大黒さんの金魚鉢

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GPIF損失10兆円

2015年10月09日 | 経済
2014年11月5日のブログにこう書きました。
「米国の中央銀行が金融緩和から一転して緩和終了を明言した直後、日本の中央銀行がサプライズ金融緩和を発表しました。
また同じタイミングで、公的年金の運用基金(GPIF)が、株式への運用比率を25%に引き上げることを決定します。
これらの動きが重なって激しい円安と株高に市場は大荒れです。
この先どう展開するのか興味深く見ていきたいと思いますが、素人の私でさえわかるこれほど意図的な相場の操縦などが国策として許されるのでしょうか?」

私も素人ながら少々の「株式」と「投資信託」を持っています。
売り買いで儲けるつもりはありませんが、それでも株価や為替の動向は気になるところです。

2015年8月、中国経済の減速を背景にして、世界の投資マネーがリスク資産から引き揚げられて、世界同時株安に見舞われました。

世界景気が減速する中、米国の中央銀行(FRB)は予定していた利上げに踏み切れず、徐々に円高ドル安基調に入り始めています。
こうなると私のリスク資産である「株」や「投資信託」の価値も下がり、もし今売れば「元本割れ」になってしまいます。
これは自己責任で片付ければいいのですが、国民の大切な年金資産はどうなったのか気になりました。

以下は「日刊ゲンダイ」(10月7日)からの転用です。
やはり想像どうりの展開になっていました。

『国民の年金が重大な危機にさらされている。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、世界同時株安の影響で7~9月期に被った損失は、約10兆円。
そればかりか、“ジャンク債”での運用まで決定。
年金の運用は、さながら「丁半バクチ」のようになってきた。
いよいよ「老後の安心」は崩壊寸前だ。

野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストの試算では、GPIFの7~9月期の運用損は実に9.4兆円だった。
日経平均が14%下落した影響で、国内株での損失は5・1兆円。海外株では4.3兆円もの大きな穴をあけた。

その上、GPIFは投機的水準である「ダブルB」以下の低格付けのジャンク債券にも投資を拡大。
10月1日には運用を委託する国内外の金融機関を発表した。
一体、どんな債券に投資するのか。

「一般的に、ダブルB以下の債券は“投資不適格”と評されています。
ベネズエラやブラジルなどの新興国の国債が多く、投資リスクが高い。
一般人が証券会社を通じて買おうとすると、留意されるレベルです」(証券関係者)

まさかとは思うが、GPIFは10兆円もの損を補うために“大バクチ”に打って出たのではないか。
年金運用をGPIFに委託している厚労省年金局の担当者はこう話す。
「低格付け債券への投資は分散投資の一環です。
年金運用の長期的な安定を目指す上で、必要なものと捉えています。
『損失の補填』という見方は間違っています。
一時的に損失が出たからと、一喜一憂すべきではありません」

GPIFは、リーマン・ショック並みの株価暴落があった場合、26兆円の損失が出るとの試算を、自ら出している。
やはり、「負け分」に備えた“分散投資”とみて間違いなさそうだ。

経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
「一般家庭で、老後のための大切な貯金をジャンク債につぎ込む人がいるでしょうか。
国民にとってなけなしの年金を原資に、ギャンブルに近いことをやるなんて言語道断です。
自分のカネならやらないはず。
そもそも、リスク資産で運用すること自体が大きな間違いです。
株価暴落などで損失を被れば、結局、最終的なツケは国民に回ってきます。
かといって、今さら資金を引き揚げることもできない。
引き揚げを示唆しただけで投資家は逃げていき、さらなる暴落を招くことになってしまうからです」

少子高齢化による不安に加え、「世代間格差」まで取り沙汰される年金問題。
なぜ、株高を支え続けるために庶民の年金を危険にさらす必要があるのか。』
                              (日刊ゲンダイより転用)