若いころ読んだ小説で強い印象を受け、今でも何事かあると呟いたりするボキャがある。
こんな経験は、どなたでもお持ちだろう。
私の場合、漱石の三四郎に出てくる『ストレイ・シープ』がそれ。
直訳すると、stray (迷う) sheep (羊):迷羊。
何か困った場面に出会ったりすると「ストレイ・シープ」と呟いたりしてきた。
さすがに漱石はイギリス留学しているから、
本場仕込みの英語でカッコいいと使ってきたのである。
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ところが、最近読んだ本で自分の思い違いに気づかされた。
本来の英語では、stray sheep とは使わないそうだ。
慣用句として使うのは、stray child ( 迷子 )や stray cat ( 迷いネコ )。
sheep は親羊だから、子羊( lamb )と違って迷うことはなさそう。
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他に、sheep は諺【毒を食らわば皿まで】の慣用句としてある。
might as well be hanged for a sheep as a lamb
直訳すると【子羊を盗んで縛り首になるなら親羊を盗んで方がまし】
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以上、暇人の戯言でした。
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