また吹き流しのこと
なぜ尾が紐のようになるのか
近くの山にある観音堂ではお正月、お祭りや縁日などに吹き流しを揚げています。
この吹き流しですが、尾の部分が皴になりまるで紐のようになっていました。なぜ皴がよって、紐のようになってしまうのか、以前から不思議に思っていました。その謎が解けました!!
先月、いつもお参りされているアイロンをしている人(繊維業の盛んな当地では、工場で縫いあがった製品にアイロンをかける仕事を請け負っている人のことを“アイロンをしている人”と言っています)が持ち帰り、尾の部分の皴をのばしてくれました。
ところが先月18日の縁日に揚げた吹き流しを降ろした時、折角のばした尾にまた皴が入っていました。この皴が重なり紐のようになるのでしょう。
このGWのとき、その原因が判りました。尾が風にあおられて結ばれるのです。信じられないと思いますが、麓から吹き上げられた複雑な気流で結び目ができるのです。1本で結び目ができることもあり、また1本が他の1~2本をくくるように結んでいることもあります。そしてその結び目が風によって次第に下り、最終的にはほどけます。このとき尾に皴が入り、何度も繰り返されていくうちに紐のようになっていたのです。
吹き流しの皴は、尾が長いが為の宿命です。
おそらく他のお寺でも同じだと思います。今度吹き流しを見かけたら尾に注意して見てみたいと思います。