熊本市には全国でも唯一の味噌の神様が存する。
通称「味噌天神」と呼ばれる本村神社だ。
我が家から徒歩5~6分の距離で、時々、横を通るから覗いて見るが、
いつもは参拝者らの人影は、ほとんど見かけない。
■
きょう、10月25日は、味噌天神の年に一度の例大祭だそうな。
例年なら、この日ばかりは、境内は大勢の人々でゴッタ返すが、今年はご覧の通り。
県下の味噌・醤油組合が恒例の味噌の無料配布を中止したため。
コロナ禍で大勢集まるのを避けるための、当然の措置であったが、
過去、例大祭で境内がゴッタ返したのは、皆さん、無料の味噌配布が目当てだったのだ。
■
伝承によれば、
奈良時代の頃、悪病平癒のため「御祖天神」を祀ったのが始まりとされる。
その後、国分寺の味噌倉で多量の味噌が腐敗し困り果てた。
僧侶らが祈祷したところ「境内の小笹を味噌桶に立てよ」とのお告げがあり、
その通りにすると、不思議や美味しい味噌に変わっていた、という。
人々は大喜びし「味噌天神」の愛称で信仰を̝高めていった。
【これが、境内の小笹】
戦前までは、この伝承を信じて、境内の小笹を持ち帰る人も居たとか。
なお、平安時代になると、菅原道真も合祀されて「天満宮」とも呼ばれるようになった。
故事来歴は勉強になりました。いつか、囲碁会の帰りに途中下車して参拝してみます。
今年は、そんな恒例行事は中止で、味噌組合の業者だけでの寂しい例大祭だったようです。
私は一寸覗いて「味噌配布は中止」の張り紙を見て、祭祀の途中まで拝見し帰宅しました。