「ぼけ老人」 新聞の写真から思ったこと あれこれ
先週の朝日新聞土曜日版be 「サザエさんをさがして」に掲載された写真(1983年)です。ここは東京都社会福祉協議会内の事務室。入口のパネルに「ぼけ老人てれほん相談」と書かれています。今、「ぼけ老人」などと言ったら大変なことになります。写真は40年ほど前、当時は普通に使われていたようです。
その頃、‟ぼけ„は医療、介護の分野では‟痴呆„とか‟痴呆症„と呼ばれていました。その後、‟痴呆症„という言葉には侮蔑的な表現が含まれているとして問題になり、これを‟認知症„と名称変更しました。現在、‟ぼけ„という言葉は、喧嘩や悪口、自虐的に言う以外には使われなくなりました。あっ!そうそう、漫才やコントでは使われています。
一方、老人という言葉は「高齢者」とか「シニア」に代えられたりしてもいますが、老人ホーム、老人クラブとか老人憩いの家などと今でも普通に使われています。
でも、日ごろの会話では「老人」「高齢者」「シニア」はあまり使われなく、話し言葉としては「おじいさん」、「おばあさん」でしょう。
私もそのように呼ばれる年ごろになり、最近思うことがあります。
小さい子供に「おじいちゃん」、「おじいさん」と呼ばれるとなんともないのですが、中高年の人から「おじいさん」と呼ばれるとちょっとひっかかるものがあるのです。まだ少し見栄というものがあるのかもしれません。
できれば「・・・さん」と呼んでもらえれば抵抗感がないのですが。
その点、女性はいいですね。何歳になっても、たとえ80歳、90歳になっても「おねえさん」と呼んで差し障りなく通じるのですから。
そして、もし山で女性のグループに出会ったときは「お嬢さん方」と呼べば喜んでもらえること間違いなしです。