般若心経

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2017-10-17 | Weblog
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熟柿《じゅくし》

 柿は完熟すると熟柿といって、柔らかく、甘みが増します。しかし日保ちがせずすぐ形がくずれてしまうので店頭ではほとんど見かけません。また木になっている状態では鳥の格好の的になります。
昨日、傷のついていないきれいな熟柿を一つ見つけました。

 熟柿をみるといつも思い出すのが、高野山の一乗院で夕食にデザートとして出された熟柿です。
お膳の上を見て最初何か分かりませんでした。大きなトマト位の赤いボール状のものがお皿の上に載っています。スプーンが添えられています。トマトの薄皮を剥いたものにそっくりですが、トマトにしては食膳に丸ごと出されているのも変です。
スプーンで切ってみて初めて柿だと分かりました。表面の薄皮をきれいに剥がしています。形が全く崩れていなく、こんなにきれいに薄皮を剥いだ熟柿を見たことは初めてでした。
 熟柿の皮は非常に薄く、薄皮の下には砂糖が固まったような薄い層があり、この層を残して薄皮だけを剥ぐと形が崩れずに果汁も出てきません。この層を残して実に傷をつけないで薄皮を剥くことは難しい作業です。その後熟柿が手に入る都度、なんとか薄皮だけを取ろうと熱湯をかけたり、冷凍したりして試してみるのですが、一度も成功したことがありません。インターネットで検索しても出ていないようです。
 今度高野山にまた行く機会があったら聞いてみたいと思います。

上側はきれいに取れた部分、下側は失敗した部分です。