大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

連合静岡第26回定期大会にて

2015年10月16日 | 労働者福祉
清水テルサで「連合静岡定期大会」が開催されました。
県労福協を代表して次のようなご挨拶をいたしました。

『…今年度も、連合静岡のみなさんとともに「連帯と協同」の道を歩んできました。
ほんとうにありがとうございました。

最近歳をとったせいか、誰かのために一生懸命働いている人たちを見ると涙腺が緩んできます。
ひょっとしたら労働者自主福祉運動の歴史を調べていることも影響しているのやもしれません。
学べば学ぶほど奥が深く、その歴史は私たちの生き方であることも知りました。

労働者自主福祉運動とは、「労働者の生活を守る」ために行われる「労働者による福祉事業」運動のことです。
具体的に言えば、労働金庫や全労済や生協運動のことです。
終戦直後、労働組合の仲間たちがこの運動を起こしました。
広義で言えば「自主福祉運動」も、「政治活動」などと同じように「労働運動」のなかにあります。

静岡県内でも同様のことです。
「福祉はひとつ」を合言葉に、イデオロギーを乗り越えて福祉事業を立ち上げていった先人たち。
50年代60年代のリーダーたちは、「働く仲間の生活を守る」ことを常に念頭に置いて、リスクを恐れず果敢に事業展開を図りました。
70年代80年代は事業も安定期に入り、時代の要請に応える形で新たな事業体を立ち上げていきました。
これらの活動が、現在の「静岡県労働者自主福祉運動」の礎を固めてくれました。

そして今、私たちは時代の大きな転換期に立っています。
「この豊かな時代に食べるものに困っている人たちが居る」などということを私たちは考えもしませんでした。
現実は違っていました!
しかし私たちは評論家にはならず、連合静岡をはじめとする多くのみなさんとともに行動しました。
それが2年目になる「フードバンクふじのくに」です。
この活動は全国に波紋をよんでいます。

社会運動としての労働運動が、社会を変える力を持っていることを、私たちは証明しようとしています。
労働運動の力の源泉は、「共感」と、共感に基づいて行動する「数の力」です。
これからも「連帯と協同」の道を共に歩んでください。
どうぞよろしくお願いいたします』

いいも悪いも心に残った言葉(5)

2015年10月15日 | 日々徒然
毎日新聞(10月14日) 「婚活女子 お坊さん」より

「お坊さん」が女性たちの熱い視線を浴びている。
神社仏閣を巡り御朱印を集める「御朱印ガール」が話題だが、僧侶との「婚活」が交流のイベントもにぎわう。



日経新聞(10月15日) 「春秋」より

日本人の幸福感は世界でも低い方らしい。
豊かな中高年が特に低い。
調べた大竹文雄阪大教授が妙案を出している。
寄付などでお金を使うといいそうだ。
社会の役に立っていると感じると、たちまち幸せになれる。
とうに知ってると昔の人は笑うかもしれない。
情けは人のためならず、と諺にもあるほどだから。


静岡新聞(10月15日) 「車掌激走 電車に追い付く」より

14日午前0時10分ごろ、京浜急行電鉄北品川駅で、品川発京急川崎行き普通電車が男性車掌(21)をホームに置き去りにしたまま発車した。
車掌は約700メートル先にある次の新馬場駅まで線路と並行する国道15号をダッシュし、到着して待機していた電車に再び乗って業務を続けた。


コミュニケーション強化とは

2015年10月14日 | 日々徒然
昨夜から連続して2箇所で労組役員の研修会を持ちました。
日本生産性本部の「労働組合が抱える課題とその取り組み」調査によると、毎回上位に挙げられるのが「次世代組合役員の育成」と「組合員とのコミュニケーション強化」です。
このふたつは深く連動するものがあります。

コミュニケーション強化といいますが、どうすればそれが適うのでしょうか?
ふたつの研修を終えていろいろと考えてみました。

何を伝えたいかということ(メッセージ)と、どのように伝えているかということ(メディア)、この二つがコミュニケーションの要素です。

人が発しているメッセージについては、大きくは二つに分けてとらえることができます。
言葉によるもの(言語)と、言葉以外のもの(非言語)との二つです。
非言語(ノンバーバル)コミュニケーションの研究者レイ・L・バードウィステルは、「言葉によって伝えられるメッセージは、全体の35%に過ぎず、残りの65%は、話しぶり、動作、ジェスチャー、相手との間の取り方など、言葉以外の手段によって伝えられる」と言っています。
言葉は頭で組み立ててコントロールすることもできますが、ノンバーバルは無意識的でありコントロールしにくいものであるため実に雄弁です
したがって相手の全体像をしっかりとみるためには、言葉のみでなく両面からのメッセージを読み取ることが大切です。
研修におけるファシリテーターの難しさはここにあります。

メッセージはこのように言葉で伝えられる場合もあれば、態度(ノンバーバル)で伝えられる場合もあります。
さらに言葉といっても話し言葉もあれば、手紙もあれば、最近ではSNSという電子ツールもあります。
このブログというツールも実に便利なもので、時空を超えてメッセージを運んでくれます。
言葉や態度を通じてメッセージは相手に送られていきますから、それはメッセージを運ぶ器であるともいえますね。
これをコミュニケーション論では、メディア(媒体)と呼んでいます。

何を伝えたいかということ(メッセージ)と、どのように伝えているかということ(メディア)、この二つがコミュニケーションの要素であることは先に述べました。
しかし言うまでもありませんが最も重要なことは、伝えたいというメッセージを強く持っているということです。
さてあなたはどんなメッセージを組合員に伝えたいのですか?

