私の書棚には、中原中也の詩集があり、
戦争に色付けした部分がある。
タイトル「サーカス」の冒頭部は、次のように始まる。
幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました
この早世した詩人が、これを作詩した時期は、
大正から昭和の始め頃と思われるから、
その戦争は、日清日露の戦やシベリヤ出兵かと思われる。
中原中也にとっては、戦争の色は茶色だったのである。
さて、いまプーチンのウクライナ侵攻について、
戦争に色を付けるとすれば、何色だろう?
テレビで報じられる戦争は、ミサイルによるウクライナへの攻撃であり、
標的は病院や集合住宅、ダムや電力のインフラ破壊である。
時には、核使用をも匂わせての威嚇もある。
国際社会が培ってきた人間の尊厳や自由や友愛などは微塵も無し。
あるのは、破壊と人殺しの虚しさだけ。
中原中也を模して、
幾時代かがありまして 灰色の戦争ありました
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