般若心経

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2023-08-12 | Weblog

 お 墓

 お盆を前にお墓の掃除に行ってきました。わが家の墓は江戸時代からの共同墓地です。かなり広い丘の斜面にある墓地で、昔から空いている場所に順次お墓を建てていたようで、今のお寺の墓地や民間の分譲墓地と異なり管理者はいません。
最近、ここのお墓を撤去したり、他の場所に改葬する人が増えてきました。
跡地には『この区画のすべての権利を永久に放棄します』と書かれた立て札が建てられています。自由に使っていいですよということです。初期費用も年間維持管理費も必要ありませんので、すぐに希望者がでてくるかと思ったのですが、全くその気配はありません。更地になった墓地は数年経つと草むらになり雑木が生い茂ってしまいます。
 もったいないとは思いますが、やはり交通の便が良く、多少の費用がかかっても管理に手間のかからない納骨堂や分譲墓地の方を選ぶのでしょう。
 今、お寺や民間業者は広大な分譲墓地や最新式の機械式収納の納骨堂を造って売り出しています。機械式納骨堂ではカード一枚でいつでもお参りすることができます。またこれらの墓地や納骨堂では50年後の墓じまいまで世話をしてくれるそうです。大変便利になったものです。
昔と違い生まれた場所で一生を過ごすという人は人口の10パーセント以下といわれている現在、故郷の大地を切り開いて死後の居場所を確保するというお墓のイメージは必然的に変わらざるを得ないのではないでしょうか。

 お墓のあり方については、親からの教えを含む生活環境、宗教観、死生観、併せて経済事情、いろいろな考えがあります。
以前にアップしましたが、東北大学鈴木岩弓名誉教授によるe-ラーニング「memento mori-死を想え-」を受講して私の墓に関する考えは変わりました。
また改めて紹介したいと思います。来年のお盆前くらいには。


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2019-11-30 | Weblog

 gacco
  「memento mori-死を想え-」

 gaccoは NTTドコモが企画するe-ラーニングです。さまざまなジャンルの大学レベルの講義をだれでも無料で受けることができます。よろしかったらこちらをご覧ください。

 少し前のことになりますが、東北大学鈴木岩弓名誉教授による「memento mori-死を想え-」を受講しました。

講座内容 (講座案内より)
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 memento mori、現在は幸せに生きている自分自身もいずれは死を迎えることを忘れるな!という警句です。特に中世末期のヨーロッパ、ペストが蔓延するなどして逃れようのない終末観の中で享楽的な生活におぼれるキリスト教徒に対して発せられたこの言葉は、現世での楽しみや贅沢が虚しいものであることを強調するものであり、来世に思いを馳せるきっかけとなりました。
 ”Man is mortal.(人は死すべき存在である)” と言われるように、われわれ人間はいつか必ず死を迎えます。しかし死んだらどうなるのかと言った、古い時代からの永遠の疑問は、未だ解き明かされないままです。死後世界へと旅立った人々の誰一人として、この世に戻ってきた人がいないからなのでしょう。
 そのため正解のわからない死をめぐって、人はさまざまな生活様式(=文化)を創造してきました。授業では現代日本人の死の文化を中心に、「死」について考えます
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 受講する前は「死とはなにか」を突き詰めて考える講座かなと思っていました。しかし、違っていました。
講座は死を取り巻くさまざまな環境、即ち現代日本における死の状況、宗教、民俗、葬送儀礼、墓、位牌、日本人の死生観、家制度の廃止などを考えることにより「死とはなにか」を自ら考えるものです。
 講義はまずニホンカモシカが死んでから骨になり、土にかえる様子を定点観測した写真から始まります。さらに人間が死んでから遺体がどのように変わっていくのか『九相詩絵巻』に描かれたショッキングな画が映し出されます。死体の変わりゆくさまは想像したことはありますが、改めてはっきりと示されると人間も動物も同じものだと感じました。
 受講して感じたことは受講者の育ち、考え方により各自かなり異なるのではないかと思います。
閉講に際しての鈴木教授のことば(抜粋)を紹介します。

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 死の問題に関しては正解があるわけではありません
みなさんが みなさんの立場でいろいろと考えていただくことが 大事だと思います
今回の講座はまさにそういうことを 考えていただくためのヒントあるいは入り口としての道をちょっと お示ししただけということに なるかと思います
私も一緒に 皆さんと一緒に 歩いていきたいと思います
一緒に「memento mori」ということを 肝に銘じて歩いていきましょう
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