般若心経

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般若心経

2019-01-28 | Weblog
2016

 「六〇歳から『生まれ変わる』禅の作法」





 曹洞宗の僧侶であり、庭園デザイナーでもある枡野俊明さんの本です。
定年退職後の生活について禅の立場からアドバイスしてくれます。

 たくさんの禅(仏教)のことばを例をあげて説明しています。
なかからひとつを紹介します。
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前後際断《ぜんごさいだん》
 前後際断という禅語があります。道元禅師はこの意味を次のように説明されています。
薪は燃えると灰になります。ですから、薪は燃える「前」、灰は薪の燃えた「後」つまり灰は薪の延長線上にあると見えます。
 道元禅師はそうではなく、薪は薪で絶対の姿、灰は灰で絶対の姿である。両者は繋がっているように見えますが、実は断ち切られているといいます。
つまり現役生活の延長線上に老いの生活があるのではないのです。
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 死は生が尽きた状態ではありません。生の延長線上に死があるわけではなく、生の終了が死でもないのです。生は生で絶対、死は死で絶対です。両者は繋がっていません。はっきり断たれています。生きているときに死を思っても意味はありません。絶対である生をまっとうすることだけを考え、そのことにつとめればいいのです。禅ではそれを「生ききる」といいます。
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 昨年亡くなられた女優の樹木希林さんも「人生も物も使い切る」とよくいわれていたそうです。
 過去の後悔にさいなまれ、現在の生活を暗くすることほど無駄なことはありません。
過去と現在は断ち切られていると考えると気が楽になります。