「コピー用紙は裏紙を使いましょう」
「電気はこまめに消しましょう」
「節水に心がけましょう」
会社の経費削減では、設備の改修や運用の見直し、
社内規程の改訂などによるマクロ的な施策と並行して、
このような社員個人の意識と行動に依存する施策も
推進していかなければなりません。
すると、必ずといっていいほど総務に寄せられるのが次のような意見です。
「そんなことをしても、たいした削減にはならない」
「そんな細かいことをいちいち気にしていたら、仕事にならない」
「10円、20円ケチって、大損こくな!」 といった皮肉さえ言われます。
そう言われたときは、このように回答しています。
「これがあなたの家でも、そう思いますか?」
自分の家なら無駄なお金はたとえ10円でも節約し、
缶ビール1本、タバコ1箱の費用を捻出しようとするのに、
このような社員は、会社だとそれができません。
それは会社の経費が、自分の生活とは無関係だと思っているからです。
「売上が伸びないこのご時世には、一人一人が節約をしなければ、
社員の給与は永遠に上がらないどころか、減ることだってあるのですよ」
「あなたの頭上で点いている蛍光灯の電気代も、
あなたが何気なくボタンひとつで気軽にとっているコピー用紙代も、
もとはあなたの給与の原資の一部なのですよ」
そうやって噛んで含めるように説明して、ようやく理解してくれるようです。
しかし、それでも
「電気を消しても俺の給料が上がるわけじゃない」 と、
と更に反論するヘソ曲がりもいます。
そんな社員には、
「『自分ひとりくらい』とみんなが考えていると、
みんなの給料は、いまに間違いなく減りますよ」 と言わざるを得ません。
昨日、東京電力の電力料金値上げの発表がありました。
試算すると、わが社では社員一人分の年間人件費に匹敵します。
今年度、ギリギリの節電をした上での値上げですから相当キツイです。