外出自粛で家に籠って所在の無い日々が続いている。
そんなこんなで、暇つぶしに本を開く機会も増えた。
マルコポーロの『東方見聞録』が、日本のことを黄金の島(ジパング)として、
紹介しているぐらいのことは知っていた。
だが、実際には、記述の一部に荒唐無稽な話しもあって、たまがった。
以下、その一部を引く。
ジパングは東海の一島で、大陸から約1、500マイルのところにある。
この島は、なかりの大きさで住民の皮膚の色は美しく、姿もよく、礼儀正しい。
宗教は偶像崇拝である。
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彼らはいかなる外国の勢力にも屈せず、彼ら自身の王の支配のみ受けている。
黄金が非常に多く無尽蔵であるが、王がその輸出を許さないので、
訪れる商人は僅かしかいない。
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王宮の屋根は、すべて黄金の板で葺いてある。
床の間も黄金で、沢山の部屋には厚い純金のテーブルがあり、
窓にも黄金の飾りがついている。
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この島の富は、それほど有名であったので、
元王フビライ・ハーンの胸中は、この島を征服し、
領土としようとする欲望にかき立てられた。
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この島の住民は敵を捕虜にしたとき、その者が身代金を調達できないと、
親類や友人を招き、捕虜を殺して酒宴を開く。
そして、人肉ほど美味しいものはないといって食べる。
特に、最後の記述は荒唐無稽な話しで、日本人は人食い人種にされている。
このことを知っている人は、案外と少ないのでは?
私には初耳だった。