詳しく話してくれました。老人が昔話に花咲き、先ほど黙っていた新聞読みの老人とは、うんとかわります。

使い勝手が良い水平壺を見つけ、私的には文字の彫られないものが良かったのですが、
とても良いお値段で購入できました。
新しい茶壺を育てていくのに、また楽しみが増えました。

最後に、オーナーから徐門もう一人の大師徐秀棠先生の著書「紫砂工芸」をプレゼントして頂きました。
じっくり読んで、少しでも知識の幅を広げていけたらと思います。


多倫路文化名人街
上海市虹口区多倫路

純宝棠
多倫路53号
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