ルビンの盃

2015年10月13日 | 日々徒然
下図は1912年に心理学者ルビンによって名付けられた「ルビンの盃」です。
黒い部分に焦点を合わせるとふたりの女性と見ることもできるし、白い部分を全体ととらえると盃にも見えます。
私たちは見る観点、視点によって見方・考え方が異なり、ひとつの物もまったく別のものとしてとらえることになります。

視点を変えることで、新しい物の見方・考え方・感じ方が様々に変容できれば、違った世界や新たな可能性がみいだされます。

こういった多様性を持ち合わせないとなかなか難しい時代になりました。
人間関係のなかにおいても、相手を理解することなしには良好な関係性は築けません。
労使関係でも同様で、労使紛争を予防する為や、トラブルを治めるためにも両者の視点に立って考える必要があります。
国際政治でも同様で、シリアでは今、政府軍vs反政府軍vsイスラム国が三つ巴の戦争状態に有ります。
そして、そこにアメリカとロシアの思惑が重なり、とんでもないことになっています。
これもまた多様な価値観が衝突し合っておきた不幸な出来事です。

それではどうすれば多様な視点を持つことができるのでしょうか。
まずはそんなニーズを感じることだと私は思います。
多様な視点を自分自身が持とうと思うことですね。
それなしではどんな学習機会があっても無理です。
ようやくそのことがこの歳になって解り始めました。

若きリーダーのみなさん、どうぞいろんなことを“感じられる”リーダーに成長ください。
そして多様な場を経験してください。

GPIF損失10兆円

2015年10月09日 | 経済
2014年11月5日のブログにこう書きました。
「米国の中央銀行が金融緩和から一転して緩和終了を明言した直後、日本の中央銀行がサプライズ金融緩和を発表しました。
また同じタイミングで、公的年金の運用基金(GPIF)が、株式への運用比率を25%に引き上げることを決定します。
これらの動きが重なって激しい円安と株高に市場は大荒れです。
この先どう展開するのか興味深く見ていきたいと思いますが、素人の私でさえわかるこれほど意図的な相場の操縦などが国策として許されるのでしょうか?」

私も素人ながら少々の「株式」と「投資信託」を持っています。
売り買いで儲けるつもりはありませんが、それでも株価や為替の動向は気になるところです。

2015年8月、中国経済の減速を背景にして、世界の投資マネーがリスク資産から引き揚げられて、世界同時株安に見舞われました。

世界景気が減速する中、米国の中央銀行(FRB)は予定していた利上げに踏み切れず、徐々に円高ドル安基調に入り始めています。
こうなると私のリスク資産である「株」や「投資信託」の価値も下がり、もし今売れば「元本割れ」になってしまいます。
これは自己責任で片付ければいいのですが、国民の大切な年金資産はどうなったのか気になりました。

以下は「日刊ゲンダイ」(10月7日)からの転用です。
やはり想像どうりの展開になっていました。

『国民の年金が重大な危機にさらされている。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、世界同時株安の影響で7~9月期に被った損失は、約10兆円。
そればかりか、“ジャンク債”での運用まで決定。
年金の運用は、さながら「丁半バクチ」のようになってきた。
いよいよ「老後の安心」は崩壊寸前だ。

野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストの試算では、GPIFの7~9月期の運用損は実に9.4兆円だった。
日経平均が14%下落した影響で、国内株での損失は5・1兆円。海外株では4.3兆円もの大きな穴をあけた。

その上、GPIFは投機的水準である「ダブルB」以下の低格付けのジャンク債券にも投資を拡大。
10月1日には運用を委託する国内外の金融機関を発表した。
一体、どんな債券に投資するのか。

「一般的に、ダブルB以下の債券は“投資不適格”と評されています。
ベネズエラやブラジルなどの新興国の国債が多く、投資リスクが高い。
一般人が証券会社を通じて買おうとすると、留意されるレベルです」(証券関係者)

まさかとは思うが、GPIFは10兆円もの損を補うために“大バクチ”に打って出たのではないか。
年金運用をGPIFに委託している厚労省年金局の担当者はこう話す。
「低格付け債券への投資は分散投資の一環です。
年金運用の長期的な安定を目指す上で、必要なものと捉えています。
『損失の補填』という見方は間違っています。
一時的に損失が出たからと、一喜一憂すべきではありません」

GPIFは、リーマン・ショック並みの株価暴落があった場合、26兆円の損失が出るとの試算を、自ら出している。
やはり、「負け分」に備えた“分散投資”とみて間違いなさそうだ。

経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
「一般家庭で、老後のための大切な貯金をジャンク債につぎ込む人がいるでしょうか。
国民にとってなけなしの年金を原資に、ギャンブルに近いことをやるなんて言語道断です。
自分のカネならやらないはず。
そもそも、リスク資産で運用すること自体が大きな間違いです。
株価暴落などで損失を被れば、結局、最終的なツケは国民に回ってきます。
かといって、今さら資金を引き揚げることもできない。
引き揚げを示唆しただけで投資家は逃げていき、さらなる暴落を招くことになってしまうからです」

少子高齢化による不安に加え、「世代間格差」まで取り沙汰される年金問題。
なぜ、株高を支え続けるために庶民の年金を危険にさらす必要があるのか。』
                              (日刊ゲンダイより転用)