大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

景気に火がつくか?

2016年02月02日 | 経済
日銀総裁黒田マジック第3弾はビックリポンの「日銀マイナス金利」政策。
マイナス金利の影響を直接受けるのは日銀に預金を預ける銀行のみですが、間接的には私たちもその影響を受けます。
なぜこうした状況になったのか私なりに考えてみました。
もちろん素人ですからその分は割り引いて読んでくださいね。

2012年12月16日、総選挙で自民党は圧勝します。
その状況を「南町の独り言」では「あらためての衝撃」として綴ってありました。
いよいよ第2次安倍政権が始まりましたが、これほどまでの強引な政策展開を図るとは想像だにしませんでした。
翌年3月、日銀白川総裁が任期途中で退任し、安倍首相の意を汲む黒田総裁にバトンタッチします。
黒田総裁は就任直後から異次元の金融緩和政策に転じます。
マネタリーベースを増やすことで景気浮揚と物価上昇2%を実現し、デフレ経済からの脱却を政府とともに果たすことを錦の御旗にしたのです。
確かにマネタリーベースはもの凄い勢いで増加していきました。

しかし安倍さんや黒田さんの思惑通りにはいきませんでした。

マネタリーベースとは以下の算出式で表されます。
「マネタリーベース」=「日本銀行券(紙幣)発行高」+「貨幣(硬貨)流通高」+「日銀当座預金高」
簡単に言えば出回っているお金の総量のことですね。
「日銀当座預金」とは、銀行などが「準備預金制度」により日銀への預金を義務付けられているお金と、運用や保管のために日銀へ預けているお金のことです。
「準備預金制度」による預金は従来からゼロ金利であり、今回のマイナス金利には関係ありません。
今回のマイナス金利とは「準備預金制度」以上の預金に対して、これまで0.1%つけていた金利を、2月16日からマイナス0.1%にするというものです。
なぜそうするのかは下表で推測できます。
これは日銀当座預金高推移です。

14年12月残高178兆円が、15年12月末には253兆円になっています。
要するにいくら金融緩和をしてもトリクルダウンは起きないので個人消費は増えないし、結局お金は市中に回らずに、運用先もみつからずに、日銀へ戻ってくるということですね。
これではたまらないから、マイナス金利にすれば銀行は預金をして金利を払うより他に貸し出そうとなるはずです。
運用先を株式投資に向けるところもありますから低迷している株価対策にもなりますし、円安に誘導して企業業績アップにもつながると考えます。

円安→企業業績アップ→株価アップ→賃金アップ→消費拡大→物価上昇→デフレ脱却→内需拡大→GDP600兆円…
まあこんな目論見ではないでしょうか?
うまくいけばいいですが、失敗すればこの国はどうなるんでしょうか?
ここまできたならば労働組合も覚悟を決めて、より積極的な賃上げと最賃1000円の実現にがんばるしかありませんね。