くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

クレーマー扱いされないために(14)

2011-02-07 23:59:59 | 正しいクレームのつけ方
正しいクレームのつけ方【発言編】
その13.本当はこちらからお願いしたいくらいなのです

巷のクレーム対応本には、「クレームは宝の山」などと書かれています。
でもそれは、真っ当なクレームを真っ当な方法で訴えてこそ言えることです。

また、多くのクレーム対応本では、
悪質クレーマーにうまく対応して継続顧客に変えたとか、
自社製品のファンに転向させた、などといった事例が紹介されています。
でもそれは、クレーム対応本を執筆できるような、
類まれなる対人能力を持っている著者だからできたことです。

普通の人には、そんな神業のような真似はとてもできませんし、
精神力も維持できません。

「もうこんな店には二度と来ない」
「あなたのところの製品は、もう絶対に買わない」

そう言われると、クレーム対応担当者はあわてて、
「そんなことをおっしゃらずに」とか
「精一杯の対応をさせていただきますから、またご利用をお願いします」
などと言ってとりなします。

本当に「もう来ない」「買わない」と決意している人は、
わざわざそのような宣言はしません。

それを宣言するからには、
「客が一人減るぞ」「売上が一人分落ちるぞ」といった、
心理的圧力をかける意図が読み取れます。

したがってこういったセリフもまた、
悪質クレーマーの判断根拠とされてしまうのです。

クレーマー対応本にあるように、
悪質クレーマーを優良顧客に変えることができれば、
それに越したことはありません。

でも実際には、たった一人の行過ぎた悪質クレーマーよりも、
たくさんの普通の消費者に重きを置くというのが現実なのです。