AWA@TELL まいにち

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外国人の子供の就学について法制面の記述をいくつか

2018年07月14日 | 日本語教育
昨日の大学院の授業でみた番組の整理。




外国人の子どもの公立義務教育諸学校への受け入れについて、「義務教育ではないから」という話をされて、「就学拒否」をするというケースがまだあると聞いています。「日本語ができるようになってから来てください」というのも、「就学拒否」に当たります。

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日本国憲法 第二十六条
 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
 2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

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教育基本法 第五条
 国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。(以下略)

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すべて条文の主語が「国民」であるために、外国人が排除されていると考える人もいますが、日本は条約や国際規約を批准しているのです。

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経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約) 第十三条
 一 この規約の締約国は、教育についてのすべての者の権利を認める。
 二 この規約の締約国は、一の権利の完全な実現を達成するため、次のことを認める・
  (a) 初等教育は、義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとすること。
  (b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、且つ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。

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児童の権利に関する条約 第二十八条
 一 締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機械の病棟を基礎として達成するため、特に、
 (a) 初等教育を義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとする。
 (b) 種々の形態の中等教育(一般教育及び職業教育を含む)の発展を奨励し、すべての児童に対し、これらの中等教育が利用可能であり、且つ、これらを利用する機会が与えられるものとし、例えば、無償教育の導入、必要な場合における財政的援助の提供のような適当な措置をとる。

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条約で示されているのは、「すべての者」。
条約を批准した時点で、国内法と同等の力を持つので、「日本語ができるようになってから」、「体制が整うまで待って」などは、違法状況です。

学校現場の先生方のご負担が増えることは重々承知していますが、

「まず、受け入れる」そして「どうやろうか」に、お手伝いしたいと考えています。 

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