タイトルだけは誰もが知っている「ファーブル昆虫記」
私も、その一人だが、今回たまたま拝読する機会に恵まれた。
昆虫についての観察と研究の記録で、
文学的な雰囲気もあって美しい散文詩でもあるようだ。
ファーブルは忍耐と精察とを持てば、困難を突き破ることが可能だとしている。
以下、カマキリについての一部を引用・紹介したい。
カマキリの習性を研究するためには、籠の中で観察しなければならない。
この虫は大食いなので、その飼育期間が数カ月も続くと厄介になった。
イナゴ、コオロギ、バッタ、トンボなど与え続けねばならない。
このカマキリは腹が膨れ卵巣の中の卵が成熟して婚姻と産卵の季節が近付くと、
丁度、嫉妬のような一種の狂暴状態に陥る。
カマキリの残虐性は、貪ちんな生殖欲と食欲の混濁の中で頂点に達する。
そしてオスは生殖作用が終わると、あたかも子孫のための犠牲として、
メスの食糧となって姿を消すのである。
メスは一匹のオスを平らげると、また次のオスを平らげる。
私は2週間の間に、メスが7匹までのオスを平らげるのを見た。
諸君は、木の枝や草に泡状の塊りとなって、
くっついている3センチぐらいのカマキリの巣を見たことがあるだろうか。
その巣は実に頑丈で手で破ることはできない。
ナイフで切ってみると、その中に黄色い卵が2~3百位並んで入っている。
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