大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

意は冷戦にあり

2016年02月18日 | 政治
長野出張中のお昼時、ニュースで中国軍が南シナ海の島に地対空ミサイルを配備したと報じていた。
このところ世界中がきな臭いので気になっていたが、どうしてこの時期に火に油を注ぐのかと不思議だった。
その疑問に分かり易く答えてくれたのは、今朝の毎日新聞社説「木語」であった。

抜粋するとこのような内容である。
「…米国のケリー国務長官が北朝鮮の核実験に対する新たな制裁を呼びかけたのに対して、中国の王毅(おうき)外相は北朝鮮そっちのけで「米国が中国の安全と利益を損なっている」と批判した。
…王外相は、米国が北朝鮮のミサイルを防ぐという名目で韓国国内に終末高高度防衛ミサイル(THAADミサイル)を持ち込もうとしているのを項荘の剣舞にたとえ、真の目的は沛公、つまり中国を攻撃することだと非難した。
…中国の専門家のコメントをメディアから拾うと、THAADミサイルは、中国の戦略核ミサイルの核威嚇能力を低下させる。
だから中国は今後、韓国に経済圧力を強め、「軍事的準備もする」という。
…ミュンヘンの会議では、ロシアのメドベージェフ首相が「我々が生きているのは2016年か、それとも1962年なのか」「今また冷戦に入った」と演説した。
62年はキューバ危機の年。
冷戦のまっただ中、ソ連が米国の裏庭、キューバにミサイル搬入を強行しようとして熱核戦争の危機が高まった。
ウクライナ問題などをめぐるロシアと欧州の関係悪化を意識した発言だが、朝鮮半島情勢と共通点がある。
…キューバ危機を経て米ソは戦略核兵器の削減に動き、冷戦終結に向かった。
だが中国は、戦略核兵器を並べた軍事パレードで米国を威嚇している。
意識は冷戦にある」

世界で唯一の被爆国日本。
この危機的状況でなにをなしうることができるのだろうか?
それは軍事力の強化でもなく集団的自衛権の拡大でもないはずだ。
あの不幸な戦争もアメリカからの原油輸入停止という経済的危機から起こった。
そして今、アセアン諸国は米国と中国の間で身動きがとれなくなっている。
経済分野で世界的危機を救うような壮大な気概を経済界に求めても間違いはなかろうと思うがいかがなものだろう。



天才

2016年02月17日 | 読書
まとまった時間がとれる出張時は読書の時間に最適。
一冊はハードカバーの本、もう一冊は電子書籍にしたが、やはり紙ベースの方が読みやすい。


出張先の長野までの約3時間、一気に読み終えた石原慎太郎の「天才」。
なぜ田中角栄嫌いであるはずの石原がこの本を書いたのか?
その答えが最後の「長い後書き」にあった。

「…私はまぎれもなく田中角栄の金権主義を最初に批判し真っ向から弓を引いた人間だった。
だから世間は今更こんなものを書いて世に出すことを政治的な背信と唱えるかもしれぬが、政治を離れた今でこそ、政治に関わった者としての責任でこれを記した。
それはヘーゲルがいったように人間にとって何よりもの現実である歴史に対する私の責任の履行に他ならない。
私たちは今、現代という現実の中にその身を置いている。
その現代という私たちにとって身近な歴史的現実が、アメリカという外国の策略で田中角栄という未曾有の天才を否定し葬ることで改竄されることは絶対に許されるものでありはしない」
ロッキード疑獄事件の真相にもう少し深く突っ込んで欲しかったが、面白い本だった。

帰りの電車ではちょっと難解な重力波の話に挑戦したが、すぐに眠りについてしまった。
善光寺さんにもお参りし、昨夜はソバ焼酎と馬刺しを堪能したので、その疲れも出たのかな?

忘れ去られることが、いちばんつらい

2016年02月15日 | 労働者福祉
あの巨大地震と巨大大津波から5年が経ちました。
もの凄いショックを日本中に与え、多くのボランティアが東北各地へ向かいました。
しかし5年経つと、現地ではまだまだ回復途上にも関わらず、記憶だけがどんどん薄れていきます。
そこで「静岡県ボランティア協会」が中心となって、「東日本大震災5年の集い実行委員会」を立ち上げました。
この実行委員会には「県労福協」「連合静岡」「福祉基金協会」「県生協連」なども加わっております。

そして3月26日(土)に「東日本大震災の集い」を企画しましたが、現時点では残念ながら参加希望者が少なくてSOS状態です。
案内チラシも配布しましたが、なかなかみなさんの目に触れることも難しいのかもしれません。
なんとか意識あるみなさんのご協力をお願いし、集会を成功裡に収めたいと思います。
シンポジウムに出席されるゲストのみなさんの顔ぶれを見るだけでこの集いの意味合いがよく分かります。
(岩手県遠野市長・釜石市長・大槌町長・陸前高田市前副市長などなど)
ぜひ一人でも多くの方々の参加をお願いいたします。

申し込みフォーマットはこちらから





円高の影響(輸出&輸入)

2016年02月12日 | 経済
下の図は日本の輸出相手上位国です。
これらの国の通貨と円との比較を見れば、輸出への影響がある程度わかります。
日銀がマイナス金利政策を発表したのが1月29日、どの国の通貨に対しても瞬間的には円安に振れていますが、その後急激な円高に転じています。
これだけ急激な為替の変動は実体経済とは無関係であり、金融政策の誤りや、行き場を失った投資マネーが悪さをしているとしか思えません。

2014年の輸出総額は73兆1千億円でした。
第1位はアメリカ(18.7%)

第2位は中国(18.3%)

第3位は韓国(7.5%)

第4位は台湾(5.8%)

第5位は香港(5.5%)


逆に輸入相手上位国です。
円高に振れれば輸入品は安くなります。

2014年の輸入総額は85兆8千900億円でした。
第1位は中国(22.3%)
第2位はアメリカ(8.8%)
第3位はオーストラリア(5.9%)

第4位はサウジアラビア(5.8%)

第5位はアラブ首長国(5.1%)

オーストラリア、サウジ、アラブの国々からは原油・天然ガス・石炭・鉄鉱石を始めとする資源を輸入しています。

さてみなさんはどんなことを感じましたか?
もちろん貿易を為替だけで論ずることはできませんが…。

金融が破壊される?

2016年02月10日 | 経済
円がマイナス金利、ドルがプラス金利ならば為替は円安ドル高に動くはずです。
しかしそうした金融政策が効かなくなっています。
円高株安の状況を端的に示したグラフ(毎日新聞)をご覧下さい。

どうしようもない不安感が世界中を覆っており、これから歯止めのない通貨安競争が起こるやもしれません。
日経新聞には「金融が破壊される世界が現実味を帯びてきた」、というエコノミストの声が紹介されていました。
「金融が破壊される世界」とはどんな世界でしょうか?
実体経済がこれ以上悪化してくると現在の金融世界には巨額の損失が生まれます。
そうなると我先にとその穴埋めのために投資先からの貸し剥がしや、保有資産の投げ売りが始まるでしょう。

いつかきた道の再来です。
そして虚構に満ちたアベノミクスの終焉です。
今がその時でなくとも、必ずマネーゲームは終わります。